【Excel版】エンディングノート(終活ノート)

終活で進めておきたい葬儀の準備とは|葬儀の形式や費用の考え方

終活 進め方

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高柳政道 Takayanagi Masamichi
高柳政道 Takayanagi Masamichi
ライター

生協の売り場責任者と保険推進リーダー、その後、メーカー営業として勤務。自身の老後資金不足への危機感からお金の勉強を開始。FP資格を取得した後、得た知識を周囲に還元するためにWebライター・コラムニストとして独立。1級ファイナンシャル・プランニング技能士とCFPの資格を保有し、「終活」「相続」「保険」「投資(iDeco・NISA)」などの分野に精通。老後に安心して暮らすための知識とノウハウに関して、豊富な執筆実績あり。 ▼保有資格 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R) DCプランナー2級

この記事のサマリ

  • 終活は必要性を感じた時が始め時
  • 葬儀関連の終活では最初に参列者名簿を作るのがおすすめ
  • 終活でまとめた内容はエンディングノートに残す

「家族が困らないために財産を整理する」以外にも、終活で決めておきたいことはさまざまなものがあります。葬儀に関することもその1つです。

葬儀の形式や費用で残された遺族がもめないように、自分の中で決めた財産の割り振りや葬儀のことをエンディングノートなどに記しておくといいでしょう。

本記事では終活における葬儀の準備についてご紹介しましょう。

そもそも終活とは何か

「終活」の意味について、一般社団法人終活カウンセラー協会は「人生の終焉を考えることを通じて、自分を見つめ、今をより良く自分らしく生きる活動」と定義しています。

参考 終活とは?一般社団法人終活カウンセラー協会

人生の終わりを自分で見越して、自分自身で準備を行う活動が終活の目的です。

遺される家族の手間を減らすだけでなく、自分の余生を自分らしく生きて家族に感謝を伝えることにもつながるでしょう。

終活のメリット

終活を進めることで、以下のようなメリットがあります。

  • 充実した老後を過ごすキッカケになる
  • 遺産相続などのトラブルを防げる
  • 遺族の負担を軽減させられる

終活を通じて残された自分の人生をどうやって生きるかを明確にすることに繋がり、時間を有効活用して充実した余生を送ることができるでしょう。

また、遺産相続の問題を片づけておくことで、遺族が自分の死後に遺産のことで揉めることがなくなります。

残された家族の負担を減らせるのもメリットです。

終活していないと、お墓や葬儀などの手続きを全て遺族が決めることになります。自分で決められることは自分で決めてエンディングノートに残すことで、遺族が葬儀準備や遺産整理でやるべきことがグッと少なくなります。

終活を始める最適なタイミング

「終活はいつから始めれば良い?」

このように悩む人も少なくありません。

結論、いるから始めるべきかは決まっていません。必要性を感じた時が終活の始め時です。

  • 70歳や75歳という区切りが良い年齢を迎えたのを機に始めたい
  • 子供が独立したのを機に早めに終活を始めて子供の苦労を減らしてやりたい

といったように、キッカケは人それぞれです。

ただ、終活は自分で全て完結できるわけではなく、人に相談したり寺院に出向いたりと、動きまわることも少なくありません。

自分が自由に動ける健康なうちに終活に取り組むことをおすすめします。

終活で準備しておきたい葬儀関連10のこと

終活 やること

終活のなかでも、葬儀に関するもので代表的な10個の内容を見てみましょう。

1.参列者名簿を作る

終活で葬儀の準備を進めておく場合、最初に考えたいのが「参列者名簿の作成」です。

葬儀にどれだけのお金が必要になるかは、参列者の人数である程度決まります。人数が少なければ小さな式場や祭壇による家族葬ができ、料理やお返しの準備も少なくて済むでしょう。

人数が多いと大きな式場を借りることになり、お返しや料理の数も増えます。

参列者名簿で人数を明らかにすることで、後述する葬儀の生前予約に役に立つのでおすすめです。

また、参列者名簿に住所や電話番号を記録することで、残された家族が参列者に連絡が取りやすいというメリットもあります。

2.宗教・宗派や葬儀の形式を決める

普段からお付き合いしている菩提寺があれば、菩提寺の宗教・宗派で葬儀を行えば問題ありません。

ただ、特定の宗教を信仰していない場合、どんな宗教・宗派で葬儀を行ってもらうか決める必要があります。

最近では無宗教葬を希望する人もいます。無宗教葬は僧侶や牧師不在の、自分たちで考える自由な形の葬儀のことです。

  • 故人が好きだった音楽を流す
  • 故人を偲ぶ動画を流す
  • 故人の功績や作品を展示する

など、自由な形式での葬儀が可能です。

ただ「私は無宗教だから葬儀は自由にしてください」とだけ言い残しても、家族が対応するのは大変です。

終活を通じて葬儀のアイデアを記録しておくことで、残された家族の助けになるでしょう。

3.遺影写真を用意しておく

葬儀の準備として遺族が困る内容として、遺影の準備があります。

デジタルカメラのなかに大量のデータがあり、どれか1枚を選ぶのは非常に大変です。

逆に、生前にあまり写真を撮る習慣がない場合、遺族が写真を用意するのが難しいことも考えられます。

写真選びに困らないように候補を複数から選んでおき、遺影に使う写真の準備をしておきましょう。

4.棺に入れてほしいものを決めておく

棺に入る際の恰好は白装束が一般的ですが、最近はお気に入りの洋服を着たり、身体の上にかけてもらったりすることもできます。

服だけでなく、棺に入れてほしいものがあれば事前にリクエストしておきましょう。

ただし、棺には「入れて良いもの」「入れてはいけないもの」があります。

以下のような不燃物はもちろん、可燃物でも入れない方が良いものがあるので注意が必要です。

  • メガネ・結婚指輪・腕時計などの貴金属
  • 革製品・ビニール製品
  • プラスチック・ガラス容器
  • 分厚い書籍
  • 生きている人の写真

貴金属やプラスチックなどの不燃物として分類されるものは、棺に入れられません。

また、分厚い書籍は可燃物ですが、大量の灰が出るため入れないほうが良いでしょう。もし入れてしまうと、遺骨を出す時に灰をかき分けることになります。

生きている人の写真は単純に縁起が悪いためNGです。

逆に棺に入れて良いのは、以下のような燃えやすいものです。

  • お菓子やタバコなど、好物だった嗜好品
  • 千羽鶴
  • 洋服

5.お墓の準備をする

一族のお墓がない場合は納骨までに購入しておく必要があります。

すでに自分用のお墓を用意しているなら、その旨を遺族が分かるようにエンディングノート等に記録しましょう。

準備がまだであれば、希望する墓地や霊園の場所、寺院名、費用面などを記載しておきます。

なお、お墓の料金には墓地・霊園の永代使用料、管理費に加えて墓石の購入費用や工事費もかかります。

6.葬儀用の費用を用意しておく

残された家族のために葬儀費用を残しておくことも終活の1つです。

一般的に葬儀費用は200万円前後と言われていますが、家族葬なら50万円以内に収めることも可能です。

住んでいる地域や親類縁者・友人の数によって葬儀の規模は異なるため、一概にはいえません。

参列者名簿を作って大まかな人数が分かったら、葬儀社に自分で相談にいくのも1つの方法です。

参列者の人数や宗派を伝えることで、大まかな予算や適した式場をピックアップしてくれるでしょう。

7.葬儀の生前予約をしておく

葬儀を生前予約するというのは、昔は「縁起でもない!」と敬遠される傾向にありましたが、現在では珍しくありません。

生前に予約することで葬儀社の比較ができて費用を抑えられるだけでなく、自分の考えを反映した葬儀が実現しやすいです。

ただし、葬儀を生前予約したことは間違いなく家族に伝えておきましょう。

予約した事実を知らせずにいると家族が別の葬儀場を押さえてしまい、後から予約の事実を知ることになります。

8.遺産相続の準備をする

遺産相続に関する終活は、遺族にとっては最も重要です。

配偶者や子供が一人なら揉めることは少ないですが、子どもが複数いたり故人の兄弟姉妹が相続したりするケースでは、相続する遺産が明確でないと最終的に裁判で争うことにもなりかねません。

「争続」を避けるためにも、自分の財産がどれだけあるか、財産を相続するのが誰なのかを把握しましょう。

負債やローンがあるならそれも調べたうえで、誰にどの資産を譲るかを明確にしておくべきです。

財産の内容を調べたら、その内容を「財産目録」として記録しておきましょう。

財産目録は自分が所有する全財産の一覧表のことで、単に遺族に財産の存在を知らせるだけでなく、相続税や財産の分配の基礎資料として利用します。

財産目録がないと遺族がひとつひとつ調べて作成しなければならなくなるため、本人が作成しておく方が良いでしょう。

9.遺言書を作成する

財産の内容を確認して財産目録を作成でき、誰に何を相続してもらうか決まったら、その内容を遺言書に残しておきましょう。

遺言書がない場合は民法の規定に従って相続人に遺産が配分され、自分が思い通りに遺産を配分することはできません。

遺言には「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」の3つがありますが、確実に遺言を伝えるなら公正証書遺言を作成しましょう。

作成したい方の意思を確認しながら公証人が法律に従って作成するため、方式の不備で無効になる恐れがありません。

参考 公証事務_OLD日本公証人連合会

10.エンディングノートを作成する

1~9までさまざまな内容を決めてきました。これを家族に伝える手段としてエンディングノートに残すことをおすすめします。

専用ノートやアプリに氏名・生年月日・住所・連絡先などを記載したうえで、今回ピックアップした内容をノートに書き留めておきましょう。

エンディングノートは自作することもできますが、専用のノートを購入することもできます。

GoldenYearsでもExcelを使用したエンディングノートを販売しているので、この機会にチェックしてみて下さい。

白い花と開いたノート 終活ノート(エンディングノート)を気軽に始めるおすすめの書き方を紹介

終活カウンセラーに相談するのも1つの方法

カウンセラー

葬儀の終活の進め方が分からない場合、終活のプロフェッショナルに話を聞いてみることも選択肢の1つです。

弁護士や税理士のほか、終活カウンセラーや終活アドバイザーといった終活に特化した有資格者もいます。

終活カウンセラーや終活アドバイザーは相談者の悩みの内容を見極めて、どう解決するのかを考えたうえで弁護士や税理士などの橋渡し役になってくれます。

まとめ

今回は終活のなかでも、葬儀に関連する終活について解説しました。

葬儀前の遺族は悲しむ暇もないほど忙しく、イチから葬儀や墓所の手配を「するのは非常に大変です。遺産相続で故人の遺志が伝わらないことも考えられます。

自分の希望を確実に家族に伝えるためにも、終活で決めた葬儀や遺産の内容はエンディングノートにまとめ、いざという時に遺族の手元に届くように準備を進めましょう。


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