「最近は歩くのが辛いけど、車を運転するのは大変だし怖い」
このように悩んでいるシニアの方におすすめできるのが「シニアカー」です。外に出てみると、三輪や四輪のスクーターのような車いすに乗っている方を見たことがあるのではないでしょうか。
本記事ではシニアカーの概要と選び方のポイント、購入時の補助金や使用の際の注意点など、シニアカーに関する情報をまとめて紹介します。
目次
シニアカーとは
シニアカーは、座りながら移動できるハンドル付きの3輪、もしくは4輪の電動車いすのことです。
長さが120センチメートル程度で重量も約80キロ程度あり、倒れにくい安定性のある形状をしています。
一度の走行距離は平均約3〜4キロで、幅広い用途で利用が可能です。
後述する似たような車いすと違い、ハンドルで操作する点に大きな特徴があります。
シニアカーと電動カートとの違い
「電動カート」とは、シニアカーを含む広義の「電気で乗れるカート」のことです。
シニアカーも電動カートの一部であるほか、遊園地にあるゴーカートなど電気で走るカートは電動カートに含まれます。
シニアカーと電動車いすの違い
「電動車いす」は、電動モーターによる走行が可能な車いすのことです。
通常の車いすを自力で操作することが難しい方でも、モーターの力を借りることで容易に操作することができます。
シニアカーとの違いは手元のレバーで操作する点で、前進・後退・左右への旋回といった操作によって狭い室内でもスムーズな移動が可能です。
電動車いすはシニアカーよりも軽量な設計になっており、製品によっては折りたたんで持ち運びができるものもあります。
一方、シニアカーよりもバッテリー容量が小さく、走行距離が短めというデメリットもあります。
シニアカーとセニアカーの違い
「セニアカー」は、軽自動車やスイフトなどの自動車で知られる「スズキ」が商標登録をしたシニアカーのことです。
シニアカーがハンドル操作できる電動車いす全般を指しているのに対し、セニアカーはスズキが販売している製品名という違いがあります。
シニアカーに免許は必要?公道での扱いはどうなる?
まだシニアカーを使ったことがない方は「免許が必要じゃないの?」「何歳になったら乗れるの?」といった疑問を抱くことがあるのではないでしょうか。
ここではシニアカーの公道での扱いや免許の必要性などについて紹介します。
シニアカーは何歳でも乗れる
シニアカーには「シニア」と名前がついていますが、実際のところ、シニアカーの利用に年齢制限はありません。
購入するだけで誰の許可もなく乗ることができます。
道路交通法では歩行者扱い
シニアカーにはハンドルがついているため、車両だと勘違いする方もいるかもしれなせん。
ただ、道路交通法上ではシニアカーは「歩行者」という扱いになります。歩道を走行する姿をよく見かけるのは、そのためです。
シニアカーの運転に免許は不要
前述のとおりシニアカーにはハンドルとタイヤがついていますが、自動車や軽自動車ではなく歩行者の扱いです。
よって、走行するのに運転免許は必要ありません。
とはいっても、成人の歩行~早歩き程度のスピードが出ます。
小さな子供やシニア世代が歩く歩道を利用する以上は、交通ルールを守り、万が一にも接触事故を起こさないという点を意識することが必要です。
速度は時速6km/h程度
シニアカーのスピードは最大でも「時速6km」までに定められています。
時速6km以上のスピードが出てしまうと道路交通法上は自動車または原動機付自転車になってしまうためです。
シニアカー購入に補助金が出る?
シニアカーは機種によっても値段が変わりますが、13万円~30万円程度と、自転車と比べても高額な値段設定になっていることが多いです。
参考 おすすめセニアカー・シニアカーD-cart年金生活のシニアのなかには「なかなか買うのが難しい……」と考えている方もいるのではないでしょうか。
購入金額が心配な方は、自治体からの補助金が出ないか調べてみることをおすすめします。
たとえば群馬県の「安中市」では、シニアカーの購入に要する費用の一部を補助してくれます。
参考 安中市シニアカー購入費補助制度安中市補助額は購入費の3分の1(上限10万円)(1,000円未満切捨)で、補助を受けるには以下の4つの条件を満たすことが必要です。
1.市内に居住し、本市の住民基本台帳に記録されている満65歳以上の人
2.運転免許証の自主返納をし、公安委員会が発行する運転免許の取消通知書または運転経歴証明書の交付を受けている人
3.市税を滞納していない人
4.シニアカーの購入に関して他の制度による補助を受けていない人
お住まいの自治体で同じような補助金制度がないか調べてみると良いでしょう。
介護保険でレンタルする方法もある
シニアカーの利用は購入かレンタルのいずれかになりますが、レンタルでも車いす同様に介護用品を扱うお店で借りられます。
長期で借りたい場合は要介護制度が適用される場合もあるため、ケアマネジャーに相談してみると良いでしょう。
要介護であれば1割負担で借りることが可能です。
初めての方におすすめのシニアカーの選び方
シニアカーを借りる際は自分の好みに合った1台をセレクトしたいですよね。
ここではシニアカーを選ぶ際のポイントを紹介します。
身の丈に合ったサイズを選ぶ
シニアカーと自分の身体のサイズが合わないと、操作しづらく感じてしまうかもしれません。
「座った状態で安心して操作できるか」「座ったまま後方確認できるか」「ひじ掛けの高さは自分に合っているか」など、身体にフィットしているかを確認しましょう。
タイヤの種類で乗り心地や安定感が変わる
シニアカーの乗り心地を左右する大きな要因が「タイヤ」です。
シニアカーや電動車いすのタイヤには、以下の2つの種類があります。
- 自転車のように空気を入れる「エアタイヤ」
- 空気を入れる必要なく管理できる「ノーパンクタイヤ」
エアタイヤは空気が入ることで砂利などの凸凹でも振動が緩和され、乗り心地が良い点がメリットです。一方、自転車と同様にパンクを起こす可能性があります。
メンテナンス性を考えてウレタン樹脂製のノーパンクタイヤを選ぶことも検討しましょう。
バッテリー容量によって移動できる距離が変わる
一般的なシニアカーの場合、フルに充電した状態から走行できる距離は「20~30km程度」といわれています。つまり、片道10 km未満の走行が使用の目安です。
一方、用途が似ている電動車いすの場合はバッテリー容量が小さい傾向にあるため、できるだけ長い距離を走りたいと考えているならシニアカーのほうがおすすめになります。
シニアカーの危険ポイントを理解しておこう
便利に利用できるシニアカーですが、道路に出る以上は他の歩行者や自転車・自動車、バス・電車との接触事故のリスクもあります。
初めての際は介助者に同行してもらい、これから紹介する危険な道を避けて利用しましょう。
歩行者が多い道路
シニアカーの重さは約80kgもあり、電動で走行することから、ぶつかると大けがにつながることもあります。
特に小さな子供やシニアの歩行者とぶつかるとシニアカー側が加害者になってしまうこともあるかもしれません。
お店の中を走行する際も同様で、ぶつからないように一定の距離を保つことが重要です。
踏切
シニアカーを利用しないと移動が難しいシニアの方にとって、特に注意したいのが「踏切」です・
- 渡っている途中でバッテリー切れになって動けなくなる
- 車輪が溝にはまって動けなくなる
といったことが起きると大事故につながる可能性があります。
踏切を渡る際は介助者にサポートをお願いしたほうが良いでしょう。
転倒・転落の可能性がある段差
川や用水路、水田など、高さがあるところは横転や転落の危険があります。
比較的平坦な道路でも歩道と車道のあいだに高い段差があるところは、方向を変える際に車道側に横転する可能性があるため注意が必要です。
傾斜のある道路も同様で、通行できる傾斜角度を超えて走行してしまうと、わずかな段差で乗り上げたり後ろに倒れたりしてしまう危険があります。
まとめ
シニアカーを利用する際、免許は不要で、年齢制限も特にありません。成人の歩行~早歩きレベルの速度で坂道もすいすい移動できるので、自動車免許を返納したあとの日常の足として便利に利用できるでしょう。
ただし、自身に合ったサイズ感の機種を選ばないと、使い勝手が悪く感じる場合もあります。また、道路のなかでも「踏切」「段差」「人混みが多い歩道」などは避け、運転しやすい平坦な道を選ぶことも必要です。
危険なポイントや注意点、選び方を知り、便利にシニアカーを活用してみましょう。

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