【Excel版】エンディングノート(終活ノート)

見た人が殆どいない「介護券」とは|介護おむつ券・タクシー券との違い

この記事のサマリ
  • 「介護券」とは生活保護(介護扶助)の際に使われる券
  • 介護券は福祉事務所棟と介護施設間でやりとりされる
  • 「介護おむつ券」「介護タクシー券」は自治体が発行する要介護者への助成

介護についていろいろと調べていると、ごくまれに「介護券」という名称が登場してくることがあります。

しかし実際に家族を介護している人に話を聞いても、介護券とは何かを知っている人や、介護券を見たことがある人はほとんどいないようです。

はたして介護券とは何でしょうか。

今回は「介護券」について説明し、似た名称の「介護おむつ券」「介護タクシー券」についても併せて解説します。

一般的に介護券とは生活保護の介護扶助

車いすに乗ったミニチュアの高齢者

「介護券」とは一般的に、生活保護の介護扶助の際に使われている券の名称です。

介護を必要とする生活保護受給世帯は、介護扶助により自己負担分の一部もしくは全額免除が認められます。

介護施設は生活保護受給者から介護サービス費用を徴収しない代わりに、生活保護を支給している国保連(国民健康保険団体連合会)に介護扶助費の請求を行います。この支給形式を現物支給と呼びます。

参考 生活保護制度厚生労働省

介護扶助以外で生活保護世帯が受けられる扶助は以下のとおりです。

生活扶助 日常生活を送る上で必要な費用の扶助
住宅扶助 家賃の扶助
医療扶助 怪我や病気の治療代の扶助(現物支給)
葬祭扶助 火葬費用や骨壺代等の扶助
生業扶助 就労に必要な技能の修得費用・事業資金等の扶助
教育扶助 義務教育履修の扶助
出産扶助 分娩費用等の扶助

介護券は福祉事務所等が発行する

介護券は自治体の福祉事務所等が発行し、介護サービスを利用している各介護施設に毎月送られます。

介護施設は介護券に記載されている情報を元に国保連へ請求を行います。

介護券のやりとりは発行元の福祉事務所等と介護施設との間で行われますので、生活保護受給者が直接介護券を手にすることは特別な場合を除きありません。

なお介護券の発行を福祉事務所等に要請できるのは、生活保護による介護扶助の指定事業所が運営する介護施設のみです。指定を受けていない事業所が運営している介護施設で受けた介護サービス費用は介護扶助の対象にはなりません。

介護扶助を受ける方法

生活保護受給者が介護扶助を受けたいときには、まず担当ケースワーカーへの相談が必要となります。

担当ケースワーカーが介護プランを作成するケアマネージャーと連携を取り、介護扶助支給の手続きを行い介護券を発行します。

またケアマネージャーから担当ケースワーカーに連絡してもらうことも可能です。いずれにしても介護券は被保護者からの申請がなければ原則として発行されません。介護の必要性が生じたときには、ためらわずに声を上げることが大切です。

介護の必要性が生じたばかりで、これからケアマネージャーを探す必要がある人は、以下の記事も参考にして適切なケアマネージャーに相談できるようにしてください。

良いケアマネージャーを見つけるには?3つの探し方と4つの選び方

介護扶助の対象者

介護扶助を受けられる生活保護受給者は、生活保護法第15条の2に規定されている要介護者および要支援者です。

具体的には以下表に該当する人が介護扶助の対象となります。

介護扶助の対象者

画像引用:横浜市|介護扶助について

介護保険と介護扶助の費用負担割合

介護サービスを受ける費用は、もともと介護保険から9割以上が負担されています。

介護券を元に扶助されるのは、本来自己負担分であった介護サービス費用の1割以下です。

介護扶助と介護給付の費用負担割合

画像引用:横浜市|介護扶助について

生活保護受給者は直接サービスへの支払いに介入をすることはありませんが、生活扶助等の基準額よりも受給者の収入認定額が多い場合には、基準額を超える額を介護費用に充当するため、一部金銭の支払いが発生します。

本人支払額が生じるケースの負担分イメージ

画像引用:大分市|介護扶助通信(大分市福祉事務所 平成30年9月25日発行)

本人支払額が発生した場合には、介護券にその旨が記載されます。

介護券の見本

介護券は発行する各福祉事務所等により形式が異なります。

一例として、愛知県名古屋市内の福祉事務所等が発行している介護券の見本をご紹介します。

名古屋市内の福祉事務所等が発行する介護券見本(第23号様式)

画像引用:名古屋市|名古屋市生活保護法施行細則

生活保護以外にもある介護券とは

上記で説明した生活保護の介護扶助以外でも、自治体によっては「介護券」と似た名称が使われているケースがあります。

ここからは生活保護以外でも使用されることがある2つの「介護券」をご紹介します。

介護おむつ券

トイレ

介護保険の要介護認定を受けている排せつが困難な要介護者に対しては、多くの自治体が紙おむつなどの介護用品の購入費用を助成しています。

各自治体により助成のやり方は異なり、給付金を支給しているところもあれば、「介護用品引換券」の配布という形で助成している場合もあります。「介護用品引換券」は「介護おむつ券」とも呼ばれます。

介護おむつ券を発行している自治体の多くでは、介護おむつ以外にも以下のような品目を引き換え対象としています。

  • 紙おむつ
  • 尿とりパット
  • 使い捨て手袋
  • 清拭剤
  • 消毒液
  • ドライシャンプー
  • おしり拭き
  • 防水シーツ
  • 円座

介護おむつ券の利用方法

介護おむつ券の発行を受けた場合は、発行元の自治体が指定した店舗に出向き介護おむつ等の製品と引き換えます。指定店以外での引き換えはできないことが多いのでご注意ください。

介護タクシー券

介護タクシーに乗る情景の粘土人形

介護おむつ券と同じように、外出の際に公共交通機関の利用が難しい在宅の要介護者に対して、介護タクシー券の利用補助を行っている自治体もあります。

障害を持つ人が利用できる福祉タクシー券とは異なりますので、介護タクシー券の発行がされているかどうかは各自治体にお問い合わせください。

介護タクシー券の利用方法

介護タクシーの利用方法は前述の介護おむつ券と異なり、利用後に助成金が振り込まれる形をとっている自治体がほとんどです。

千葉県船橋市の場合の介護タクシー利用方法は以下のとおりです。

介護タクシーの利用方法

画像引用:船橋市|R3年度船橋市福祉タクシー乗車券(要介護者等)の利用案内

なお介護タクシー業者によっては、ホームヘルパーの資格を持つ運転手が乗降や移動の手伝いをするサービスを提供しているケースがありますが、多くの自治体では介助料に関しては助成対象外としています。

まとめ

青空に差し出した白い紙

今回は「介護券」および「介護おむつ券」「介護タクシー券」について解説しました。

介護券にもいろいろありますが、いずれの券も高齢者が安心して生活できるようにするために発行されている大事な券です。日常で目にする機会がない介護券も、すべての高齢者を守るために必要な券なのだと理解しておきましょう。

ライター紹介 | 杉田 Sugita

認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。


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