- 平均的な女性の更年期年齢は45歳~55歳
- 男性の更年期年齢ははっきりしていない(開始は40代から・終了は諸説あり)
- 更年期年齢になる前からできる対策がある
- ミドル世代は更年期障害以外の病気にも注意が必要
女性も40代後半の年齢になると、そろそろ「閉経」の言葉が頭をよぎってきます。
毎月の月経がなくなって嬉しい反面、閉経にともないやってくると言われる「更年期」について考え、今からドキドキしている方も多いでしょう。
いったい更年期はいつから始まるのでしょうか。
そして、いつ終わるのでしょうか。
また女性だけでなく男性にも更年期は存在します。男性の更年期はいつから始まり、いつ終わるのでしょうか。
今回は更年期の年齢について、男性と女性の平均年齢にわけてご説明していきます。
更年期になる年齢はいつから?
「更年期」とは、性ホルモンの分泌量の低下により体に影響をもたらす期間を指します。
体への影響度合いは人により個人差があり、中にはまったく更年期の影響を受けない方もいますが、更年期自体はすべての方が通過する過程と言えます。
かつては更年期は女性だけに存在すると思われていましたが、現在では男性にも更年期が存在することがわかっています。
女性更年期の平均開始年齢
女性が閉経する平均的な年齢は、およそ50歳だとされています。
実際にもミドル女性向けファッション誌の『eclat(エクラ)』が行った読者アンケートでは、271人の閉経済み女性のうち、 閉経した年齢と回答した人の数が一番多かったのは50歳でした。
画像引用:Web eclat|生理が終わる平均年齢は? そもそも閉経ってなんですか?【閉経したら、何が変わるの?】
女性の更年期は閉経の5年ほど前から始まると言われています。つまり45歳が平均的な更年期のはじまりの年齢となります。
男性更年期の平均開始年齢
更年期の開始年齢が比較的はっきりしている女性と比べ、男性の更年期では平均的な開始年齢がはっきりしていません。
男性更年期は男性ホルモン(テストステロン)の減少により起こりますが、テストステロンの分泌量は男性が20代のときにピークを迎え、その後はなだらかなカーブを描いて減少していきます。
体への影響も徐々に進行していくため、いつからが更年期になるとは明確には言えません。
現在の研究ではおおむね40代後半からが男性更年期として考えられています。
男性更年期のセルフチェックに関する記事も参考にしてみてください。
更年期障害の症状が出る年齢はいつから?
更年期はすべての方が通過しますが、 更年期にともなう肉体的・精神的な症状はすべての方に発生するとは限りません。
いつから症状が出るか、どんな症状がどの程度出るかについては、人により違いがあります。
更年期に肉体的・精神的に不調をきたす症状が出ることを「更年期障害」と呼びます。
女性更年期障害の平均発症年齢
女性が 更年期障害を発症する平均年齢は、上記でご説明した更年期開始年齢と同じく閉経のおよそ5年前である 45歳です。
男性更年期障害の平均発症年齢
男性更年期の症状のひとつにED(勃起不全)があります。
日本におけるED有病率は、中程度のEDが40代から、完全EDは50代後半から増加しています。他の理由によるEDの可能性も考えられますが、おおむね40代から50代が男性更年期障害の平均的な発症年齢だと推測できます。
画像引用:日本新薬|働き盛り世代を襲う男性更年期障害 男性ホルモン低下が招く多様な症状
更年期症状はいつまで続く?
上記までの説明で更年期の開始年齢がわかったら、今度は終わりの年齢も気になります。
女性・男性ともに、更年期とそれに伴う更年期障害の症状はいつまで続くのでしょうか。
女性更年期の平均終了年齢
女性の更年期は、閉経後5年ほどで終了すると考えられています。
つまり閉経年齢50歳の5年後である55歳が、平均的な更年期終了年齢です。
更年期の生理の悩みに関する記事も取り上げています。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
男性更年期の平均終了年齢
男性の場合には更年期の開始年齢がはっきりしないのと同様に、更年期の終了年齢についても はっきりとわかっていません。
男性ホルモンの分泌量低下は一定率まで下がったらそこでストップではなく、男性が生きている限り少しずつ下降していくためです。
男性更年期障害の症状は70代頃まで続くと考えている研究者も、一生涯終わらないと考えている研究者もいて、平均終了年齢については諸説あります。
男性更年期障害による抑うつ症状をきっかけとして老年期うつに移行する人も存在するため、切り分けが難しいという点も諸説ある理由です。
更年期障害の対策はいつから始める?
すでに更年期障害の症状が出ている方は、すぐにでも症状を軽くするための対策や治療をスタートさせた方が良いでしょう。
また更年期をおだやかにやり過ごしたい人は、更年期と呼ばれる年齢になる前から対策を始めることをおすすめします。
若いうちから食事などの生活習慣を整えるなど、更年期年齢になったときに役立つ対策は いろいろとあります。
更年期症状の緩和のための5つの対策について、詳しくは以下の記事もご参照ください。
更年期が終わった後の対策
更年期が終わると、いよいよ「老年期」に突入の年齢です。
老年期に入った人は、老化防止の対策もできるとより良い老後が送れる可能性が高まります。
老化の原因である活性酸素を抑える役割がある物質を摂取すると、抗酸化作用により老化のスピードが弱まると考えられています。
当サイト代表の臼井が抗酸化物質アスタキサンチンについて医師に取材した記事では、抗酸化作用やその他の老化防止策についてわかりやすく説明しています。老年期対策の参考にしてください。
更年期と間違えやすい年齢特有の病気に注意
最後に、更年期年齢を控えたミドル世代の女性と男性に向けて1点注意事項があります。
更年期には、更年期障害以外にも肉体的・精神的な不調をきたすさまざまな病気のリスクが高まります。
例えば 甲状腺に慢性的な炎症が起こる橋本病は、更年期年齢の中高年女性の発症率が高い遺伝病です。更年期障害と症状がよく似ているため、発見が遅れて心筋梗塞や狭心症などの合併症のリスクが高まります。
また性別に関係なく、うつ病が更年期障害による抑うつ症状と誤診されたり、また逆に更年期障害による抑うつ症状がうつ病と誤診され、必要のない抗ウツ薬を投与されるケースもあります。
会社の定年など人生の転換期にあたる年齢の人は、ストレス増加によるうつ発症にも注意が必要です。
体の調子が思わしくないときには「更年期のせいだ」と片付けず、他の病気もいったんは疑ってみることをおすすめします。
まとめ
今回は更年期が始まる年齢と終わる年齢などについて解説しました。
今回ご説明した各種の年齢は、あくまでも平均値でしかありません。実際には個人差があります。
更年期がいつから始まっても大丈夫なように、こころとからだの準備をしておきましょう。