【Excel版】エンディングノート(終活ノート)

定年後の再就職方法は4つ|再就職ではこれまでの自分からの意識改革が重要

仕事探し

この記事を書いた人
数田 陽子 Kazuta Yoko
数田 陽子 Kazuta Yoko

医療衛生用品メーカーでMDと営業、その後、ECサイト運営企業でヘルス&ビューティケアカテゴリを統括。自らが団塊ジュニア世代であることから終活に関する知識を深め、終活講師としてセミナーを主催。超高齢化に危機感を持ち、自らの生活を含めた親世代を支えるために、終活に関する知識を研鑽。おひとりさま、おふたりさまの終活分野に強く、化粧品や健康食品の開発経験から、健康面も重視し、トータルに考えたアドバイスが得意。 ▼保有資格 終活カウンセラー Happy Ending Planner 認知症サポーター 2級ファイナンシャル・プランニング技能士

この記事のサマリ
  • 定年後の仕事を希望する人に対して高齢者就労は進んでいない
  • 再就職方法は再雇用・人材紹介・求人サイト・自治体再就職支援の活用
  • 定年後の年収は一般的に低下する
  • 定年後の再就職ではこれまでの自分からの意識改革が必要

一般的な会社には定年制度がありますから、サラリーマンの多くはいつか会社を去らなければいけません。

しかし人生100年時代と言われる今では、定年年齢の60~65歳になったとしても、できるかぎり働き続けて収入を得た方が安心でしょう。

定年により一旦会社を退職し、それから再就職するにはどうすれば良いでしょうか。

今回は定年後の再就職方法について解説します。

定年退職後の再就職は難しい?

多くのミドルシニア層は定年退職後もできる限り働き続けたいと希望していますが、高年齢の求職者数に対して雇用者数が見合っていないのが実情です。

特に医療福祉や情報通信などの業種や、技術職・事務職・販売職などの職種では、人手不足にも関わらず高齢者就労が進んでいません。

雇用不足の高齢者比率

画像引用:経済産業庁|生涯現役社会に向けた雇用制度改革について(PDF)

国も2013年に改正高年齢者雇用安定法を施行するなど高齢者活用の取り組みを進めていますが、どちらかと言えば定年延長や継続雇用を推進している制度なので、定年後の再就職には国の支援が手薄いと考えられます。

再就職の方法

継続雇用制度を利用せずに定年年齢で退職した人は、その後どのようにして再就職先を探せば良いでしょうか。

今回は正規雇用での再就職を希望する人が利用している求職方法の例をご紹介します。

再雇用

定年退職した会社が嘱託などの再雇用制度を設けている場合には、それを活用するのが最もやりやすい再就職方法です。

上記でご紹介した改正高齢者雇用安定法では、中高年齢離職者に対する再就職の援助も企業の努力義務としています。関連会社やグループ会社を含め、これまで勤めてきた企業での再雇用状況を確認してみましょう。

人材紹介会社による再就職

job-search

高いスキルがあり定年退職後にも現役時代と同じレベルの年収が欲しい人は、キャリア専門の人材紹介会社のあっせんを受けるのも一案です。

人材紹介会社にはアウトプレースメント(再就職)型・ヘッドハンティング型・登録型の3種類があります。人材紹介全体では登録型がもっとも多いですが、中高年齢を対象とした人材紹介会社では、アウトプレースメント(再就職)型が多くなる傾向にあります。

ただし人材紹介会社が登録者とマッチする企業を持たない場合には紹介できないため、必ずしも再就職が叶うとは限りません。

シニア向け求人サイトによる再就職

人材紹介ではなく通常の求人サイトでも、最近ではシニア向けに特化しているサイトが存在します。

雇用形態はパート・アルバイトでの求人募集の方が多いですが、中には正社員募集をしている企業もありますので、求人広告をこまめにみて探しましょう。

参考 東京都マイナビミドルシニア

自治体の就業支援制度を活用した再就職

自治体の就業支援制度を活用するのも良い方法です。

公益財団法人 東京しごと財団は、高齢者だけでなく女性や障がい者などの雇用・就業についても支援してくれる団体です。

求職相談だけでなく各種講習なども開催していますので、再就職のために役立つスキルを定年後からでも身に付けることができます。

東京しごとセンター就職支援講習

画像引用:東京しごと財団|55歳以上の方のための就職支援講習

また各所のハローワークの中にも、シニア世代のために専用の職業相談窓口を設けているところがあります。

ハローワーク立川シニア応援コーナー

画像引用:ハローワーク立川|シニア応援コーナーの取り組み

定年退職後の年収

定年後に再就職しても、残念ながらもらえる賃金は下がるのが一般的です。

諸外国では、年齢階級別の賃金水準では40代をピークとして、その後はゆるやかな減少をする傾向にあります。それに対して日本では定年前の50代が最も賃金水準が高く、60歳の定年退職を境にして急激に減少するのが特徴です。

賃金カーブの国際比較

画像引用:経済産業庁|生涯現役社会に向けた雇用制度改革について(PDF)

つまり定年後の資金計画を考える上では、再就職を前提としていても、定年前の賃金をベースにした計画では不十分だということです。

また定年退職後に継続雇用・再就職をする人のためには高齢者雇用継続給付金高年齢再就職給付金という2つの給付金制度が設けられていますが、この制度を利用する場合には給付額に応じて年金が一部支給されなくなる場合があります。

再就職先の給与と年金を合算して定年後の資金計画を考えている人は注意が必要です。

高齢者雇用継続給付金

60歳以降のみなし賃金を含む賃金額が60歳時点の75%未満となった場合、ハローワークへの支給申請により以下の早見表で計算した高齢者雇用継続給付金が支給されます。

雇用継続給付

画像引用:厚生労働省|Q&A~高年齢雇用継続給付~

高年齢再就職給付金

定年退職後に他の企業に再就職し、基本給が基準日額の30倍から75%未満となった場合、ハローワークへの支給申請により高年齢再就職給付金が支給されます。

ただし高年齢再就職給付金が認められるのは、1年を超えて引き続き雇用されることが確実であると認められる再就職の場合のみです。短期雇用の再就職では認められませんので注意しましょう。

定年後の再就職で気をつけること

change

首尾よく再就職を果たした後は、再就職先の会社でも上手くやっていけるように、定年前までの自分から意識改革しましょう。

ここからは定年後の再就職でつい陥りがちな失敗の要因と回避方法をご紹介します。

定年前の会社と比較しない

business

定年前までの会社が大企業だった場合、中小企業に再就職すると、業務範囲や流れも変わりイライラしてしまうかもしれません。

効率的に物事を勧めようとして周囲と軋轢を生んでしまうと、職場のチームワークを乱してしまいます。

例え非効率に感じられたとしても、それぞれの会社には長年培ってきた慣習が存在します。再就職後ひとまずは様子見として、再就職作業の会社の流れに従ってみましょう。

しばらくの後、会社のおおむねの流れが把握できた上で改善策を提案することは、問題ありません。

謙虚な気持ちで仕事に取り組む

定年前の会社で高い役職についていた人は、再就職先の会社で働くときにも前の気分を引きずってしまう場合があります。

上司となった人が年下だと、気持ちの切り替えができずについ偉そうな態度をとってしまう人もいるようです。

以前は役職者であっても再就職先の会社ではあくまでも新人です。仕事の際には謙虚な気持ちを忘れずに、同僚や上司と良い関係を築けるようにしましょう。

環境変化による体調不良に注意

定年退職してから再就職までの間にブランクがある人は、再就職後の体調の変化にも注意が必要です。

毎日の通勤ラッシュや慣れない仕事は、想像していたよりもはるかに体力を消耗します。ブランクがない人でも、これまでと違う業務内容や職場環境は心身ともに疲労が溜まり、無理して体調を崩す人が多いようです。

最近の60代は昔に比べて元気だとは言われていますが、加齢による身体的な影響は避けられません。定年前の働き方とは違い、自分の身体と相談しながらの仕事スタイルを考えましょう。

まとめ

startup

今回は定年退職した人が再就職するために必要な情報について解説しました。

定年退職はリタイアではなく、新たな仕事の出発点です。

いつまでも働き続けられる喜びを忘れないよう、前向きに再就職の準備を始めましょう。


ending-note
GoldenYearsでは、充実したセカンドライフを送るためのサポートを行っております。

終活カウンセラーやエンドオブライフケアなど専門知識を持ったプロフェッショナルチームへの相談が可能です。少しでもわからないことがあれば、ご気軽に以下お問い合わせフォームよりご連絡ください(無料)。

▶︎お問い合わせフォームへ