- 40歳で自分の介護と死について意識し始める方が多い
- 40代の終活は60代・70代の終活に比べてメリットがある
- 40代は今の自分に役立つ内容の終活を優先すると良い
- 更年期など身体の不調が起こりやすい40代は無理のない範囲で終活しよう
終活は高齢者だけに必要なものではありません。
若い方や、40代・50代の方にも終活はおすすめです。
特に40代の終活では、高齢者が行う終活に比べて「今の自分に役立つ終活」ができるため、ぜひ行って頂きたい活動です。
今回は40代の方が行う終活について、40代から終活を始めるメリットや進め方、注意点などについて解説します。
40代はそろそろ終活を準備しだす時期
40歳になった方には「自分もいつかは老いる」といやおうなしに実感させられる瞬間が訪れます。
それは、社会健康保険料の納付額が変わったことを知った瞬間です。
40歳から64歳までの方は介護保険料の支払い義務が始まるため、毎月納付している社会保険料に介護保険分がプラスされます。
これまで自分が介護される可能性など考えてこなかった方も、いずれは介護を必要とする身となる可能性があることを考えさせられるでしょう。
自分の将来的な老後を想像しながら、いつかは訪れる自分の死についても意識し始めるタイミングが40歳です。
つまり40代は自分の老後と死について改めて考え、準備を始めるべき年代だと言えます。
40代で終活するメリット
40代の方の中には、まだ終活するには早いと思っている方が多いかもしれません。
しかし終活はどんな年代の方が始めても、決して早すぎはしません。
40代のうちから終活を始めると、60代や70代になってから始める終活に比べて以下のようなメリットがあると考えられます。
身体的に楽
終活は、やってみるとなかなか大変です。
いろいろな資料を集めたり、それをまとめたりする作業は頭を使う作業です。また生前整理のために部屋を片付けたり、古い家具などを処分するために重たいものを運んだりする作業は、体力や筋力がないと非常に苦労するでしょう。
50代になると身体の無理がきかなくなると、多くの方はおっしゃいます。まだ体力も気力も満ちている40代のうちに面倒な作業や体力を要する作業を行っておいた方が、後々の生活が楽になります。
親に終活が勧めやすい
いま40代の方の両親は、多くは60代から70代あたりでしょう。
60代・70代の方は、40代の方よりも終活を必要としています。しかしいまの60代や70代の方は、まだまだ「死」について考えることに慣れていません。
終活を「縁起でもない」と捉えてしまい、何の準備もできないままに亡くなってしまうと、40代の子供が非常に苦労してしまう可能性があります。
40代の子供自身が終活を行い、一緒にやろうと勧めることで、親も終活を前向きに捉えやすくなります。
老後の不安が薄れる
厚生労働省「令和2年版厚生労働白書」による日本人の平均寿命は、男性が81.41歳、女性が87.45歳です。
画像引用:厚生労働省|令和2年版厚生労働白書(平均寿命の推移)
40代の方はちょうど平均寿命の折り返し地点にあたります。人生の後半戦に突入するにあたり、自分の老後はどうなるかを不安に感じることもあるでしょう。
終活で自分の老後と死についてきちんと考えておくことで、老いや死に対する漠然とした不安が薄らぎます。
キャリアと人生見直しのきっかけになる
40代の方には、まだこれから長い人生が待っています。
仕事のリタイアも当分先の話ですし、これまでの人生にもし不満があったとしても、まだ40代であれば十分にやり直しがきく年代です。
人生の折り返し地点である40代で終活をしておくと、これまでの自分の生き方や働き方を見直すきっかけになり、その先のキャリアチェンジなどをじっくり検討ができます。
40代終活の内容と進め方
40代の方の場合、終活した内容が実際に役立つ事態は、ずいぶん先になることがほとんどです。
そのため、40代の終活では万が一の事態に備えながらも、これからの生活に役立つような内容を中心に進めた方が、より多く終活のメリットを受けられるでしょう。
ここからは40代の終活で優先すべき内容と、その進め方について説明します。
終活の内容をすべて知りたい方は、以下の「終活やることリスト」で確認してください。
身の回りの整理整頓をする
自分が生きている間に不用品などを処分して、遺族が片付けに困らないようにしておく終活の手段を生前整理と呼びます。
40代のうちはまだモノや情報の動きも活発なため、生前整理を完璧にしておこうと意気込む必要はありません。
ですが、生前整理の前段階として常日頃から身の回りの整理整頓をする行動は、自分の生活をシンプルに心地よくできることにもつながります。
亡くなった後のためだけでなく、生きている今のためにも身の回りの整理整頓を心がけましょう。
病気にかかったときの備えをする
40代になると病気のリスクは若い頃よりも上昇します。
終活の一環として自分の生命保険の確認をしておけば、突然に入院・手術などの事態が起こったときでも安心です。
また4大認知症のひとつである脳血管性認知症は、40代の方に多い脳血管疾患(脳卒中など)により発症します。将来的な認知症リスクを下げて健康的な老後を送るためにも、日頃の健康管理と定期的な健康診断は怠らないようにしましょう。
エンディングノートを書く
エンディングノート(終活ノート)は自分の財産や親戚・知人等の連絡先、登録しているSNSやインターネットサービス情報をまとめて管理する「自分の虎の巻」としても使える存在です。
あちこちに散乱している各種情報を一元管理すると、これからの自分に必要なもの・不必要なものが洗い出せます。セキュリティには充分に注意しながら、少しずつ書き進めていくようにしましょう。
当サイトではパソコン世代に使いやすいエクセル版エンディングノートを配布しています。以下ページからお申込みください。
40代が気を付けたい終活の注意点とは
40代の方がこれから終活するときには、以下のような点に気をつけて終活を進めましょう。
身体に無理はかけない
まだまだ若い、とは思っていても、20代や30代の頃に比べて身体の無理はきかなくなっています。
特に40代は、男女ともに更年期が始まる時期でもあります。身体の不調とともに精神的な不調が生じる場合もありますので、終活でがんばりすぎると疲労とストレスで更年期障害が悪化するかもしれません。
自分の身体と相談しながら、無理なくあせらず、のんびりした気持ちで終活しましょう。
当サイトでは40代~50代の皆様のために、更年期障害を乗り切るコツに関する記事も掲載しています。サイト内検索で「更年期」を検索し、更年期の過ごし方の参考にしてください。
親の介護や終活も考えておく
上記でも説明しましたが、いま40代の方の親世代は60代・70代あたりです。
親が高齢者と呼ばれる年代に入ると、そろそろ親の介護についても考えなければいけない時期です。親の状況によっては今後のライフプランが大きく変わる可能性がありますので、自分の終活だけでなく、親の終活についても考えておいた方が良いでしょう。
親を介護するときにかかる介護費用の平均は、以下の記事で確認してください。
まとめ
今回は40代の方が行う終活について解説しました。
40代は、人生まだまだこれからです。
万が一に備えながら、これからの生活に役立てられる終活を実践しましょう。