- ほうれい線(法令線)はシワではなく顔の構造上できる溝
- 皮膚の老化など加齢によりほうれい線は目立つようになる
- ほうれい線が絶対に消える方法はない(目立たなくすることは可能)
- 過度なマッサージや筋トレはほうれい線を悪化させるため要注意
顔の両側に1本ずつ線があるだけで、一気に人を老けさせてみせるほうれい線。
鏡を見ながら「ほうれい線がなければ…」とため息をついている方も多いでしょう。
ほうれい線はなぜできるのでしょうか。また、できてしまったほうれい線が消える絶対的な方法はあるのでしょうか。
今回はほうれい線について説明し、ほうれい線をできるだけ目立たなくさせる方法を5つ紹介します。
ほうれい線とは
ほうれい線とはそもそも何なのでしょうか。
ほうれい線(法令線)とは、鼻の両脇から口元にかけて伸びるラインを指します。ほうれい線は医学的な正式名称ではなく、医学用語では鼻唇溝(びしんこう)と呼ばれています。
ほうれい線は笑ったときに深くなるため、英語ではスマイルライン(smile lime)とも呼ばれ、欧米ではチャームポイントのひとつとして捉えられています。
ですが日本をはじめとする東洋人は、骨格の関係で加齢によってほうれい線が目立ちやすくなるため「ほうれい線が目立つ=老けている」との印象を持っている方が多いです。
ほうれい線はシワではない
ほうれい線をシワの一種だと誤解している方が多いですが、実はほうれい線はシワではありません。
シワとは、加齢によって皮膚が老化して張力や収縮力が保てなくなったために皮膚がよれる現象です。それに対して、ほうれい線は頬と口の境目にある構造上の溝です。
年齢によらずほうれい線はできるため、年齢により出現する・しないが異なるシワとは区別されています。
加齢によりほうれい線が目立つ理由
ほうれい線は年齢によらず出現すると上記で説明しました。
では、どうして年齢を重ねるとほうれい線が目立ちやすくなるのでしょうか。
それには以下3つの理由が考えられます。
骨や皮膚の老化
人間は加齢により、骨量や筋肉量が減少していきます。
頭蓋骨の骨密度が減ると頬骨が萎縮・後退し、骨の上にある筋肉も細くなるため、頬骨がくぼんでほうれい線が目立ちやすくなります。
また皮膚内部のコラーゲンやエラスチンなど、肌にハリと弾力を与える成分も減少していきます。そのため皮膚がたるみ、笑っていないときでもほうれい線が目立ちやすくなるのです。
皮膚のたるみがフェイスラインに与える影響については、以下の記事でも解説しています。
紫外線や乾燥の影響
加齢だけでなく、外部からの影響によってもほうれい線は目立ちやすくなります。
皮膚の真皮層で網を作っているコラーゲン繊維やエラスチンは、紫外線やお肌の乾燥によって劣化します。
すると真皮層内の水やヒアルロン酸もキープできなくなるため、肌のたるみはますます進行して、ほうれい線を深くしてしまうのです。
頬骨リガメントの硬化
リガメントとは、細い繊維が束になった靭帯(じんたい)のことです。骨と皮膚や筋肉をつなぎ、脂肪を支える役割があります。
人間の顔にはいくつものリガメントがありますが、加齢によりリガメントは硬くなっていきます。
頬骨のあたりに存在する頬骨リガメントが硬化すると、皮膚を引き上げる効果が弱まり、ほうれい線が目立って見えてしまうようになります。
ほうれい線が絶対に消える方法はない
「ほうれい線が目立つ=老ける」の印象のため、ほうれい線を消したいと願っている方は多いです。
しかし、ほうれい線は上記でも説明したように年齢に関係なく顔にできる構造上の溝のため、ほうれい線が絶対に消える方法はありません。
ほうれい線を目立たなくすることは可能
ほうれい線が絶対に消える方法はありませんが、ほうれい線を薄く、目立たなくする方法はあります。
また肌の調子を整えるなどの努力によって、加齢によるほうれい線の進行を食い止めることも可能です。
「もう年だから仕方ない」とあきらめず、美しいフェイスラインを保つ努力を続けましょう。
ほうれい線を目立たなくする方法5選
以下からはほうれい線を絶対に目立たせたくない人のために、ほうれい線を目立たなくする方法を5つご紹介します。
口輪筋エクササイズをする
口輪筋エクササイズとは、口周りの筋肉を鍛えるエクササイズです。
顔の表情筋は口輪筋から放射線状に伸びているため、口輪筋エクササイズで口輪筋を鍛えることによって顔全体のたるみが改善できます。
画像引用:筑紫通り加納歯科クリニック|口元からアンチエイジング
また口輪筋が衰えると唇を閉じる力が弱くなるため、ウィルスや細菌が喉に入りこんで風邪をひきやすくなります。
さらに食べ物が気管にも入りやすくなり、高齢者の死亡原因の多くを占める誤嚥性肺炎の発症リスクが高まります。
ほうれい線を目立たなくするためだけでなく、身体全体の健康のためにも口輪筋エクササイズは非常におすすめです。
口輪筋エクササイズは特別な器具がなくても行えますが、より効果を高めるためには口輪筋トレーニング器具の使用がおすすめです。
口輪筋トレーニング器具として有名な「PAO」を使って1回30秒、1日2回の口輪筋エクササイズをした場合、4~8週間程度でほうれい線の改善効果が見込めるとされています。
ほうれい線ケア化粧品を使う
皮膚にハリと弾力を与えれば、皮膚が引っぱりあげられてほうれい線が目立たなくなります。
紫外線や乾燥によって受けたお肌のダメージを回復するクリームや美容液などのスキンケア化粧品は、ほうれい線を目立たなくするにも効果的です。
ビタミンB3(ナイアシンアミド)やヒアルロン酸、コラーゲンなどが配合されたスキンケア化粧品を使い、肌の健康を取り戻しましょう
リガメントほぐしをする
硬くなった頬骨リガメントを柔らかくほぐしてあげれば、リガメントがしっかり皮膚を引き上げてほうれい線を目立たなくできます。
お風呂上りや寝る前のスキンケアタイムを使って、1日2分の「リガメントほぐし」を習慣にしていきましょう。
《リガメントほぐしのやりかた》
1.頬骨の下に親指を当て、親指を頬骨に潜り込ませるように上へ押し上げる
2.頬骨にそって3箇所ほど指を移動させながら同じ動作をする
※注意※
移動するときには必ず指を顔から離すこと
まだリガメントが硬いうちは、リガメントほぐしをするときに痛みが感じられます。
繰り返しリガメントをほぐして柔らかくなれば、痛みは薄らぎますので安心してください。
ほうれい線が消えるツボを押す
「迎香(げいこう)」は、小鼻の横にあるツボです。
鼻水・鼻づまりを解消する効果があるツボの代表格ですが、迎香を刺激すると顔のむくみが取れるため、ほうれい線を目立たなくする効果もあると言われています。
画像引用:テイコク製薬社|【鼻水・鼻づまりを解消する方法】鼻水・鼻づまりに効くツボも知ろう!
《迎香ツボ指圧のやりかた》
鼻の脇にあるへこみを人差し指で押さえ、クルクル回すようにマッサージする
※注意※
強く押しすぎないこと
コンシーラーで隠す
冠婚葬祭やお出かけの予定があり「どうしても今日だけは絶対にほうれい線を消したい!」と思っている方には、最後の手段としてのおすすめの方法があります。
ほうれい線が目立つ理由は、ほうれい線によって盛り上がった皮膚が顔の一部に影を落とすからです。つまり顔の影がなくなれば、見た目上はほうれい線が消えることになります。
ファンデーションよりも一段明るい色のコンシーラーを使うと、光の効果で影が消えてほうれい線が目立たなくなります。女優やタレントなどの芸能人も、よくこの方法でほうれい線を隠しているそうです。
《ほうれい線が消えるコンシーラーの使い方》
小鼻横のほうれい線の付け根から先までコンシーラーをのせ、上向きにぼかす
過度なマッサージや顔筋トレは要注意
1日も早くほうれい線を消したいと、マッサージや表情筋全体のエクササイズに張り切りすぎてしまう方がいますが、強すぎるマッサージや過度な顔全体の筋トレはかえって逆効果になる場合があります。
強すぎるマッサージは皮膚を伸ばしてしまい、かえってシワやたるみの原因になります。また表情筋を動かしすぎると皮膚への負担が蓄積され「表情ジワ(表情の変化によりできるシワ)」が増えてしまうかもしれません。
顔の皮膚はとてもデリケートなため過度な刺激は絶対に避けて、優しく扱ってあげましょう。
まとめ
今回はほうれい線とは何か、また加齢によりほうれい線が深くなる理由を解説し、ほうれい線が目立たなくなる方法を紹介しました。
ほうれい線は老け顔の原因ともされていますが、ほうれい線を気にして暗い顔になっていては、さらに寂しい老け顔になってしまいます。
ほうれい線を目立たなくする方法を実践しつつ、ほうれい線もチャームポイントのひとつとして捉えられる前向きな気持ちで過ごしましょう。