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50歳で自然妊娠できる?|リスクと確率を統計データから解説

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この記事を書いた人
臼井 貴紀 Usui Kiki
臼井 貴紀 Usui Kiki

Hubbit株式会社 代表取締役社長。藤田医科大学客員教員。早稲田大学卒業後、ヤフー株式会社に新卒入社。営業、マーケティング、開発ディレクション、新規事業開発など幅広く担当。その後、ベンチャー企業に転職しAIを活用したMAツールの立ち上げを行った後、Hubbit設立。高齢者施設に3ヶ月住み込んだり、1日訪問看護ステーションに密着するなど、徹底的な現場主義タイプ。日本経済新聞、NHKおはよう日本、ABEMA PRIME等に出演。 ▼保有資格 終活カウンセラー FP エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座修了

この記事のサマリ
  • 晩婚化の影響で高齢化出産が増加している
  • 女性の妊娠出産可能年齢には個人差がある
  • 50歳以上の女性の妊娠ではさまざまなリスクがある
  • 50歳以上ならではのメリットも存在する
  • 妊娠を希望する50歳以上の女性は一刻も早い不妊治療のスタートを

近年では初婚・再婚に関わらず40代や50代になってから結婚するケースが増えてきています。

50歳になってから子供を産みたいと思ったとき、はたして妊娠や出産は可能なのでしょうか

今回は50歳になってからの妊娠と出産の可能性について解説します。

日本の高齢出産の割合が増えている

日本人の晩婚化が進んだ影響で、女性の出産年齢は年々上がっています。

内閣府の資料によれば、日本人の平均初婚年齢は1980年から2016年までの間に5.9歳上がっており、それに伴い第1子出生時の母親の平均年齢も1980年時点の26.4歳から2016年時点で30.7歳と、4.3歳上がっています。

日本の結婚・出産平均年齢の推移

画像引用:内閣府|少子化克服戦略会議「少子化関係資料」

また、年齢45歳以上の母親による出生数は1985年時点で245人、対して2018年時点での出生数の概算は1,659人という調査結果も出ています。

同年を対象とした全年齢の出生数が143.1万人から91.8万人に減少していることを考えると、高齢出産の割合が著しく増加していることがうかがえます。

50歳以上でも妊娠は可能?

新生児

それでは、身体的には50歳以上の女性の妊娠は可能なのでしょうか。結論から言うと、実例もあるので50歳以上の妊娠は可能です。

女性が妊娠可能となる身体的な限界は、実際の年齢よりもいわゆる卵巣年齢・子宮年齢が基準になります。

卵巣年齢や子宮年齢というのは俗語であり、医学的にはAMH(抗ミュラー管ホルモン)FSH(卵胞刺激ホルモン)などの値を調べて判断されます。

AMH値の年齢別数値

画像引用:はらメディカルクリニック|抗ミュラー管ホルモン (AMH) について

AMHなどの値は加齢により減少しますが、その度合いは個人差が非常に大きいため、50歳だから一概にできる・できないの判断はできません。

50歳以上で妊娠出産した芸能人・有名人

芸能界でも高齢出産の波は広がっていますが、そのほとんどは40代での妊娠出産であり、50歳以上の例はごく少数です。

ブログ等で妊娠出産を公表している芸能人や有名人は以下のような方々です。

  • 歌手:ジャネット・ジャクソン(50歳で出産)
  • 政治家:野田聖子(50歳で出産)
  • ラジオパーソナリティー:坂上みき(53歳で出産)
ベビー服 50歳で妊娠したらブログを使ってママ友探し|メリット3つとおすすめブログ

50歳以上の妊娠のリスク

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では、どうして50歳以上の女性では妊娠・出産する人が少ないのでしょうか。

それは50歳以上の年齢になると、母体や赤ちゃんにさまざまなリスクがあると考えられているからです。

具体的にはどのようなリスクがあるか見ていきましょう。

自然妊娠の確率が低い

一般的には女性の平均閉経年齢は約50歳で、自然妊娠が可能な最高年齢は閉経の数年前である45歳程度が限界だと言われています。

つまり50歳以上の年齢になると、不妊治療などの手段を取らずに妊娠できる可能性は極めて低いと考えられます。

また各自治体の不妊治療助成制度は妻の年齢が43歳以上では対象外となる場合が多く、不妊治療にかかる費用も高額となることが予想されます。

母体へのリスク

さらに注意しておかなければいけないのが、妊娠が成立してからの流産率の高さです。

妊娠数に対する流産数の割合を年齢別に比較した場合、母の年齢が20歳~35歳前後までは流産率が一定していますが、35歳をすぎると急激に上昇し、40代後半では妊娠しても約7割は流産に至るとのことです。

参考 高齢出産は先天異常を増やすか?生殖補助医療先天異常データの分析深井保健科学研究所

また妊娠中の母体に妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)などが起きる可能性も高まり、妊産婦の死亡率も10倍以上に跳ね上がります。

年齢別の妊産婦死亡率

画像引用:厚生労働省|第2回妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会資料「妊産婦の診療の現状と課題」

赤ちゃんへのリスク

高齢出産の場合、赤ちゃんの健康上のリスクも考えられます。

周産期(妊娠22週後~生後1週間未満)の赤ちゃんが死亡する周産期死亡率も、母体が45歳以上の場合には増加します

周産期死亡率

画像引用:厚生労働省|第2回妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会資料「妊産婦の診療の現状と課題」

出産・育児の体力的な負担

最後に考えられるリスクが、出産時とその後の育児にかかる母親の体力的な負担です。

特に乳幼児の育児をする上では、夜泣きによる睡眠不足や抱っこを原因とした腰痛など、体力が低下して疲れやすい50歳以上の女性にはダメージもかなりかかることが予想されます。

50代以上の人が妊娠するメリット

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ここまでは50歳以上の女性が妊娠・出産をする際のリスクを挙げてみましたが、50歳以上の女性には妊娠・出産のリスクやデメリットがある反面、年齢を重ねた女性ならではのメリットも存在します。

ここからは、50歳以上の女性の妊娠出産にはどのようなメリットがあるかを見ていきましょう。

金銭的な安定

20代や30代の女性に比べて、働き続けている50歳前後の女性は給与等の収入が高い可能性があります。

結婚している場合には配偶者の年収もそれなりの額となり、金銭的には安定していることが多いでしょう。

ただし不妊治療には高額な費用がかかり、育児費用や教育費にも多くのお金がかかりますので、妊娠を計画する前には長期的な資金計画をしっかり立てておく必要があります。

精神的な余裕

若年齢の出産は児童虐待の危険性が高まるなどの社会的ハイリスクをはらんでいますが、50歳以上の女性は子供を迎えることの心の準備はできているので、精神的にも余裕があると考えられ、そのリスクを回避できる可能性が高いでしょう。

児童虐待等の相談件数

画像引用:厚生労働省|第2回妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会資料「妊産婦の診療の現状と課題」

20代~40代の間に自分のやりたいことが十分にできたという満足感もあり、妊娠・出産からその後の育児の期間中でも不満を覚えることが少ないかもしれません。

50歳以上でも自然妊娠の確率を上げる方法は?

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女性が50歳になってから妊娠したいと希望する場合には、今すぐにでも不妊治療をスタートして自然妊娠をする確率を上げる方がいいでしょう

前述のとおり自然妊娠の限界は45歳程度だと言われていますので、50歳以上の女性が妊娠するためには専門医の力を借りる必要があります。

また、結婚している人の場合は配偶者と相談し、経済的な面も含めたライフプランの検討も早急にしなければいけません。

50歳になってからの妊娠計画はスピーディな対応が求められるでしょう。

まとめ

母と子

今回は50歳以上の女性の妊娠・出産の現状やリスク、メリットなどについて解説しました。

50歳の女性が妊娠するのは、身体的な年齢を考えると難しいことは事実です。しかし、産みたいという気持ちには年齢制限はありません。

50歳になってから子供が欲しいと思った人は、リスクやメリット・デメリットを総合的に判断して、なおかつ妊娠したいと固く希望する人は早めの不妊治療をおすすめします。


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