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老人ホームの正しい選び方|7つのポイントを押さえて失敗しない施設探し

7色の色鉛筆

この記事を書いた人
杉田 Sugita
杉田 Sugita
ライター

IT企業に勤務しながら、ライターとしても活躍中。実父の認知症発症と義母の看取り経験から、介護と終活の重要性に気付き、GoldenYears、その他メディアにて啓蒙活動を行い、幅広い読者に終活の知識を提供している。中小企業の経理や社会保険事務全般に習熟しているため、保険や年金などの分野を得意とする。1969年生まれ。 ▼保有資格 認知症サポーター 終活カウンセラー2級

この記事のサマリ
  • 老人ホームには9種類ある(名称が「老人ホーム」でない場合もある)
  • 老人ホームの選び方は7つのポイントを押さえると良い
  • 失敗しない老人ホーム選びのためには4つの方法で調査するのが吉

在宅での親の介護に限界を感じたら、老人ホームへの入居をいよいよ検討する時期です。

しかし老人ホームを選ぶのは初めてで、老人ホームの探し方や選び方がわからない人も多いでしょう。

果たしてどのような老人ホームが、大切な親御さんを預けるのに適切な場所なのでしょうか。

今回は老人ホーム等の高齢者長期入居施設の選び方について解説します。

老人ホームは大きく分けて9種類

いろいろなボトル

「老人ホーム」と呼ばれていながら、区分上は老人ホームではない高齢者施設も存在しています。

老人ホームを選ぶ際には、すべての高齢者施設を検討対象にしましょう。

一般的に老人ホームとして一括りにされている長期入居用高齢者施設は以下の9種類です。

  1. サービス付高齢者向け住宅(サ高住)
  2. シニア向け分譲マンション
  3. 介護付有料老人ホーム
  4. 住宅型有料老人ホーム
  5. 介護老人保健施設(老健)
  6. 特別養護老人ホーム(特養)
  7. グループホーム
  8. ケアハウス(軽費老人ホーム)
  9. 介護療養型医療施設 ※2023年廃止予定

それぞれの詳しい違いを知りたい人は以下の記事を参考にしてください。

あなたにぴったりの老人ホームはどこ?老人ホーム9種類を一挙ご紹介!

個々の状況に応じた施設選びフローチャート

上記9種類の高齢者施設から適切な施設を選ぶために、まずは入居者本人の状況と入居者家族の状況を同時に考える必要があります。

以下のフローチャートを参考にして、選ぶべき施設の方向性を定めましょう。

高齢者住宅探しフローチャート

画像引用:Medical Design Award2010|スペシャルコンテンツ「現在の高齢者施設の種類と特徴」

老人ホームの情報収集ができる場所

調査 イメージ

基本的な方向性が定まったら、次は実際に施設を探していきます。

老人ホーム等の情報を得るには、下記の手段を利用するのがおすすめです。

ひとつの手段に絞らず、複数の手段を併用して幅広く情報を集めましょう。

インターネット

インターネットの介護施設紹介サイトを使えば、いろいろな介護施設の情報を確認できます。

まとめて資料を取り寄せれば、気になった老人ホームの比較が一気にできます。

参考 トップページLIFULL介護

地域包括支援センター

自治体の地域包括支援センター(包括)に相談するのもおすすめです。

入居希望者の状況に応じた適切な老人ホーム等を紹介してもらえるので、ネット情報よりも地域に即したリアルな情報が得られます。

地域包括支援センターについて詳しくは以下の記事も参考にしてください。

地域包括支援センターとは?その役割や利用方法を徹底解説

ケアマネージャー

担当のケアマネージャーさんが付いている場合には、その方に相談すると良いでしょう。

管轄地域の高齢者施設に関する情報を豊富に持っているケアマネージャーさんからは、候補施設の実際の評判も教えてもらえる可能性があります。

マッチング支援業者

民間の介護施設マッチング支援業者の利用もできます。

マッチング支援業者は入居希望者側の費用を無料としている場合が多く、施設との各種連絡や見学の段取り、見学時の車の送迎など、さまざまなサービスがあります。

参考までに、以下は当サイトのライターが実際に利用したマッチング支援業者です。

参考 有料老人ホーム・介護施設探しブライトシニア提案センター

勉強会・セミナー

全国各地、もしくはオンラインで開催される勉強会やセミナーに参加するのも良いでしょう。

老人ホームの選び方だけでなく、高齢者介護にまつわるさまざまな事柄を勉強できるので、これからの介護生活に対する幅広い知識が得られます。

参考 「老人ホーム」セミナー・勉強会・イベントこくちーずプロ

老人ホームの選び方のポイント

ポイント

気になる老人ホームの情報を集めたら、今度はそれぞれの老人ホームの条件を比較して候補を絞り込んでいきましょう。

ここからは老人ホーム選びで押さえておくべき7つのポイントをご紹介します。

費用

初期費用・月額費用を合わせた入居費用がどれくらい発生するかは、老人ホームを選ぶときの重要な検討項目です。

入居者本人の貯蓄や年金でまかなえる老人ホームが望ましいですが、費用が足りない場合には家族がどのくらい負担できるかを相談の上、長期間におよぶ支払いに対応できる範囲内の老人ホームを選びましょう。

介護にかかる費用については以下の記事も参考にしてください。

親の介護にかかる費用はどのくらい?介護破産を防ぐ3つの心得!

生活スタイル

生活環境を変えると認知症が進むと言われています。

入居者がこれまで生活していた生活環境をできるだけ維持できるような老人ホームを選ぶのが、認知症防止の観点からもおすすめです。

認知症の原因

画像引用:公益社団法人認知症の人と家族の会|認知症に関する医学知識

また入居者本人の性格によっても最適な老人ホームは異なります。

社交的で活発な人は地域交流やレクリエーションが盛んな老人ホーム、ひとりが好きな人はアクティビティの自由度が高い老人ホームを選ぶと、入居生活のストレスが低減されます。

立地

家族が気軽に訪問しやすい立地にあるかどうかも重要なポイントです。

あまりにも遠方や交通の便が悪い場所では、家族の足も遠のき入居者が寂しい思いをしてしまいます。

また入居者が外出レクリエーションや散歩をする上では、近隣にどのような景観・施設があるか、気持ちよく外出できるかにより入居満足度が左右されます。

家族とのオンライン面会の可否

昨今のコロナ禍で、現在ほとんどの老人ホームでは家族の面会に対して制限を設けています。

オンライン面会であれば新型コロナウィルス感染防止だけでなく、遠方で面会に行きづらい人でも入居者との交流が図れるのがメリットです。

入居者が孤独感を覚えるのを避けるためにも、これからの老人ホームはオンライン面会システムの導入が進んでいくと考えられますが、まだまだ未対応の施設もあります。

これから施設を探す場合には、施設側がオンライン面会に対応しているかどうかも確認しておきたいポイントです。

認知症や医療ケアの対応

病室

高齢者になると病気・認知症のリスクは大幅に高まります。

候補となる老人ホームがどのような医療体制をとっているか、近隣病院・薬局との連携や服薬管理、リハビリの有無、嚥下状態に合わせた食事内容など、想定される医療ケアの対応についての確認が必要です。

看取りの可否

終の棲家となるべき老人ホームを選ぶには、その施設が最期まで看取ってくれるかどうかも重要なポイントです。

看取りの実績はあるか、どのような退去要件が付いているかをあらかじめ確認し、最期まで安心して生活できるかどうかを把握しておく必要があります。

運営母体の経営状況

せっかく入居した老人ホームでも経営状態によっては、施設閉鎖により退去せざるを得ない事態にもなりかねません。

施設の運営母体の経営状態をしっかりチェックし、倒産の可能性はないか、また運営母体が介護事業から撤退する可能性はないかを必ず確認しましょう。

失敗しない老人ホーム選びのために

〇と×の旗

Webサイトやパンフレットの宣伝文句だけでは、その老人ホームが本当に大切な家族をまかせられる施設なのかわかりません。

入居後に「失敗した…」と後悔しないように、以下4つの方法で実態を調査しましょう。

口コミや評判のチェック

候補となった老人ホームを口コミサイト等で検索すれば、入居者家族の隠れた本音を知ることができるかもしれません。

老人ホームの名称だけでなく運営母体の法人名でも検索しましょう。

参考 トップページ老人ホームマップ

また介護従事者向けの求人サイトもスタッフの定着率を知る上で役立ちます。

ブログで日々の生活を確認

スタッフブログなどが開設されている場合には、最新記事以外にもすべての記事をチェックしましょう。

アクティビティや食事、入居者の表情など豊富な情報を得ることができます。

参考 スタッフブログ特別養護老人ホーム「ふくろうの杜」 参考 ブログ特別養護老人ホーム おだかの郷

見学は必須

ある程度条件に見合う老人ホームを見つけたら、入居の可能性が低そうな老人ホームであっても積極的に見学に出向きましょう。

もちろん入居の可能性が高ければ見学は必須です。

見学の際には以下のような見学チェックシートを用意しておくと便利です。

参考 有料老人ホーム見学・体験チェックシート有料老人ホームご案内ネット

可能なかぎり体験入居も

体験入居の制度がある老人ホームならば可能な限り体験してみましょう。見学だけではわからない施設内の状況を見ることができます。

在宅介護のショートステイで体験入居できるケースもあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

ショートステイとは?具体的な利用方法やメリットデメリットを徹底解説

まとめ

寄り添う老夫婦

今回は老人ホームの選び方について解説しました。

老人ホームへの入居には少なからぬ費用が発生しますし、いざ入居した後はその老人ホームとは長いお付き合いになります。

安心して身内を預けられる老人ホームを選ぶために、手と足、五感をフル活用しましょう。


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