- 仏壇を捨てるには閉眼供養(へいがんくよう)をしなければならない
- 閉眼供養の際に必要なお寺へのお布施は3〜10万円程度
- 供養後の処分自体は粗大ゴミでもリサイクルでも可
- よほどの仏壇でない限り、買い取ってもらえても数千円程度の期待値
新しく仏壇を購入したから古いものを処分したい、承継者がいないため仏壇を捨てたいなど、さまざまな理由で仏壇を手放したいと思う人が増えています。
一方で、大切な物であるため、一般的な家具と同じように燃えるゴミや粗大ごみに出しても大丈夫か悩む人も多いでしょう。
そこで今回は、仏壇の正しい捨て方と捨てる前に確認すべき4つのポイントについて、詳しくお伝えします。
よくある処分のきっかけ
ご先祖様の魂が宿っていると言われる仏壇を、粗大ゴミとして捨ててしまうのはどうかと考える人も多いです。しかし、現在の日本は核家族が多く、次のような理由で仏壇を処分するケースがあります。
⑴環境の変化
「両親が老人ホームなどの施設に入居し仏壇が持ち込めない」、「仏壇を守る親族が亡くなった」など、環境の変化による処分は非常に多いです。一般的に、介護施設は仏壇を持ち込めません。
また、最近は遺品整理による仏壇の処分が多くなっています。
⑵仏壇を置くスペースがない
両親と同居や二世帯住宅などにより、部屋が狭くなると仏壇を置くスペースは限られてしまいます。
住居スペースを考えて、小さなタイプに買い換えるケースもよくあります。
⑶承継者がいない
「仏壇を守ってくれる後継者が居ない」、または「子供の代まで仏壇のことで苦労させたくない」などの理由から、生前に仏壇の処分を考える人もいます。
家族に承継者がいれば問題ありませんが、仏壇のことで身内内の揉め事は避けたいと願う親は多いです。
お仏壇の4つの捨て方
仏壇の処分は「お寺、仏具店、粗大ごみ、リサイクル業者」に依頼できます。
それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく一覧表にまとめました。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
お寺のお引取り | ・供養から一貫してお願いできる ・安心して処分できる |
・有料 ・料金がお寺によって違う |
仏具店のお引取り | ・お引取りは宗派に関係ない ・供養から処分まで一貫も可 ・新しい仏壇も同時に購入 |
・処分料が必要 ・閉眼供養は別途料金 ・悪質な業者も居る |
粗大ごみに出す | ・自治体によって無料引き取り ・解体すると燃えるゴミも可 |
・供養してから処分 ・解体は重労働 ・大型仏壇は持ち込み必要 |
リサイクルに出す | ・場合によって無料で処分可能 ・買取をしてもらえる可能性がある |
・供養してから処分 ・雑に扱われる可能性 |
仏壇の処分方法について、それぞれ詳しくお伝えします。
お寺のお引取り
4つの捨て方の中で、お寺へお引取りしてもらう方法が一番安心できます。
とくに、先祖代々のお墓や位牌のある菩提寺(ぼだいじ)は、仏壇の正しい捨て方やその後について親身に相談に乗ってくれます。
もちろん、菩提寺がなくても同じ宗派のお寺に仏壇のお引取りしてもらうことも可能です。閉眼供養からお焚きあげまで一貫して対応してくれるので、先祖供養も安心できます。
ただ、菩提寺や檀家の関係がない場合、仏壇のお引取りを断られるケースがあります。
料金 | 宗派や檀家により異なるが、3〜10万円程度 |
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その他 | お布施以外の費用が必要な場合も |
仏具店のお引取り
新しく仏壇を購入すると、古いものを引き取ってくれる仏具店があります。
一般的に有料ですが、仏具店によって無料引き取りもあります。
宗派などに決まりがないので、基本的にどの仏壇でも捨てることが可能です。
ただし、閉眼供養や魂抜き、お焚きあげなどは提携するお寺や菩提寺へ依頼が必要です。
仏壇の大きさや運搬するまでの距離によって料金が変わります。
処分する業者は自社ではなく委託の場合、お粗末な捨て方をされるケースもあります。
料金 | 20,000円~ |
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その他 | 費用が割高になるケースが多い |
※仏壇の処分料のみ
粗大ごみに出す
閉眼供養や魂抜きの儀式をおこなうと、一般ごみや粗大ごみの捨て方ができます。
仏壇はタンスなどの家具とは違い、しっかりとした木製素材や構造です。
そのため、自分で解体すると時間がかかり、特殊な工具を用意する必要もあります。
一般ごみや粗大ごみは、指定サイズや分別するなど厳しい規定もあります。
粗大ゴミは処分料が必要ですが、一般ごみなら無料です。
料金 | 500円~ |
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その他 | 素材や大きさによっては回収してもらえないことも |
※仏壇の処分料のみ
リサイクルに出す
リサイクル業者へ依頼することで、場合によっては無料で処分することが可能です。状態次第では買取をしてもらえるかもしれません。
しかし他の回収品と一緒にされ、雑に扱われてしまうこともありますので注意が必要です。
また、ほとんどの業者が閉眼供養まではしていないため、事前に済ませておく必要があります。
仏壇を捨てる前に確認すべき4つの事項
毎日、仏壇へお水や線香などをあげて拝んでいる人にとって、簡単な捨て方はできないと考える人が多いです。
仏壇には魂が宿っていると言われ、タンスなどのような捨て方は正しいとはいえません。
これから仏壇を処分するなら、次の4つのポイントを確認しておきましょう。
1. 開眼法要(かいがんほうよう)と閉眼供養(へいげんくよう)
まず処分を始める前に開眼法要(かいがんほうよう)が行われているかの確認が必要です。
開眼法要は仏壇やお墓を作った際に行われる法要であり、開眼法要が行われた仏壇には故人の魂が納められます。
「魂入れ」、「お性根入れ」、「入魂式(にゅうこんしき)」とも呼ばれています。
開眼法要が行われている仏壇の場合、処分する前に閉眼供養(へいげんくよう)をお寺やお坊さんにおこなってもらう必要があります。
閉眼供養を行うことで、故人の魂を納める役目を終えさせ、仏壇を「ただの箱」に戻します。
「魂抜き」、「お性根抜き」とも呼ばれています。
しかし、仏壇の中には位牌を入れるため、開眼法要の儀式をおこなわなくても魂は宿っていると言えます。
なので開眼法要を行っていないとしても、閉眼供養は行った方が良いでしょう。
無宗教であまり関心がない方も、仏壇を捨てるときは閉眼供養をおすすめします。
2. 位牌の魂抜き
仏壇の閉眼供養をおこなったら、次は位牌の魂抜きもおこないます。
一度にすべておこなうケースもありますが、位牌をそのまま捨てるのは抵抗があります。
また、仏壇を置くスペースがないので位牌だけ手元に置いていたなど、位牌だけ後から処分したい時も魂抜きが必要です。
位牌は仏壇と違って小さく、一般ごみとして処分することも可能です。
捨て方は素材によって違うため、自治体のルールに従ってください。
3. 仏壇の中身や周囲の物はお焚きあげ
位牌や遺影、掛軸(脇侍軸)・仏像などの仏具は、閉眼供養や魂抜きをしたあとにお焚きあげして処分することをおすすめします。
お焚き上げとは、先祖や仏様のことを思い焼却処分することを言います。お焚きあげは自宅でもできますが、お寺や専門業者にお願いすることで供養からすべて対応してもらえます。
4. 仏壇の引き出しを確認
仏壇を処分する時、多くは位牌や遺影など目に見える部分だけ確認しがちです。仏壇には目に見える引き出し以外に、隠れた部分にも引き出しのある仏壇が存在します。
こういった隠し引き出しには、家系図や土地の権利書など重要物が保存されていることがあります。
仏壇を捨てる前に、まずは隠し引き出しなどがないか確認しましょう。
捨てずに買い取ってもらえる場合も
仏壇の引き渡し方は、お寺や仏具店など以外にもあります。状態によって買い取りしてもらうことも可能です。
古美術商に鑑定してもらう
優れたデザインを持つ仏壇や美術的な価値のある古い仏具は、骨董品として古美術商に引き取ってもらえます。鑑定結果は古美術商によって違い、どこからも引き受け拒否されるケースもあります。
リサイクルに出す
基本的にどんな仏壇でも引き取ってくれますが、お金になるかは仏壇の状態次第となります。リサイクル費や運搬費として徴収されることもありますし、状態が良ければ、お金をもらえることもありますが、もらえても数千円程度と期待して置くと良いでしょう。
ネットオークションに出品する
状態の良い仏壇は、ネットオークションに出品できます。閲覧や入札件数は多くないので、売却まで時間がかかってしまいます。売れたときは仏壇が破損しないように丁寧な梱包と配送料が必要です。クレーム対応などが発生しないように注意しましょう。
仏壇の捨て方に多い疑問と解決法
いざ、仏壇や仏具を処分するとなった場合、普段からケアをしていないとたくさんの疑問が生まれます。どんな手順や方法が正しいのか、よくある疑問と解決法をいくつかお伝えします。
菩提寺を作るにはお金が必要?
将来のことを考え、菩提寺(お墓や位牌をお願いするお寺)を作るには、檀家になる必要があります。
檀家は地域やお寺によって、約10万~30万円の檀家料が必要です。
檀家になることで、仏壇の捨て方がわからない時や処分する時にさまざまな優遇があります。
仏壇の灰の捨て方は?
お線香立ての灰が多くなった時は、自宅のお庭に撒いたり一般ごみとして処分しても大丈夫です。
仏壇と同じようにお坊さんに供養してもらう必要はありません。
燃えるゴミと同じ捨て方はお粗末な対応に感じますが、お寺では仏壇の灰を引き取ってくれません。
故人のことを思い、仏壇の灰はキレイな状態を保ちましょう。
仏壇の花の捨て方は?
仏壇にお供えした生花は、時間とともに枯れてしまいます。
水と一緒に10円玉を入れることで長持ちしますが、生花なので次第にしおれてしまいます。
仏壇の花も灰と同じく、一般ごみで捨てます。
供養を終えたお花になるため、燃えるゴミでも問題ありません。
枯れてしまった花はそのままにせず、キレイな生花をまたお供えするようにしましょう。
仏壇の水の捨て方は?
宗派によりますが、ご先祖様へのご飯として、また生きている家族が飢えずご飯を食べられている意味として、水やご飯を毎日お供えします。
お供えした水やご飯は毎日取り替えるのですが、仏壇から下げたお供え物は家族で頂くのが理想的です。
もちろん、状態によってはゴミに捨てても問題ありません。
遺影の捨て方は?
特に理由がなければ遺影は処分せず飾っておくほうが良いでしょう。
しかし、どうしても処分する必要がある場合は他の仏具と同様、お焚き上げをおこなうのが一般的です。
仏壇を処分した後は?
仏壇を処分した後も供養は続ける方が良いでしょう。
供養の方法は「お墓参り」「永代供養(お墓参りができない場合にお寺が供養してくれるもの)」「手元供養(遺骨を身近に置いて供養するもの)」などがあります。
実家のお寺がわからない場合はどうする?
仏壇の宗派や近くのお寺がわからない場合、どのような仏壇の捨て方をするべきか悩みますよね。
お寺や仏具店に仏壇を引き取ってもらうのも安心ですが、どれくらいの料金が発生するのかわかりません。
特に、お寺はお布施も必要になり、一般的な相場は3万円ほどお渡しします。お坊さんへのお気持ちとはいえ、別途お車代(約5千円)など費用が割高になるケースが多いです。
法要をお願いするお寺や仏具店を知らないときは、一貫してお願いできる専門業者への依頼が安心です。
見積もり費用や不安の相談にも対応してくれるので、難しく悩むことがありません。
手間がかかってしまいますが、仏壇供養することで一般ごみとしての処分もできます。
時間をかけず仏壇を整理処分したいなら、専門業者へ無料相談することをおすすめします。
最後に
以下のようなお悩みをお持ちの方は、GoldenYearsでもご相談を承っていますので、お気軽にお問い合わせください(無料)。
- 仏壇を捨てる際の手法に悩んでいる
- 仏壇だけでなく遺品整理など包括的に相談したい
終活カウンセラー、ファイナンシャルプランナーの資格を持ったカウンセラーがあなたにぴったりのご提案をいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
もちろん、士業の範囲に及ぶ場合については、提携先のご紹介となりますので、ご安心ください。