- Living will(リヴィング・ウィル)とは?
- なぜLiving will が必要なのか?
- Living will 作成時の注意点
Living will(リヴィング・ウィル)とは?
Living will(リヴィング・ウィル)という言葉を聞いたことはありますか?
医療技術が発展している今、死期が近づいている状態の中で、もちろん生きながらえたいと思い、延命治療を施すことも可能ではありますが、チューブに繋がれて植物状態のまま生きながらえたり、延命治療してまで辛い闘病生活を送りたくない、と思う方も増えています。
しかしながら、病院は生命を繋ぐための組織なので、基本的に病院に運ばれる場合は命を繋ぐための施術が行われることになります。
そのため、Living will(リヴィング・ウィル)の存在があるわけです。
一般社団法人 日本尊厳死協会ではLiving will(リヴィング・ウィル)を「いのちの遺言状」とし、「自分の命が不治かつ末期であれば、延命措置を施さないでほしい」と宣言し、記しておくものとしています。
つまり、「私は延命治療を受けたくありません」などと自分の意志を宣言しておくものになります。
Living will(リヴィング・ウィル)という言葉自体は和製英語のようですが、米国でもそのままの単語で使用されており、英語の辞書にはその意味がきちんと表記されています。
オックスフォード英語辞典では、
「重病になり自分自身では判断ができなくなる場合に、治療に関しての自分の希望を述べておく書類、特に、医師たちに治療を中止し死ぬにまかせてくれるよう依頼する書類」
ロングマン現代アメリカ英語辞典では、
「重病になり自分自身では判断ができなくなる場合に、どのような医学的ないしは法的判断をして欲しいかを説明しておく書類」
と記載されており、全ての定義に共通しているのは、
- 重度の病気になって
- 自分自身での判断が難しくなった場合
- 治療に対する自分の希望を記載しておく書類
の3点になるかと思います。
昨今はLiving will(リヴィング・ウィル)のニーズが高まり、「尊厳死宣言公正証書」や「事前指示書」などもあり、前者は立会いのもとに作成し信憑性を高めるという違いはありますが、いずれも上記3点の記載がある書面であることに違いはありません。
なぜLiving will(リヴィング・ウィル)が必要なのか?
わざわざLiving will(リヴィング・ウィル)などを準備しなくても、本人や遺族の意志で決断ができるものではないのか?と思ってしまいますが、
この書面が必要とされているのには背景があり、川崎協同病院で起きた「気管チューブ抜去・薬物投与死亡事件」が深く関与しています。
以下はwikipediaからの引用です。
川崎協同病院事件
患者が喘息発作を起こしていったん心肺停止状態になり、同病院に搬送され昏睡状態のまま入院となった。11月16日、担当医師は気道を確保していたチューブを外した後、患者がのけぞり苦しそうな呼吸を始めたため、准看護師に指示して筋弛緩剤を注射し、患者はまもなく死亡した。2002年4月、同病院が経緯を公表し、同年12月、医師は殺人容疑で逮捕・起訴された。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D%E5%B4%8E%E5%8D%94%E5%90%8C%E7%97%85%E9%99%A2%E4%BA%8B%E4%BB%B6)
この事件についての経緯や背景は以下の参考URLに譲るとして、結果として医師が逮捕された事件が起きているのです。
そのため、Living will のような医師を守る書面が必要となります。
参考URL)
「気管チューブ抜去・薬剤投与死亡事件」への声明
川崎協同病院事件判決・決定に関する 評釈の論点整理
Living will 作成時の注意点
とはいっても、日本国内では尊厳死自体の法整備が進んでいないため、書面を書いたからといって書いた内容の通りに実施されるかどうかはまた別問題となります。
従って、以下の3点が非常に重要になってきます。
- Living will(リヴィング・ウィル)を作成する
- 作成した内容をものを家族や身近な人に伝える
- 主治医にもきちんと伝えておく
病院にとっては、Living will を受け付けない病院もあるので、高齢になったら自分の意志を理解してくれる主治医を見つけておく必要があります。
また、今後在宅介護が増えていく中で、救急車などで運ばれての措置を行われる可能性がある場合、財布の中などにLiving willが証明できるものを持っておかないと、基本的には蘇生措置をされることを認識しておいてください。

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