【Excel版】エンディングノート(終活ノート)

高齢者の好奇心を揺さぶるおもちゃの宝箱「スマイルファクトリー」の代表者に話を聞いてみた!

この記事を書いた人
下川佳乃 Yoshino Shimokawa
下川佳乃 Yoshino Shimokawa

専門学校でマーケティングを学び、その知識を活かして現在インターンシップ生として活動中。祖母が病気で闘病生活・介護生活を送っている姿を目にし、高齢者の抱える悩みや現実を知り、より良い最後を迎えられるような情報を共有していきます。

この記事のサマリ
  • QOLを上げるための福祉用具を企画、販売
  • 「高齢者介護で利用するレクリエーション用の遊具が欲しい」という現場の声をきっかけに誕生
  • お年寄りが自発的にレクリエーションに参加できるような介護福祉玩具

レクリエーションを通して高齢者のQOLを上げ、介護福祉遊具を企画・販売しているSmile Factory(すまいるふぁくとりー」を知っていますか?

高齢者向けの遊具とはどのようなものなのでしょうか。

今回はその謎を探るべく、運営会社であるスマイルファクトリー有限会社の難波さんへお話をうかがいました。

お話をうかがった方 |  難波 栄城 Nanba Hideki
スマイルファクトリー有限会社
代表取締役社長 難波 栄城

「スマイルファクトリー」ではどのようなものを販売しているのですか?

「スマイルファクトリー」では、お年寄りのリハビリテーション用のおもちゃ・玩具・遊具を企画し、販売しています。

高齢者施設で使われることが多く、誰が使うのか、どういう風に使うのか、どんな効果が期待できるのか、目的をしっかり定め、それに応じて商品を作っています。

主にテーブルで遊ぶようなカルタ、簡単なカードゲーム、すごろく、物を投げて遊んだりするゲートボールのような球を打って遊ぶもの、輪投げ、釣りのゲームなどいろんなジャンルのゲームを扱っています。

また、展示会で出展した時に施設の方やお年寄りの方から、「もっとこうしてほしい」「こういうものが欲しい」など意見をいただき、その声を形にしています。

「スマイルファクトリー」が生まれた原点

私はもともと、学生服を販売する会社で仕事をしていました。約30年前、その子会社で福祉施設へユニフォームを作り始める事業がスタートしました。

その際に、現場の方から「デイサービスやデイケアで使うレクリエーション用の遊具を作ってくれませんか?」というお声をいただきました。

私たちはアパレルメーカーだったにもかかわらず、施設の方が現場に訪問した弊社の人間を捕まえて「(高齢者向けの遊具も)なんとかしてほしい!」という訴えをされていたので、まずはご要望を聞くことから始まりました。

おもちゃ会社の方は福祉施設に行く機会がなく、彼らに現場の声を伝える機会がなかったため、私たちが聞くことになりました。

今販売しているおもちゃも、たまたま現場を回っている時にいろんな声を聞いてるなかで生まれたものです。

アパレルメーカーであるため、おもちゃを作るノウハウは全くなかったので、デザイナーと契約して販売を始めました。

しかし、そこではなかなかうまくいかず、会社がその事業を辞めるとなった時に、私が引き取って新しい会社を作り、現在19年目を迎えています。

学生服の子会社としてスタートしたときに、デザイナーさんたちとともに現場におうかがいして、「これが使いにくい」「これをこうしてほしい」、「こういう動きをリハビリとしてやりたいのだけど何かいいものはないか」と全て現場サイドから意見をいただいてそれをもとに企画していました。

その経験がスマイルファクトリーの生まれた原点です。

実際に使用した方からの声や反応

実際に使用した方から「おもしろいね」と言っていただくことが1番多いです。

また、「今までこういうものがなかったからちょうどよかった使いやすい

とおっしゃっていただいています。

難波さんが手がける心のこもった塗り絵

画像引用:Smile Factory 介護福祉遊具メーカー

スマイルファクトリーの塗り絵は、私がデザインしているのですが

この上手じゃないところがええんだ!

完成度が低い分だけ自分たちが気にせずはみ出して自由に塗り絵ができる

少し崩れている方が使いやすい

とありがたいお声をいただいております。

今まで、塗り絵はデザイナーさんに制作を頼んでいたのですが、理想のデザインとマッチしなかったので、

「私が自ら描くよ!」と言って書いています。

自分で描いたものが意外に評判がよかったので嬉しいです!

最近では細かく、何種類も色が必要な塗り絵がはやっています。市販の塗り絵は色を塗る面が多い点は良いのですが、現場で欲しい塗り絵は、「はみ出てもいいくらい大きく塗れるようなもの」「指定がなく自分が好きなように塗っていいこと」なので、できるだけ枠線を太くして見やすくすることを工夫しています!

印象に残った口コミは

嬉しい口コミを多くいただいていますが、中でも特に印象に残っている口コミを紹介します。

行政でレクリエーションの会で使用されたお年寄りの方から

今日、使ったおもちゃが良かったんで売ってもらえませんか?

■要介護度3・4の方や認知症になっていて、体を自由に動かすことが難しいお年寄りの方が

このおもちゃを使ってレクリエーションするときは喜んでくれる!

■現場に行ってレクリエーションしているところを撮影し、その後写真を差し上げているのですが、ご家族の方から

レクリエーションの間、おばあちゃんがこんなに楽しそうに笑っている姿を見られて感謝しています

お年寄りから生まれるコミュニケーション

画像引用:Smile Factory 介護福祉遊具メーカー

思い出カルタという、童謡や唱歌、演歌歌謡曲、アイドルの歌などのバリエーション豊かな商品があります。

1番初めは童謡・唱歌で出しました。カルタをできるだけ見やすく大きく作るのはもちろんですが、お年寄りが子どもの頃に歌っていた懐かしいものを中心にすることによって、喜んで歌を歌ってくれるようになりました。

実は、思い出カルタの半分以上が職員の方の知らない歌です。なので、お年寄りが率先して歌ってくれます

実際に、私が施設に初めて訪れた際、何の歌か分からなくて困っていたら、隣にいたおばあちゃんが、

「ちょっと貸してみ!」と言ってその歌を歌ってくれて、その後、当時の思い出を話してくれました。

カルタを通して、お年寄りの方からのコミュニケーションが生まれたり、歌やその時にあった事などを教えてくれます。

(興味深かったのは)最初にカルタを作った時に職員の方から、「絶対にCDをつけないでください」と言われたことです。

なぜなら、カルタを見たらお年寄りが知っている歌なので自ら歌ってくれる、そこが重要だということでした。

CDをつけずにカルタで遊んでいただくことで、自発的なコミュニケーションが生まれています。

目が不自由でゲームに参加できない方も座って、みんなが歌い出したら自分も一緒に歌えるので、一緒に何かをできることはとても良いことだと思っています。

作るのに1番時間がかかった商品はなんですか?

画像引用:Smile Factory 介護福祉遊具メーカー

作るのに1番時間がかかった商品は「的リックス」というボールやお手玉を投げたり、転がしたり、ぶつけたりといった遊びができる商品です。

素材を探すのに10年ほどかかりました。

最初のアイデアでは、畳んでもシワにならなくて何度も使えて、広げてすぐに的として使えるというものだったのですが、素材によってすぐにシワになってしまったり、使えなくなってしまったりしていました。

素材はシリコンなのですが、知り合いの方から「こんな素材があるけどどう?」と連絡をいただき、たまたま見つけました。

もし、この素材が見つかっていなかったらここに「的リックス」はないと思います!

大変だったこと

大変なことは、現在、新型コロナウイルス感染症の影響で施設に入れないため、お年寄りの方と直接お話ができず、接点が取れないことです。できるだけ商品を預けておいて感想だけを聞くという形を取ったりしています。

また、弊社の商品のターゲット層は80歳以上です。

ソーシャルメディアを使わない層なので、ソーシャルメディアが普及する中で弊社のおもちゃをどう宣伝していくのかが課題です。

現在はホームページを作ったり、カタログを配布したり、国際福祉式典というイベントでカタログを渡して直接販売したり、販売店さんで販売してもらったり、代理店さんに広告を載せていただいたりしています。

「スマイルファクトリー」PRポイント

次に「スマイルファクトリー」のアピールポイントについて教えていただきました

「スマイルファクトリー」を一言で表すと

お年寄りが使いやすいように作る!

「スマイルファクトリー」の推しポイント

「スマイルファクトリー」の推しポイントは、現場の方々と一丸となって作っているので、「現場でいかに使いやすいか」「お年寄りに面白いと思ってもらえるか」がポイントです。

商品について1番気をつけていること

商品について1番気をつけていることは、お年寄りが使うという前提条件で作っているので、できるだけ軽く大きく見やすくすることを意識しています。

お客様に1番伝えたいこと

お客様に1番伝えたいことは、現場の方々に使ってもらって面白いと思ってもらいたいので、

こういうアイデアがあるよ!」「こういうものを作って!

というものがございましたら弊社までご連絡ください!

いただいたご意見から企画し、満足していただけるような商品を作っていきます!

インタビューを通して

何歳になっても笑顔で元気に楽しむことで毎日が幸せになります。

「スマイルファクトリー」では、向上心や好奇心を持たせるとともに、その中にリハビリのための動きを入れて高齢者のQOLを上げる商品を企画・販売しています。

また、全ての商品が実際に現場からの声を聞き、企画・販売しているため、本当に必要で目的にあった商品を提供できていることがわかりました。

高齢者の方が、みんなで楽しんで毎日が笑顔になれるような商品ばかりなので、ぜひ私も一度輪に入って一緒に楽しんでみたいなと思いました。

難波さん、お忙しい中お時間をいただき誠にありがとうございました。

「スマイルファクトリー」を生み出した企業について

会社名:スマイルファクトリー有限会社
住所:〒711-0903 岡山県倉敷市児島田の口4丁目13番28号
代表者:難波 栄城

おもに「デイサービスセンターでのリハビリテーション」を目的として事業展開を行なっています。高齢社会の日本で遊具とレクリエーションを考え、商品企画、販売チャネル、プロモーション活動をしています。

ライター紹介 | 下川 Shimokawa

学生インターン。

何歳になっても楽しく笑顔に過ごせる情報を共有していきます。


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