【Excel版】エンディングノート(終活ノート)

高齢者が接種するワクチンの種類とは?新型コロナワクチン・その他のワクチン

注射器とワクチンのアンプル

この記事を書いた人
杉田 Sugita
杉田 Sugita
ライター

IT企業に勤務しながら、ライターとしても活躍中。実父の認知症発症と義母の看取り経験から、介護と終活の重要性に気付き、GoldenYears、その他メディアにて啓蒙活動を行い、幅広い読者に終活の知識を提供している。中小企業の経理や社会保険事務全般に習熟しているため、保険や年金などの分野を得意とする。1969年生まれ。 ▼保有資格 認知症サポーター 終活カウンセラー2級

この記事のサマリ
  • ワクチン接種により高齢者の病気予防・重症化予防ができる
  • 7割近くの高齢者は新型コロナワクチンを5回接種済(2023年4月時点)
  • 高齢者の健康と命を守るワクチンは新型コロナワクチン以外にもある
  • 適切なワクチン接種で病気の発症と重症化を防ごう

2023年5月8日から、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染法上の位置づけが5類感染症(季節性インフルエンザと同等)に引き下げられました。

「ウィズコロナ」の時代を迎えようとする今、新型コロナウィルス感染症の重篤化リスクが高い高齢者のワクチン事情はどうなっているのでしょうか。

今回は高齢者の新型コロナワクチン接種状況の情報を説明しながら、新型コロナワクチン以外にも高齢者に接種を推奨したい他の病気のワクチンについても解説します。

ワクチンは高齢者の健康と命を守る予防医療

ワクチンがウィルスをやっつけるイメージ

ワクチンとは、病気の原因となる病原体の毒性をなくしたり弱めたもの、あるいはウィルスや菌が体内で増殖しないようにしたものなどを接種し、身体に免疫システムを覚え込ませるための薬です。

ワクチンを接種することで、病原体が身体に侵入しても身体の免疫システムが病原体を攻撃し、感染や発症の確率を大きく減らすことができます。

若い方に比べて免疫力が低下している高齢者は、病気にかかりやすくなります。また一度病気になると治りにくく、合併症の併発や重篤化の恐れがあります。

病気が治ったとしても、病気による体力低下をきっかけにフレイルや要介護状態に陥るかもしれません。

高齢者がいつまでも元気でいられるためには、病気の可能性をひとつずつ排除していく必要があります。

新型コロナ発症・重症化予防割合は9割以上

ウィルスからバリヤで守られる人々

2020年から流行が続いている新型コロナウィルス感染症(COVID-19)についても、ワクチン接種は有効だと考えられます。

臨床試験では、ファイザー製・モデルナ製・武田(ノババックス)いずれの従来ワクチンも9割以上の発症予防効果が認められています。また実際にワクチンを接種した人が9割近くの割合で重篤化を避けられたとの報告もあります。

2022年より従来ワクチンに置き換わって接種が開始されたオミクロン株対応ワクチンも、変異株に対しての免疫原性及び感染予防効果が期待できるとして、引き続き接種が推奨されています。

高齢者の約70%は5回目まで接種が完了

2023年4月現在、新型コロナワクチンは5回目までの接種が行われています。

4月5日の統計では、すでに高齢者の約70%が5回目までの接種を完了しています。

3回目まで接種した方の割合は91.25%に達し、何らかの事情によりワクチン接種ができない方を除くほぼすべての高齢者が3回目までのワクチン接種を完了し、新型コロナウィルス感染症にかからない、かかっても重症化させない対策をとっています。

全国のワクチン接種状況

画像引用:デジタル庁 ワクチン接種記録システム (VRS)|新型コロナワクチンの接種状況

都道府県ごとの新型コロナワクチン接種率

3回目までワクチン接種が完了した都道府県ごとの高齢者の割合は以下のとおりです。(2023年4月5日時点)

都道府県名 3回目接種率
北海道 91.28%
青森県 91.18%
岩手県 92.87%
宮城県 93.36%
秋田県 92.02%
山形県 93.35%
福島県 93.21%
茨城県 92.12%
栃木県 92.07%
群馬県 91.37%
埼玉県 91.95%
千葉県 92.15%
東京都 90.41%
神奈川県 91.32%
新潟県 93.39%
富山県 91.42%
石川県 91.88%
福井県 92.48%
山梨県 91.05%
長野県 92.09%
岐阜県 92.73%
静岡県 91.69%
愛知県 90.94%
三重県 91.46%
滋賀県 92.72%
京都府 89.88%
大阪府 89.50%
兵庫県 90.95%
奈良県 92.83%
和歌山県 89.67%
鳥取県 89.88%
島根県 91.41%
岡山県 91.02%
広島県 90.87%
山口県 91.09%
徳島県 89.76%
香川県 89.61%
愛媛県 89.43%
高知県 86.98%
福岡県 91.09%
佐賀県 91.92%
長崎県 91.73%
熊本県 92.69%
大分県 90.76%
宮崎県 89.81%
鹿児島県 91.60%
沖縄県 86.27%

高齢者を守るワクチンは新型コロナ以外も有

注射器を無限大の形につなげたイラスト

高齢者の健康と命を守るワクチンは、新型コロナワクチンだけではありません。

以下からは新型コロナウィルス感染症以外の病気を予防する、高齢者への接種が推奨されているワクチンをご紹介します。

季節性インフルエンザワクチン

毎年冬場に流行する季節性インフルエンザに対しては、毎年10月~12月にワクチンの接種が推奨されています。

ワクチンの接種によりインフルエンザを完全に予防することはできませんが、接種によってインフルエンザにかかりにくくなり、かかったとしても肺炎などの合併症や、死亡に至るような重症化を防ぐことができます。

肺炎球菌ワクチン

高齢者の死因の割合がもっとも大きい病気は、肺炎球菌に感染したことによる肺炎です。

肺炎球菌自体は比較的弱い菌なため、健康で体力のある状態であれば感染症を引き起こす心配はほとんどありません。しかし65歳以上の高齢者や基礎疾患を抱えている人は感染しやすくなるため要注意です。

肺炎球菌ワクチンの接種により、肺炎の発生率が下がり、重篤化する割合が大きく低減することが認められています。

帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹とは水痘帯状疱疹ウイルス(水ぼうそうウィルス)に感染したことによって発症する、皮膚に発疹・水ぶくれ・痛みが生じる病気です。

50代以降から発病する割合が増え、85歳以上の高齢者だと半数が発症すると言われています。

帯状疱疹は発症しているときに辛いだけでなく、病気が治っても長い間、痛みが後遺症として残ることがあります。高齢者の日常生活に支障を与える可能性が高く、50歳以上の人は帯状疱疹ワクチン(水痘ワクチン)の接種が推奨されています。

破傷風トキソイドワクチン

破傷風は土壌に含まれる破傷風菌の感染によって引き起こされる、恐ろしい病気です。

体内に侵入した毒素によって自律神経障害・呼吸器麻痺・全身のけいれんなどが起こり、死に至る例も少なくありません。

現在では生後3ヶ月~12ヶ月と11歳~12歳のときに破傷風トキソイドワクチンの定期接種が行われていますが、現在65歳以上の人は定期接種が開始された1968年より前に生まれているため、破傷風トキソイドワクチンの接種歴がない可能性があります。

ガーデニングが趣味の人や、山登りなどによくでかける人は特に接種が推奨されます。

百日咳ワクチン

百日咳とは百日咳菌の感染によって起こる、咳が長く続く病気です。

百日咳は子供に多い病気ですが、近年では成人の罹患率が大変増えているとのことです。

しかし子供が百日咳にかかると発作性の激しい咳が続くのに対し、高齢者を含む大人の百日咳はそこまで激しい咳が出ないことが多いため、普通の風邪と見過ごされがちです。

重篤化する割合は低いとしても、咳が長く続くと疲労や睡眠不足で他の病気にかかってしまう可能性があります。百日咳はワクチン接種により予防が可能なため、接種が望ましいと考えられます。

日本脳炎ワクチン

日本脳炎は蚊を媒介して感染する脳の病気です。日本では西日本を中心に広い地域で確認されています。

日本脳炎を発症すると、発症者は20~40%の割合で死亡すると言われています。また生存者の45~70%に精神障害などの後遺症が残ります。

日本脳炎ワクチンの接種により、日本脳炎の発症リスクを7割以上の確率で減らせることがわかっていますので、特に西日本在住の人は接種が推奨されます。

なお日本脳炎ワクチンは、接種後に副反応で亡くなった人がいたことを受けて2005年から2009年まで積極的な推奨がされていませんでしたが、現在は新たなワクチンが開発されています。

まとめ

今回は高齢者のワクチン接種について、新型コロナワクチン接種状況の最新情報を中心に解説しました。

新型コロナウィルス感染症が5類感染症に移行するとはいえ、新型コロナウィルス感染症の脅威が去ったわけではありません。

適切なスケジュールでワクチン接種を継続しながら、引き続き感染防止・拡大防止に努めましょう。


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