法務局のHPより遺言書保管手続予約ができたら、いよいよ自筆証書遺言を作成し、保管申請に必要な書類等を揃える必要があります。
申請に必要な書類の準備と自筆証書遺言の作成方法、注意点について紹介します。
せっかく申請手続き予約をしても書類に不備があると保管をしてくれないので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
書類を準備しよう!
自筆証書遺言の保管手続に必要な書類は以下のとおりです。
- 遺言書(ホッチキス止め不要、封筒不要)
- 遺言書の保管申請書(法務局HPよりダウンロード可能)
- 本籍の記載のある住民票の写し(作成後3ヶ月以内)
- 本人確認書類(写真付きの証明書)
- ※マイナンバーカード、運転免許証、運転経歴証明書、パスポート、乗員手帳、在留カード、特別永住者証明書
- 手数料(収入印紙で用意しておく 3,900円分)
住民票の写しは事前に市区町村役場に取りに行く必要がありますので、余裕を持って準備しておきましょう。
収入印紙は税務署内でも購入できます。
遺言書の保管申請書を書こう
遺言書の保管申請書は法務局の下記ページから入手可能です。
記載例・注意事項はこちらをご確認ください。手数料納付用紙も含め、計5枚ありますので、記載例と注意事項を確認して、漏れのないように記載しましょう。
※不明な箇所は当日質問して記入しなおしました。
- 申請書のPDFを開くと直接入力が可能ですが、漢字入力はできません。空白のままダウンロードしてプリントアウトしたものに手入力したほうが良いでしょう。
- 遺言者の住所、本籍は住民票の記載どおり(番地、号、建物名等)に記載しましょう。
遺言書を書こう
今回の遺言書保管制度は自筆証書遺言ですので、パソコンで下書きをしていたとしても最後は自筆で書く必要があります。
【自筆証書遺言例】
遺言書の書き方については以下の記事をご参照ください。
法務局では遺言の内容についての質問、相談には応じられません。内容に関しては事前に家族や専門家に相談して仕上げておきましょう。
ワンコイン遺言書チェックのテンプレートを使うと便利
画像引用:ワンコイン遺言書チェック
遺言書の書き方がわからない、自分で作成した遺言書の文面が問題がないかなど不安な場合は、ワンコイン遺言書チェックの遺言書テンプレート(弁護士監修済み)に沿って作成する方法もあります。
遺言書は自身で作れると言っても、ゼロから作るのはさすがに不安という方向けにぴったりです。
財産目録を作ろう
今回の遺言制度に関する見直しで、自筆証書遺言の方式が緩和されました。
これまで遺言書も財産目録も全て自筆で書かなければいけなかったのが、パソコンで作成した目録や通帳のコピーの添付でできるようになりました。※ただし、最後に自筆での署名、印は必要です。
【財産目録例】
自筆しよう!
今回、法務局の保管制度を利用するので、自筆証書遺言の様式について確認しておくと以下の説明がありました。
遺言書を自筆する際の注意事項は以下のとおりです。
- 用紙はA4サイズで地紋、彩色等のないもの(文字の判読を妨げない)
- ※私はA4サイズの白のコピー用紙を使いました。
- 使用する筆記具はボールペン等長期保存でも消えないもの
- ※鉛筆やフリクションのような消せるタイプのボールペンはNG
- 裏面には何もかかない
- 余白部分(上5mm以上、下10mm以上、左20mm以上、右5mm以上)を残しておく
- ※これは盲点でした。保管のためにファイリングが必要なので左に余白が多めみたいです。
画像引用:遺言書の様式の注意事項|法務省
準備できたら
全ての遺言書、財産目録を確認しましょう。
遺言書、財産目録を含めて右下にページ数の記載(1/3、2/3、3/3)を入れます。遺言書や財産目録が複数枚になっても、特に契印は必要ありませんでした。
最終的に、以下の項目をチェックしましょう。
- 遺言書は手書きで、適切な余白も持ってかけているか
- 遺言書に自筆で署名、印鑑が押されているか
- 財産目録にも自筆で署名、印鑑が押されているか
- 申請書は全て記入し、印鑑が押されているか
- 本籍入りの住民票写しは準備したか
- 本人確認書類は写真付きのものを用意したか
- 収入印紙3,900円分を用意したか
最終的な自筆証書遺言と財産目録のコピーを必ずとっておきましょう。提出後、保管証明がもらえるだけで自筆証書遺言やその他申請書の控えやコピーがもらえません!
書いてみての感想
今回、初めて自筆証書遺言を作成しました。
私の場合は、おふたりさま夫婦、しかもパートナーが外国人なので、私に何かあった場合に困らないように準備しておかないといけないなと思っていました。
年老いた両親では相続やその他手続きは無理なので、弟に遺言執行人になってもらい、万が一の時の対応をお願いしたいとその事を記しておきました。
遺言書を遺すべき人についての記事は以下をご参照ください。おふたりさま夫婦は特に遺言書が必要だと思います。
今回、自筆証書遺言を作成したことで、今後の不安が一つ解消されました。
公正証書遺言の作成は費用面でも手配面でもハードルが高く、なかなか作成に踏み切れませんでしたが、自筆証書遺言を安価に、安全に保管できるのは、私のように財産は多くないけど相続や遺産分割について決めておいた方がいい層にはうれしい制度です。
自分の人生の棚卸にもなるので、おすすめします。