【Excel版】エンディングノート(終活ノート)

介護士と看護師の違い|仕事内容・給与・勤続年数などデータで検証

AとBをくくるグループのイメージ

この記事を書いた人
杉田 Sugita
杉田 Sugita
ライター

IT企業に勤務しながら、ライターとしても活躍中。実父の認知症発症と義母の看取り経験から、介護と終活の重要性に気付き、GoldenYears、その他メディアにて啓蒙活動を行い、幅広い読者に終活の知識を提供している。中小企業の経理や社会保険事務全般に習熟しているため、保険や年金などの分野を得意とする。1969年生まれ。 ▼保有資格 認知症サポーター 終活カウンセラー2級

この記事のサマリ
  • 介護と看護は職種が違う(介護は福祉職・看護は医療職)
  • 介護士の仕事は要介護者の身の回りのお世話など
  • 看護師の仕事は病気・ケガをした人の治療の補助
  • 介護士も看護師もやりがいのある立派な仕事

「介護」と「看護」はよく似た言葉ですが、その2つは厳密には違います。

介護と看護は、何がどう違うのでしょうか。

介護に従事している人も、看護に従事している人も、私たちが今もしくは将来的にお世話になる人たちです。

この機会に2つの違いを確認しておきましょう。

介護士と看護師は職種が違う

サポートと書いた紙が貼られたハート型の積み木

介護と看護は「誰かの面倒を見る」という点では同じようにも思えますが、根本的に違うところは職種です。

介護士と看護師の職種の違いを確認してみましょう。

介護士は福祉職

介護の仕事に携わっている人は、児童福祉や障碍者福祉に携わる人と同じ「福祉職」に分類されます。

日常生活を送る上で何らかの支障がある、つまり介護を必要とする人が安全かつ快適に日常生活を過ごせるようなサポート業務を行っています。

看護師は医療職

看護師などの看護の仕事に携わっている人は、医師や歯科医師と同じ「医療職」に分類されます。

病気やケガ等により健康を害した人に対して、医師の指示に従い治療や療養の手助けをする業務を行っています。

介護士と看護師の仕事内容の違い

屋外を散歩する車いすの男性と介護士

それでは、介護士と看護師の仕事内容は具体的にどんな違いがあるのでしょうか。

まず介護士の仕事の中心は、要介護者の身の回りのお世話です。

食事や入浴、排せつなど、要介護者の生活全体をサポートするのが仕事です。

また要介護者の生活状況に応じて、掃除や洗濯、生活必需品の買い物などを行うこともあります。

介護士の詳しい仕事内容については以下の記事をご覧ください。

空の車いすを押す介護職の女性 介護の仕事を徹底紹介|具体的な仕事内容やアンケートでわかる介護職の魅力

看護師の仕事内容は、病気やケガをしている人の治療の補助を行うことです。

医師の指示に基づき、対象者に必要な医療行為を行います。また必要に応じて身体介助などの身の回りのお世話も行います。

介護士が看護師の仕事をすべて代行することは出来ませんが、看護師は介護士の仕事を代行することが法律上認められています。

看護師になるための勉強には、介護に必要な知識も含まれているため、看護師は介護士の知るべき仕事内容をすべて理解していると考えられるからです。

介護士と看護師の違いをデータ検証

キューブのテクスチャ

今度は、介護の仕事に就いている人と看護の仕事に就いている人がどのような働き方をしているか、実際のデータで検証しましょう。

政府統計ポータルサイトe-Statの2019年度「賃金構造基本統計調査」では、介護士やケアマネージャーなどの介護職員と看護師・准看護師の違いが実際の数値で確認できます。

参考 賃金構造基本統計調査政府統計ポータルサイトe-Stat

平均年齢

平均年齢を比較すると、介護職全体の平均年齢は47.1歳、看護職全体の平均年齢は44.8歳と、看護職の方が若干低めです。

ただし看護師と准看護師では平均年齢に大きな差が開いています。

〇介護職

福祉施設介護職員 42.6歳
ホームヘルパー 48.9歳
ケアマネージャー 49.9歳

〇看護職

看護師 39.5歳
准看護師 50.2歳

勤続年数

時計とハテナマークの積み木

勤続年数の比較では、介護職全体の勤続年数は平均7.9年、看護職全体の勤続年数は平均9.9年です。

看護職の方がより長く働ける傾向にあります。

〇介護職

福祉施設介護職員 7.1年
ホームヘルパー 7.3年
ケアマネージャー 9.3年

〇看護職

看護師 8.2年
准看護師 11.6年

平均給与

毎月きまって支給される月額給与の平均額は、介護職全体で253.5千円、看護職全体で308.4千円です。

職種ごとに比較すると、看護師とホームヘルパーでは毎月9万円以上(93.6千円)の差が生じています。

〇介護職

福祉施設介護職員 244.5千円
ホームヘルパー 240.8千円
ケアマネージャー 275.2千円

〇看護職

看護師 334.4千円
准看護師 282.4千円

労働時間

残業等の超過労働時間を含めた介護職・看護職それぞれの毎月の労働時間は、介護職全体の平均が167時間、看護職は看護師・准看護師いずれも161時間です。

介護職の方が毎月6時間多く働いている計算になります。

〇介護職(所定内実労働時間数+超過実労働時間数の合計)

福祉施設介護職員 167時間
ホームヘルパー 168時間
ケアマネージャー 166時間

〇看護職(所定内実労働時間数+超過実労働時間数の合計)

看護師 161時間
准看護師 161時間

労働者数

すごろくの駒で多数決のイメージ

日本国内で介護の仕事をしている人の数は93.1万人、看護の仕事をしている人の数はおよそ77万人との集計結果が出ています。

介護職の中で比較すると、ホームヘルパーとケアマネージャーに比べて福祉施設介護職員の方が圧倒的に大人数です。

〇介護職

福祉施設介護職員 およそ79.3万人
ホームヘルパー およそ6.6万人
ケアマネージャー およそ7.2万人

〇看護職

看護師 およそ63.0万人
准看護師 およそ14.0万人

介護士・看護師になるために必要な資格

勉強中 受験 本とノートと鉛筆

介護の仕事・看護の仕事のそれぞれに必要な資格があります。

介護職で必要な資格

介護の仕事自体は無資格でも就けますが、まったく資格がない人は可能な業務が限られます。

業務拡大のために必要となる代表的な介護の資格は以下のとおりです。

  • 介護職員初任者研修
  • 介護福祉士(国家資格)
  • ケアマネージャー(国家資格)

上記以外にも、介護職員が医療的ケア(たん吸引など)をするために必要な喀痰吸引等研修や、障害を持つ高齢者の外出等をサポートする移動介護従業者(ガイドヘルパー)の資格など、さまざまな資格が存在しています。

看護職で必要な資格

看護の仕事をするための資格は、看護師と准看護師で異なります。

  • 看護師(国家資格)
  • 准看護師(都道府県知事発行の免許)

看護師になるには、大学または看護師養成所などで3年以上の教育を受けて、看護師国家試験に合格する必要があります。

看護師になるための進路コース

画像引用:公益社団法人日本看護協会|看護職になるには

准看護師の資格を取るためにも養成所等への通学が必要ですが、看護師に比べて通学期間が短く、看護の仕事を始めやすくなっています。

なお看護師と准看護師との間に、業務内容の違いはありません。

まとめ

手のひらですくうイメージ

今回は「介護」と「看護」の違いについて、実際に今の日本で介護の仕事をしている人と看護の仕事をしている人を比較しながら説明しました。

介護の仕事も看護の仕事も、どちらもやりがいのある立派な仕事です。

介護と看護の違いを理解した上で、どちらも優劣をつけることなく、働いている人たちに感謝しましょう。


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