【Excel版】エンディングノート(終活ノート)

高齢者が体操する効果とは|座ってできる・立ってできる人気の体操9種類

ヨガをする高齢女性

この記事を書いた人
杉田 Sugita
ライター

IT企業に勤務しながら、ライターとしても活躍中。実父の認知症発症と義母の看取り経験から、介護と終活の重要性に気付き、GoldenYears、その他メディアにて啓蒙活動を行い、幅広い読者に終活の知識を提供している。中小企業の経理や社会保険事務全般に習熟しているため、保険や年金などの分野を得意とする。1969年生まれ。 ▼保有資格 認知症サポーター 終活カウンセラー2級

この記事のサマリ
  • 高齢者が体操習慣を身につけると良い効果が生まれる
  • 体操の前には健康状態チェックと服装・安定した椅子・楽しい音楽を準備
  • 人気の高齢者体操を紹介(椅子に座ってできる体操・つかまり立ちでできる体操)

高齢になると運動量が減りますが、いつまでも介護を必要としない元気な身体を維持するためには、毎日の体操など運動習慣を身につけておくことが大切です。

今回は高齢者が体操をする効果や、高齢者が体操するときに注意しておきたいことなどを解説し、足腰が弱った高齢者でも楽しくできる体操を9種類ご紹介します。

高齢者が体操をすると生まれる効果

青空の下でサムズアップする男性

高齢者が体操することによって、以下のような効果が生まれます。

運動不足の解消になる

厚生労働省の調査によると、1回30分以上の運動を週2回以上続けている高齢者の割合は男性46.2%、女性39.0%です。

厚生労働省が推進している「健康日本21(第二次)」では男性58%以上、女性48%以上の高齢者が運動習慣を身につけていることが望ましいとしていますが、男女ともに推奨値に到達していません。


参考
平成29年国民健康・栄養調査結果の概要厚生労働省

毎日少しずつでも体操することで、高齢者の運動不足が解消できます。

高齢者の運動不足による影響については以下の記事も参考にしてください。

身体機能が維持・向上できる

運動をしなくなると、筋肉は急激に衰えます。

筋肉が衰えた状態をサルコペニアと呼びます。サルコペニアは要介護状態の一歩手前であるフレイルの原因になるため、体操や筋トレを継続して筋肉の衰えを防ぎ、身体機能を維持・向上していかなければいけません。

サルコペニアについては以下の記事で詳しく解説しています。

レクリエーションの一環になる

運動習慣がいくら大切とはいえ、苦しいだけの筋トレでは続けられません。

音楽や掛け声にあわせた体操は楽しみながら運動できるため、肉体の強化とレクリエーションが兼ねられます。

対話が生まれる

ひとり暮らしの高齢者は、他人と対話する機会が少なくなります。

デイサービスや地域の交流会で他の方と対話する機会を作れたとしても、共通項がない方との対話はなかなか困難です。何を話して良いかわからず、集団の中でより一層孤独を感じてしまう方も少なくありません。

高齢者がみんなで体操することで、お互いの共通項が生まれて対話の機会が増えると考えられます。

ひとり暮らし高齢者のその他の問題点については以下の記事をご覧ください。

高齢者体操を行う前に準備するもの

体育座りをして待っている女の子

体操は気軽な運動なので、良いと思ったらすぐにでも始められる点が良いところです。

しかし高齢者が体操をする前には、いくつか準備すべきことがあります。

楽しく安全に体操が行えるよう、きちんと準備してから始めましょう。

動きやすい服装

体操するときには、スウェット素材など汗を吸う素材の服装がおすすめです。

腕や足を存分に伸ばせるように、締め付けのないゆったりとした服装で体操をしましょう。

なお体操のときにはパーカーなどの紐付きの服は避けてください。思わぬ事故につながる危険性があります。

背もたれのある安定した椅子

椅子に座って行う体操はもちろんですが、立って行う体操のときにも近くに背もたれのある安定した椅子があると何かと便利です。

背もたれをつかむことにより身体が安定しますし、高齢者が体操している間に、疲れて急にふらついたときでもサッと座れます。

1人に1脚、体操する方のすぐ近くに準備しておきましょう。

楽しい音楽

音楽が流れていると体操が楽しく、リズミカルに行えます。

ストレッチやクールダウンのときにはゆったりした曲、筋力アップ体操のときにはアップテンポの曲など、体操メニューにあわせた音楽を流しましょう。

体操メニューは状態に合わせて組み立てる

チェックリスト

ひとくちに高齢者といっても、人により身体的な状態は異なります。

それぞれに無理のない運動をしてもらうためには、個々の状態にあわせた体操メニューの組み立てが必要です。

足腰が弱った高齢者は転倒しないよう、椅子に座ったままでできる体操がおすすめです。立ったまま体操ができる高齢者でも、事故防止のためにつかまり立ちしながらできる体操の方が良いでしょう。

回数や頻度なども欲張らず、体操する方の状態にあわせて調整してください。

高齢者が体操するときの注意点

血圧計

気軽な体操とはいえ、運動は身体に負荷をかける行為です。

心臓病を合併したり、高血圧や不整脈がある高齢者が無理な運動をした場合、心臓に負担がかかって健康状態がかえって悪化する可能性があります。

体操する前後には脈や血圧を測定するなどの健康状態チェックを実施し、体操している最中にも具合の変化をよく確認しましょう。

椅子に座ってできる人気の高齢者体操5種類

以下からは高齢者におすすめの、椅子に座ったままできる体操を5種類ご紹介します。

椅子に座ったままだと体操も単調になりやすいため、比較的レクリエーション要素がある面白い体操を集めました。

足指タオルつかみ

裸足で椅子に座ったまま、足元に敷いた薄手のタオルを両足の指で掴み、足を手前に引き寄せます。

タオルを足指で元に戻し、これを10回繰り返します。

足指タオルつかみ

画像引用:運動器の健康・日本協会|高齢者必見!コロナ禍でも転(コロ)ばないために 自宅でできる「転倒防止エクササイズ」

グーパー体操

椅子に座ったまま右手をパーにして前に出し、左手は胸に引き寄せてグーにします。

その後、左手と右手を入れ替えてパーを前へ、グーを胸に引き寄せる動作をリズミカルに繰り返します。

初めはゆっくり、慣れてきたらリズムに合わせてスピードアップすると楽しく体と脳を活性化できます。

グーパー体操

画像引用:フランスベッド|デイサービスでの体操おすすめメニュー10選 得られる効果や注意点も徹底解説

ボールはさみ

空気をある程度抜いた柔らかいボールを用意し、椅子に座った状態のまま太ももではさみます。

カウントしながら、または歌にあわせてボールを叩きます。

しっかり太ももでボールをキープすることで、太ももの筋肉が鍛えられます。

ボールはさみ

画像引用:フランスベッド|デイサービスでの体操おすすめメニュー10選 得られる効果や注意点も徹底解説

膝のばし運動

背筋を伸ばして椅子に座り、片方の下肢を水平まで持ち上げて5秒間キープします。

これを左右 10 回ずつ行います。足が水平まで持ち上がらない方はできる範囲で結構です。

膝のばし運動

画像引用:東京都医師会|外来で指導できるロコモ体操(東京都医師会版)

椅子ロコモ体操

東北福祉大学特任准教授の鈴木玲子氏が考案した、主に股関節のストレッチと下肢の筋力アップを行う面白い体操です。

最後はアニメのキャラクターのように「シェー!」のポーズで決め、体操レクリエーションの場が大いに盛り上がります。

立位・座位どちらでも行うことができます。

掴まり立ちでできる人気の高齢者体操4種類

今度は、立った状態で行う高齢者向け体操を4種類ご紹介します。

転倒事故防止の観点から、高齢者が立ってする体操は無理のないゆったりした体操がおすすめです。手すりや椅子の背につかまりながら、無理のない範囲の体操を楽しみましょう。

足の後ろ上げ

椅子の背もたれをつかみながら立ち、両足を少し開いて上体を45度ほど前に傾けます。

膝が曲がらないように片足をゆっくり後ろに上げ、ゆっくりと元の姿勢に戻す動作を左右交互に繰り返します。

足の後ろ上げ

画像引用:熊本市|自宅でも簡単にできる筋力アップ運動(高齢者向け)

立ち上がりスクワット

机の前に浅く座り、机に手を添えながら5秒ほどかけてゆっくり立ち上がり、再び椅子にゆっくりと座ります。これを10回繰り返します。

立ち上がりスクワット

画像引用:運動器の健康・日本協会|高齢者必見!コロナ禍でも転(コロ)ばないために 自宅でできる「転倒防止エクササイズ」

振り子運動

机を支えにしながらにして腰を直角に曲げ、片方の腕を下におろします。

おろした腕を振り子のようにゆっくり大きく内回し・外回しし、前後左右にもゆっくり大きく振ります。

これを左右とも10~20回行います。

振り子運動

画像引用:東京都医師会|外来で指導できるロコモ体操(東京都医師会版)

ダイナミックフラミンゴ体操

何かにつかまりながら立ち、片足を10cm程度上げてキープします。

慣れてきたら徐々に片足立ちの時間を伸ばしていきましょう。

ダイナミックフラミンゴ体操

画像引用:東京都医師会|外来で指導できるロコモ体操(東京都医師会版)

まとめ

今回は高齢者におすすめしたい体操について解説しました。

毎日元気よく体操することで、活力が上がり、イキイキとした生活が送れます。

老いも若きも運動習慣を身につけ、元気に毎日を過ごしましょう。