【Excel版】エンディングノート(終活ノート)

生前整理でやることを徹底解説!生前整理のあれこれ

家族イメージ

この記事を書いた人
杉田 Sugita
杉田 Sugita
ライター

IT企業に勤務しながら、ライターとしても活躍中。実父の認知症発症と義母の看取り経験から、介護と終活の重要性に気付き、GoldenYears、その他メディアにて啓蒙活動を行い、幅広い読者に終活の知識を提供している。中小企業の経理や社会保険事務全般に習熟しているため、保険や年金などの分野を得意とする。1969年生まれ。 ▼保有資格 認知症サポーター 終活カウンセラー2級

この記事のサマリ
  • 生前整理は「情報の整理」と「モノの整理」の2つに分類されます。
  • 生前整理をしないと何かあった時に遺族や遠い親戚に時間的・金銭的に迷惑をかけてしまいます。
  • 特に厄介なのは「情報の整理」はモノと異なり何がどこにあるかわからないのできちんと整理しましょう。

終活や生前整理と聞くと、高齢者だけがするイメージを持っている人も多いでしょう。しかし、あなたの人生がいつどこで終わりを迎えるか、それは誰にもわかりません。

縁起でもない話ではありますが、突然にあなたが亡くなってしまったら、遺された家族が直面する衝撃と混乱は、どれだけ大きいものでしょうか?

相続トラブル=争続など、亡くなったあなた自身にとって不本意な事態を招いたり、遠い親戚に影響が出てしまう場合もあります。

終活は高齢者だけでなく、30代、40代の働きざかりや、例え20代の若者であっても、決して早すぎることはありません。いざという時にご家族に迷惑をかけないためにも、今から少しずつ終活をスタートさせましょう。

今回は、終活のファーストステップである生前整理について解説します。

生前整理とは?

生前整理とは生きているうちから自分の身の回りのものを整理しておくことをいい、一般社団法人 生前整理普及協会 では以下のように定義付けています。

最後の1秒まで自分らしく生き切ることが出来るように
物・心・情報の整理することが「生前整理」です。

整理をすることで、遺族の負担を軽減しトラブルを回避するだけでなく、その後の人生を自分らしく生きることができるとされています。

生前整理と遺品整理の違い

生前整理は「いつかやろう、いつかやろう」と思っていても、いざ歳を取ってからとなると体力の衰えにより思ったようにできない事例も多いため、専門の業者も多数存在するようになりました。

生前整理と遺品整理の違いは、ご自身で自分のものを片付けるか残された人にお願いをするかの違いです。

結論から言うと、故人(亡くなった人のこと)がどれほど生前整理をしたかによって、遺族がやる遺品整理の負担の度合いが大きく変わってきます。

自分でも少し億劫だなと感じるものですので、遺族に実施してもらうことを考えると大変なことは明らかです。

生前整理のメリット

そこで、生前整理を行うメリットについて、生前整理を行わなかった場合を踏まえてまとめてみました。

遺族や親戚の負担を減らせる

どれだけ生前整理をしたとしても、亡くなった後の遺品の整理は最低限はお願いしなければなりません。
なので、生前整理を行っていた場合は、その指示にしたがって手続きを行えば良いのですが、そうではない場合、まずは「遺品を把握すること」から始まってしまいます

  • 開設した銀行口座はどれなのか?
  • 有料サービスは申し込んでいたのか?どのカードで登録していたのか?
  • 持っているクレジットカードは財布にあるものだけなのか?
  • 投資はしていたのか?

預金の移行については、店頭に資料を持っていかないといけない場合が多く、会社員の方ですと手続きを申請するだけでも大変な作業となり、半年以上かかってしまうこともしばしばあります。

相続などのトラブルを防ぐことができる

プレジデントオンラインの『なぜ遺産が少ないほど、相続で揉めるのか』によると、ここ数年で相続の相談は右肩上がりに増えているとのこと。特に兄弟姉妹間での遺産分割割合によるトラブルが多く、「自分たちは大丈夫」と思っていても、いざお金の話となると揉めてしまうのが厄介なところです。

価値のある遺品をきちんとあるべきところに

価値のあるものは、知る人のみが知っていることが多く、集めていた骨董品がただのゴミとして捨てられてしまう場合も。
せっかく自分の大切にしていたものであれば、遺族ではなくても、どなたか価値のわかる人に譲りたいもの。それが金銭的対価となれば、遺族も嬉しいですよね。

遺族の心の平穏を保つ

良い最期を仮に迎えられたとしても、遺品整理中に遺族に良からぬものが見つかってしまう場合もあります。例えば、色恋沙汰やあまり知られたくない特定の趣味など。残された家族の心の平穏を保つのも、逝く人の務めです。

生前整理をはじめるタイミング

早すぎることはありませんので、この記事に興味を持ってくださったときからはじめてみましょう。

「いつかやろう」と思っているうちに、体が元気でなくなってしまうと後戻りはできません。

特に認知症になってしまった場合は、血縁関係があったとしても、後見人制度を利用しないと預金を下ろすことすらできなくなってしまう場合もあり、その場合には月々数万円の出費が必然的に生じてしまいます。年間出費としては数十万円になることも

生前整理という言葉を使うと、少しネガティブな印象を持ってしまう方もいますが、実質的には「大掃除」と変わらない側面もあるので、お盆や年末などの機会を生かして家族全員で挑戦してみるというのもいいかもしれません。

この機会に「やっておけばよかった」を防ぎましょう。

生前整理の具体的な進め方

生前整理の検討

ひとくちに生前整理と言っても、何を整理すれば良いのかわからない人も多いですよね。

終活や生前整理は、その人ごとにやることが変わってきます。年齢はもちろん、独身か既婚者か、お子さんはいるか、会社員か経営者か、マイホームなどの資産を持っているかいないか…など。

すべての人に合わせられる、理想的な終活方法は存在しません。

なので、今回は基本中の基本、どんな人でもこれだけはやっておきたい2つの生前整理をご紹介します。

  1. 情報の生前整理
  2. モノの生前整理

上記の2つを行なっておけば、万が一のときにもトラブルの可能性がグンと下がります

では具体的に「情報」と「モノ」は、どのように生前整理すれば良いのでしょうか。
以下の項で、詳しく見ていきましょう。

情報の生前整理

エンディングノート

エンディングノートや財産目録を使ってみよう

エンディングノートとは?
エンディングノートとは、人生の終末期や死後に備えて、家族や関係者に自分の希望や必要な情報を伝えておくためのノートのこと
財産目録とは?
財産目録とは、人生の終末期や死後に備えて、ご自身の財産を一覧で洗い出しておくリストのこと。遺書作成時に添付する場合もあります。

最近では、市販のエンディングノートも販売されたり専用のアプリケーションも出てきていますが、エンディングノートや財産目録は遺言書と違い、相続に対する法的効力はありません

遺書については「生前整理の時の注意点」で述べますが、あらかじめ自分の思いを明記しておくことで、いわゆる“争続”とも呼ばれる相続争いを軽減できる効果は期待できるでしょう。

エンディングノートと財産目録の違いは、エンディングノートは「終末期はどういう医療をしてほしい」「葬儀はこうしてほしい」といった希望や感謝の言葉が書かれているのに対し、財産目録は財産についてのみリスト化されているもの
になります。

必ずこれを書かなければいけないといったものはありませんが、具体的な例示として記載されている項目を紹介します。

記載項目 エンディングノート 財産目録
銀行、郵貯などの預貯金通帳
クレジットカード情報
健康保険や生命保険の請求に必要な情報
株等の有価証券
骨董品、宝石、車などの資産価値が高いもの
相続に関する希望 ×
介護や延命措置に関する希望 ×
葬儀・墓・供養に関する希望 ×
葬儀に呼びたい人の連絡先一覧 ×
デジタル遺品の処理に関する希望 ×
家族や友人への感謝の言葉 ×

上記で書かれているデジタル遺品とは、パソコンやスマートフォンに入っているデータやクラウドサービス・SNSなどのアカウント情報などです。

近年ではネットバンキングやネット証券など、ネット上で重要なデータを保存している人も多いですから、デジタル遺品についても忘れずに明記しておきたいですね。

デジタル遺品 【保留】デジタル遺品とは?最近よく聞くデジタル遺品の取り扱い方法を解説!

モノの生前整理

断捨離

エンディングノートや財産目録で情報の整理をした後は、物理的なモノの整理もしておきましょう。

人間が暮らす上で使用する日用品の量は、自分が思っているよりもはるかに膨大です。溜まるままにしておくと、遺された家族がすべてお片付けをしなければなりません。

断捨離することで、遺族にかかる負担を少しでも軽くすることができます。

例えば以下のようなものは、使用する見込みがなければ思い切って処分しましょう。

  1. 服や靴、バッグ
  2. 書類
  3. 食器類

不用品を処分することで、生前整理という目的だけでなく、好きなものだけに囲まれた広い空間で生活できるメリットも得られるのが断捨離です。

効果が絶大なのは、米国で日本人女性のお片付けコンサルとしてこんまりさんがブームを起こしていることからも明らかですよね。

年齢を重ねると体力が衰え、重労働の片付けはなかなかできなくなってしまいます。いまのうちから断捨離でモノを減らし、スリムな生活を心がけましょう。

生前整理を業者に頼む方法

とはいいつつも、いざ整理をしようとすると面倒なもの。いざ業者に頼むにはどうしたらいいのでしょうか?

まずは、以下のような比較サイトで業者さんに問い合わせをしてみましょう。

参考 遺品整理を料金と口コミで比較くらしのマーケット

業者さんに依頼をする場合は、選び方は慎重に

お仕事を依頼しているとはいえ、見知らぬ人をお家に呼ぶのですから、口コミ評価の高い業者さんを選ぶようにしてください。

追加料金オプションなどが取られてしまい、結果としてお見積もりから金額がかなり上がってしまったというトラブルも起きているようです。

生前整理業者 生前整理を依頼するメリットと注意点|確認すべきポイントは2つ!

生前整理を行う時の注意点

生前整理成功のポイント

相続法に伴わない相続をしたいなら遺言書を書いておこう

エンディングノートや財産目録には法的効力がないと前述しました。効力を持たせるには、遺書を執筆する必要があります。

遺書には以下の3種類があり、それぞれにメリットデメリットがあるため、秘密性・費用や時間面での負担を考慮してご自身にあったものを選びましょう。

自筆証書遺書 公正証書遺書 秘密証書遺言
証人 不要 2人必要 2人必要
秘密性 秘密にできる
(見つけられないかもしれない)
証人は遺言書の内容を知る 秘密にできる
保管 自分 ・原本は公証人
・正本は遺言執行者
・謄本は遺言者
自分
費用 0円
(ただし内容に不備があると無効)
数万〜数十万円(財産に依存) 数万〜数十万円(財産に依存)
家庭裁判所の検認 必要 不要 必要
参考 3種類の遺言書とは(遺言書が出てきたらどうする?)中野相続手続きセンター

*2019年1月には、相続法が改正され、自筆証書遺言の一部がパソコンで作成できるようになりました。

100%の生前整理はしなくてもいい

上記で説明した生前整理をする上で、忘れてはいけない重要なポイントがあります。

それは、100%を求めないことです。

カンペキに生前整理をしようと思うと、やることが多すぎて、手をつけることすらためらってしまいます。また、真面目な人ほどきちんと整理しようとして、結局はやりきれずに挫折してしまうことが多いです。

できる範囲で少しずつ、古い雑誌を片付けるなど、小さなところから始めてみましょう。

スマートフォンをお持ちの場合は無料のアプリケーションもあるので活用してみるものいいかもしれません。

スマートフォンを見る老夫婦 【2023年版】エンディングノートを書くならアプリが便利!おすすめをご紹介

最後に

幸せな家族

今回は終活の第一歩、生前整理について解説しました。

生前整理だ終活だ、と気負わずに、まずは日常のお片付けレベルからスタートするのが成功のコツです。雑然としている情報やモノをきれいに整理整頓することで、日頃の生活も気持ち良く送れるようになります。

余分なゼイ肉を削ぎ落として、いざというときにも困らない、スリムで充実した毎日を送りましょう。


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