GoldenYears 編集部が作成したオリジナルのExcel版エンディングノートを入手していただいた方向けの、書き方見本のページです。
エンディングノートの書くべき内容の多さに圧倒される場合は、以下の記事で目的別に優先して書くべき事項をご紹介しております。もし、どの項目から書くべきかわからないという場合は以下の記事からお読みください。
今回は、エンディングノートに記載する「葬儀・埋葬の希望」の希望についての書き方を説明します。
自分が死んだ時に、どういう葬儀をしたいか・どういう埋葬方法をしたいかを決めておくと、いざ亡くなった時に、遺族が故人(亡くなった人のこと)がどのような葬儀や埋葬を望んできるかを知り、それを元にどのようなお別れを行うかを決めることができます。
どこで亡くなった場合でも、亡くなってから火葬するまでに時間はあまりないため、決断を急かされる場合があります。
慌しい中でも、ご遺族が決断に困らないようにエンディングノートにしっかり希望を記しておきましょう。
希望を記したとしても、最終的な決断は遺族に委ねられます。自分が望む葬儀・埋葬方法を望む場合は、遺言執行者を事前に立てておくことで、実現することも可能です。
書き始める前に
葬儀・埋葬について、希望を書くにあたり、確認しておくべき事項があります。
以下の4点について事前に確認しておくようにしましょう。
- 宗教・宗派
- 檀家の有無
- お墓の有無
- お墓の空き状況
家族に聞いても不明な場合は、お墓を管理している業者さんに連絡してみましょう。
葬儀について
どんなお葬式を誰のために開催するか、それともしないのかについて考えていきましょう。
葬儀をやるかやらないか
まず、葬儀について考えるにあたり、葬儀をやるかやらないかを考える必要があります。
葬儀をやりたくない場合は、直接火葬場に遺体を搬送することもできます。
最近では家族葬といって数十名で開催する小規模なお葬式が増えてきていますが、規模によっては、費用も数百万以上かかってくることがあります。
エンディングノートを執筆するにあたり、以下の2点を意識しながら、どのような葬儀を行いたかを考えてみましょう。
- どれくらいの規模で
- どのように行うか
どういう葬儀をやるのか
一言に葬儀といっても、葬儀の多様化が進んでおり、ざっくり分けると以下のように分けられます。
葬儀の種類類 | 概要 |
一般葬 | 通夜、葬式、告別式が行われる50人以上の規模の葬儀です。 |
家族葬 | 通夜、葬式、告別式が行われる50人以下の規模の葬儀で、親族のみで行われることが多いです。 |
密葬本葬 | 通夜、葬式、告別式が行われ規模は問いません。一般的には会社の役員さんや芸能人などが行う場合が多く、親族や身内を対象とした密葬を行ったのち、一般も参列できる本葬が本葬が行われます。密葬では訃報を流しません。 |
社葬 | 通夜、葬式、告別式が行われ規模は問いません。名前の通り、会社の役員さんが行う葬儀で、社員の参列を目的としています。遺族と合同で行う葬儀のことは、合同葬と言います。 |
多種多様な葬儀
「葬儀はかしこまってやるもの」ではないと考える人々もいます。
現代では、葬儀の多様化が進み、無宗教での葬儀、お家でのお葬式、生前に行う生前葬などがあります。
前述した一般葬でも葬儀屋さんに相談することで、故人が好きだった音楽を流してくれたり、臨機応変に対応してくださる場合もあるので、希望がある場合は場合はその旨を記載しておくといいかもしれません。
以下、具体的なお葬式の例です。
無宗教での葬儀
宗教者を呼ばずに実施する葬儀です。カスタマイズしてお別れをすることができます。
お家でのお葬式
葬儀場で行わずにお家で行う葬儀です。慣れ親しんだお家で開催することができます。
生前に行う生前葬
死後に行わず、生前に行う葬儀です。本人が生きているうちに行うので、お別れを直接伝えることができます。
お金の準備について
葬儀を行う際の費用をどうするかを記載しておきましょう。亡くなった後の場合、本人の財産を動かすには以下の2つになります。生前贈与として、喪主にあたる家族に一定のお金を事前に渡しておくことで一時的な資金繰りに困らないようにすることもできます。
生命保険
故人が入っている生命保険があるのであれば、受取人が生命保険の死亡保険で受け取れる金額を受け取ることができます。
故人の預金
2019年7月の相続法改定により、故人の預金口座は凍結されても、相続人を確定する戸籍の取得することで、単独の相続人により最大150万円まで一時的に下ろすことができるようになりました。
参考
生前贈与のメリットとデメリット|相続と贈与の違いをわかりやすく解説相続弁護士ナビ
埋葬について
葬式と違い、埋葬はきちんと行わなければなりません。
日本では「墓地、埋葬等に関する法律」の第1章 第4条にて以下のように定められており、火葬が基本となっています。
第4条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない
引用元:墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)
近年は、一般的に想像されるようなお墓とは異なり、多種多様な埋葬方法が出てきています。ご自身とご家族の状況を踏まえて、歴代続いてきた埋葬方法を見直すというのも手法の1つかもしれません。
具体的にどのような埋葬の種類があるのかをを知り、希望する埋葬方法について検討して見ましょう。
埋葬の種類
埋葬の手法を大きく分けると、間借りするタイプとしないタイプの2種類に分けられます。
間借りをするタイプ
- 戸建てタイプ
- マンションタイプ
- シェアハウスタイプ(合祀墓)
戸建てタイプとは、墓地に自分専用のスペースを借り、そこに埋葬するタイプのことを指します。墓石型が一般的ではありますが、最近では、樹木葬でも戸建てタイプのものがあります。
マンションタイプとは、1つの建物や植物にそれぞれのスペースを設け、埋葬するタイプのことを指します。樹木葬や納骨堂にそのタイプが多いです。
シェアハウスタイプとは、1つのスペースにそこに埋葬を希望する人が一緒に埋葬されるタイプのことを指します。一般的には合祀墓と呼ばれ、墓石・樹木葬にそのタイプが多いです。
間借りをしないタイプ
- 手元供養
- 海洋散骨
- 宇宙葬
間借りをしない場合は、手元に置いておくか散骨をするかの2パターンに別れます。
手元に置いておくことを、手元供養と呼び、最近では骨壺に入れてそのまま家で保管をしたり、細かくした遺骨をアクセサリーに入れ込むといった方法があります。
散骨する場合は、海に撒く海洋散骨とバルーンで空に打ち上げる宇宙葬というのが最近出てきています。
最後に
葬儀に対するイメージが湧いている方でもそうでない方でも、希望の条件だけでも記載をしておくと、残された家族が判断に困らない可能性が高まりますので、今すぐ決められない方は希望の条件だけでも書いておきましょう。
また、近場の墓地に見学を申し込んでみるのも手法の1つです。
次は、万が一何かあったときに重要となってくる「連絡先」について記入していきましょう。