【Excel版】エンディングノート(終活ノート)

定年後も働くには?就職活動のコツと有利な資格|雇用形態ランキング

この記事を書いた人
数田 陽子 Kazuta Yoko

医療衛生用品メーカーでMDと営業、その後、ECサイト運営企業でヘルス&ビューティケアカテゴリを統括。自らが団塊ジュニア世代であることから終活に関する知識を深め、終活講師としてセミナーを主催。超高齢化に危機感を持ち、自らの生活を含めた親世代を支えるために、終活に関する知識を研鑽。おひとりさま、おふたりさまの終活分野に強く、化粧品や健康食品の開発経験から、健康面も重視し、トータルに考えたアドバイスが得意。 ▼保有資格 終活カウンセラー Happy Ending Planner 認知症サポーター 2級ファイナンシャル・プランニング技能士

この記事のサマリ
  • シニア層の8割近くが定年後にも働き続けたいと希望している
  • 定年後の就職活動のためには定年前からの準備が大切
  • 就職支援セミナーに参加してコツやノウハウを学ぶのがおすすめ

昔とは異なり、現代ではサラリーマンが定年を迎えたらそのまま隠居生活に突入する時代ではなくなりました。

定年後も働き続けるためには、定年を迎える前から再就職の準備をしておくことがおすすめです。事前に準備をすることで、いざ定年を迎えたときにも再就職がしやすくなります。

今回は定年後の再就職について、ランキング上位の雇用形態や仕事探しのコツ、就職活動に有利と思われるシニア向け資格を解説していきます。

シニアの79.7%が定年後も就業を希望している

内閣府の平成30年版高齢社会白書によれば、現在仕事をしている60歳以上の人の約4割が「働けるうちはいつまでも」働きたいと回答しています。また「70歳くらいまで」「75歳くらいまで」と回答している人も多く、回答者全体では79.7%が定年後にも仕事をしたいと希望していることがわかります。

就労希望年齢

画像引用:内閣府|平成30年版高齢社会白書

内閣府調査によるシニアの就職ランキング

では具体的には、シニアはどのような就業形態で働いているのでしょうか。

上記と同じ内閣府の平成30年版高齢社会白書から、年代別の就業状況を男性・女性別に確認しましょう。

55歳以上の就業者状態

画像引用:内閣府|平成30年版高齢社会白書

1位:正社員・パート・アルバイトによる雇用

定年を境にして割合は大きく下がるものの、男女ともにランキング1位となったのは正社員・パート・アルバイトによる雇用です。

定年後の65~69歳時点では、男性が32.2%、女性が23.2%を占めています。

ただしこの調査では定年前の会社の継続雇用なのか再就職なのか、パート・アルバイトなどの非正規雇用なのかは判別できません。

2位:自営業での就業

ランキング2位は自営業での就業です。この割合は定年年齢の65歳になる前よりも、後の方が男女ともに割合が大きくなります。自営業者には定年がありませんので、定年年齢に達しても仕事を続けている人が多いことがうかがえます。

自営業での就業者数は、65~69歳時点で男性14.6%、女性8.3%です。

3位:会社役員

ランキング3位は会社役員です。会社役員も定年がないため、定年年齢に達しても退任しない人が多いです。

ただしこの就業形態は男女差が大きく、女性の会社役員は男性の会社役員よりも全年代で低くなっています。

会社役員としての就業者数は、65~69時点で男性7.6%、女性2.5%です。

定年後の再就職に有利な資格

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資格を持っていると就職に有利だというのは定年前・定年後も変わりません。

自分の持っている資格が就職活動の際に活用できるかどうか、今のうちからスキルとキャリアの棚卸しをしておきましょう。

以下では定年後のシニア層が働きやすい仕事をするのに有利な資格を3つご紹介します。

マンション管理士

マンション管理士はいわゆる「マンションの管理人」とは違い、マンションの維持管理に関するコンサルティング業務を手がけることができる国家資格です。

管理組合や住民のトラブルを解決するためには法律上の知識も豊富である必要があり、資格試験の合格率も8%程度で、大変に難関な資格です。

ですがマンション管理会社ではマンション管理士を在籍させる必要があり、資格が取れればその後の就職には大きく役立ちます。


参考
マンション管理士試験について公益財団法人マンション管理センター

FP技能士

FP(ファイナンシャル・プランナー)は、人の暮らしとお金の相談を受けるお金のプロフェッショナルです。

相談者のライフスタイルや価値観、家族状況、資産、負債、保険などのあらゆるデータから経済状況を分析し、アドバイスや資産設計を行います。

国家資格であるFP技能士の資格は1級~3級があり、まずは3級から等級を上げる必要があります。

◎FP技能士(国家資格)

FP技能検定を実施している団体は以下の2団体です。


参考
FP技能試験とは日本FP協会


参考
ファイナンシャル・プランニング技能検定(一社)金融財政事情研究会

 

◎AFP・CFP(民間資格)
日本FP協会が認定するFP(ファイナンシャルプランナー)資格です。

この資格は等級ではなくAFP資格とCFP資格(上級)に分かれます。


参考
ファイナンシャル・プランナー(FP)とは日本FP協会

調理師

調理師は料理のプロフェッショナルとして認定される国家資格です。

調理師免許がなくても飲食店等に就職することはできますし、調理業務を行うこともできますが、定年後の再就職先を探す上では資格があると有利に働きます。

また近年話題になっているタスカジなどの家事代行マッチングサービスで働こうと思った際には、調理師資格の記載があると利用者からも信頼されて仕事が入りやすくなるメリットもあります。


参考
調理師試験公益社団法人調理技術技能センター

定年後の仕事探しのコツ

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上記のような資格を持っていても、具体的にはどうやって就職先を探せば良いのかわからない人もいるでしょう。

また履歴書や職務経歴書の書き方も久しぶりで忘れてしまい、面接の受け方のコツも覚えていない人が多いです。

応募書面や面接の受け答えにはちょっとしたコツがありますので、そのコツを学ぶと就職先から採用されやすくなるかもしれません。

そのためには、定年になる前からシニア層向けの再就職支援セミナーに参加してみることがおすすめです。

セミナーでは履歴書や職務経歴書の書き方から面接で気をつけるべき点、自身のキャリアの棚卸しの仕方まで幅広く学ぶことができます。


参考
再就職支援セミナー東京しごとセンター

また定年になってからも、再び就職活動をする人のためにはさまざまな支援制度があります。

上記の東京しごとセミナーでは65歳以上の人のために採用選考の前に職場体験(見学)を行うプログラムも行っています。

事前に就職したい人と会社とのマッチングができるので、再就職を果たしたあとで「こんな筈じゃなかった」と後悔するのを防ぐことができます。

しごとチャレンジ65

画像引用:東京しごとセンター|しごとチャレンジ65

市区町村の就業支援センター

地域に密着したシニア向け求人情報を探すには、お住まいの市区町村の就業支援センターに相談するのも良い方法です。

東京都の場合、都内12か所に55歳以上の就職希望者を対象にした就業支援センターが設けられています。公益社団法人東京しごと財団とも連携しているので、都道府県と市区町村が一緒になって定年後のシニア層の再就職をバックアップしてくれます。

アクティブシニア就業支援センター

画像引用:東京しごとセンター|アクティブシニア就業支援センターとは

まとめ

新しい始まり

今回は60歳または65歳で定年を迎える予定の人が、再就職のために今からできる準備について解説しました。

定年前の準備は、定年になってからの就職活動に役立ちます。

しっかり準備をして、定年を境にさらなるステップアップを果たしましょう。