【Excel版】エンディングノート(終活ノート)

スマホを切って「死の体験旅行」へ|やりたいことを先延ばしにしない方法

この記事を書いた人
数田 陽子 Kazuta Yoko
数田 陽子 Kazuta Yoko

医療衛生用品メーカーでMDと営業、その後、ECサイト運営企業でヘルス&ビューティケアカテゴリを統括。自らが団塊ジュニア世代であることから終活に関する知識を深め、終活講師としてセミナーを主催。超高齢化に危機感を持ち、自らの生活を含めた親世代を支えるために、終活に関する知識を研鑽。おひとりさま、おふたりさまの終活分野に強く、化粧品や健康食品の開発経験から、健康面も重視し、トータルに考えたアドバイスが得意。 ▼保有資格 終活カウンセラー Happy Ending Planner 認知症サポーター 2級ファイナンシャル・プランニング技能士

なるべくなら後悔の少ない人生を歩みたい。
そう考える人は多いでしょう。私もその一人です。

「遺された人に迷惑をかけない」「自分の人生を最後まで楽しみたい」と思い、日々終活と思って過ごしています。

とはいえ、日常に流されてついついやりたかったことを先延ばしにして手つかずのままになっていることが多くあります。このまま万が一亡くなってしまったら、「あの時にあれをやっておけば」と後悔するでしょう。

『死ぬときに後悔すること25』(到知出版社 大津秀一著)でも、「はじめに」の中で本の作られた経緯について以下のように書かれています。

終末期に皆が必ず後悔すること、それを前もって紹介し、元気なうちからやっておけばよいのではないか、そのような思いから生まれた

後悔の少ない人生を送るにはやりたいことを早めに遂行することが大切。

やりたいことリストについて詳細はコチラ
image-100goals【テンプレートあり】やりたいことリストを書く出すことから始める新しい終活の方法

人生に限りがあることをもっと身近に感じるにはどうすればいいか、それを考えるきっかけとして、「死の体験旅行」というものに参加しました。

その経験が自分の人生において何が大切かを見つめ直すきっかけにもなり、先延ばしにしないという気持ちにスイッチが入ったので、ご紹介したいと思います。

死の体験旅行とは

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「死の体験旅行」とは、もともとホスピスで働く医師、看護師、ボランティアスタッフのために欧米で開発されたワークショップ(体験学習)で、死の疑似体験ができるワークショップです。

ファシリテーターは神奈川県にある倶生山なごみ庵の住職の浦上哲也さんで、主に東京都豊島区にある金剛院にて開催されています。

TV・雑誌やWEBメディアで取り上げられる事もあり、毎回すぐに完売してしまう大人気講座で、平成25年1月からこれまでに2,000人以上の方が参加されました。

参考 死の体験旅行開催情報まちのお寺の学校

何が行われるのか

スマホを切って約2時間の死の疑似体験という旅に出ます。

具体的な内容は詳しくはお伝えできないのですが、以下の流れで行われます。

  1. まずは壁向きに一人一人が座り、配られたカード20枚にそれぞれの大切な人やもの、やってきたことなどを書きます。
  2. 1人でしばし自分に向き合い、自分にとって大切なものを20個選ぶ必要があります。20個に絞れないと思う人もいれば、20個もないと思う方もいて、家族の多い人は意外とむずかしいところです。
  3. カードを記入したら、部屋全体が暗くなり、BGMに合わせて、浦山さんの語りがはじまります。そこから「死の体験旅行」に向かっていきます。
  4. 自分が病にかかり心と身体の衰えを感じながら、最初に書いた大切なもの20個を徐々に手放していきます。
  5. 終わったら、小さなグループになって感想を述べあいます。
  6. 次に全員で最期に何が残ったかを1人ずつ発表します。
途中、すすり泣く声が聞こえたり、私自身も死に至る過程で思わず泣いてしまいました。

詳細は下記記事をご参照ください。
参考 動画:お坊さんと一緒に「死の体験旅行」、「大切なもの」に向き合う 東京AFPBB News

自分にとって大切なものとは

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このワークショップでは大切なもの選ぶタイミングが大きく2回あります。

    • 1回目は、最初に選ぶ今の自分を構成する大切なもの20個を選ぶとき。これは箱舟に誰を乗せるかみたいな感覚だと思いました。
    • 2回目は、その選んだ大切なものをさらに取捨選択していく作業。死ぬときには最後の1つでさえも持っていくことはできません。自分にとって何が優先かを問い続けます。

この作業を通じて、自分が大切だと思うものの傾向がわかります。

私の場合は、使命感、自分にとって心地の良い場所、絵や着物などの文化的なものが大切と感じるものでしたが、最後には「母親」と書かれたカードが残りました。

何気なく直感で選んだものが最後まで残ったという方もいらっしゃいます。

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自分が書いて捨てた大切なもの

終末期に感じたこと

自分はもう普通のことができないんだという事実を知ったことです。
頑張るにも頑張りようがないとはこういうことなんだと気づいてショックでした。

これから死にゆくとなったとき、今をどうするかに精一杯で、過去も未来も考える余裕などありませんでした。

過去にとらわれるより、未来に不安を覚えるより、今を精一杯進む。

過去にあったもやもやした思いはどうでもよくなっていました。

また再び生まれてみて

ファシリテーターの浦上さんは、「今日は皆さん命日を迎えられて、また誕生日も迎えられました」とおっしゃいました。

「死の体験旅行」を終え、いつもの状態に戻ると、自分の手放した「大切なもの」はまだ自分の手の中にあり、やりたいことができる時間も体もあることにすごく感謝できました。

最後に

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終末期に人は何を思い、どんな気持ちで最期を迎えるのかを知りたかったので、その疑似体験ができたことで色んな気づきが得られました。
今を生きることの喜びも再認識することができました。

やりたいことを先延ばしにするなんて時間がもったいない!と思うことができたので、後悔の少ない人生に一歩近づけます。

ぜひ皆さんも後悔のない人生を送るために、やりたいことは先延ばしせずにどんどんやっていきましょう。

やりたいことリストについて詳細はコチラ
image-100goals 【テンプレートあり】やりたいことリストを書く出すことから始める新しい終活の方法

■「死の体験旅行」主催概要
主催者:倶生山なごみ庵 浦上哲也さん 参考 死の体験旅行開催情報まちのお寺の学校

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