- エンディングノートとは自分が残したいメッセージや情報を綴ったもの
- WEBやアプリで保管するデジタルエンディングノートが人気を得ている
- WordやPDFのほか、Excelでの作成もできる
終活に興味が出てくると、まず気になるのは「エンディングノート」の作成ではないでしょうか。
これまでは手書きのノートに書く方式が主流でしたが、現在ではパソコンやスマートフォンで作る「デジタルエンディングノート」も出てきています。
今回は、そんなデジタルエンディングノートの特徴とメリット、おすすめのエンディングノートをご紹介します。
目次
デジタルエンディングノートとは
エンディングノートは、自身の死後に遺された家族や友人などへ伝えたいメッセージや情報を記しておくノートのことです。
具体的には認知症や終末医療によって、自身での指示・判断が困難になった時のために介護や終末医療の希望を記したり、希望する葬儀の形式や、遺産の処分方法、契約しているサービスの解約方法を記述したりと、内容は多岐に渡ります。
最近では紙のエンディングノートだけでなく、パソコン上で管理するデジタルのエンディングノートも続々と登場しています。
遺言と違って法的に有効な書類ではない分、書き方は自由です。「どうやって書き残すか分からない」という人も気楽に書き始めることができます。
エンディングノートについては以下の記事を参考にしてください。

デジタルエンディングノートに遺す内容
デジタルエンディングノートに遺す内容はアナログのエンディングノートと基本的には変わりません。Excel等で自分で作成する場合は必要項目を増やすこともできるので、細かく情報が遺せます。

パソコンやスマートフォンに保管するので、自身にまつわる情報やデータを一緒に保存できるのもデジタルエンディングノートならではの特徴です。
【デジタルエンディングノートならではの特徴】
ブログ、SNSの内容を記載できる
デジタル媒体なら、ブログやSNSの投稿内容を簡単にエンディングノートにコピーすることが出来ます。自分の個人的なことをつづったブログやSNSは、それ自体が自分史のような役割を果たします。
写真・画像を添付できる
アナログエンディングノートに写真を添付しようとするとどうしてもかさばったり、集めるのが大変だったりしますが、デジタルエンディングノートならその心配はありません。
財産目録が作成、保存できる
2019年1月の相続法の改正で、財産目録は手書きで作成する必要がなくなり、パソコンなどで作成した財産目録でも認められるようになりました。そのため、財産目録を作成しておくと、財産の更新も容易にできるので便利です。
デジタル遺産の管理ができる
ネット銀行やネット証券、各種有料ネットサービスなどのURL、ID、パスワードなどの管理が容易です。
また、Google DriveやDropboxなどのクラウドサービスに保存すれば、万一スマートフォンを紛失したり、パソコンが故障したとしても、他の機器で閲覧・編集が可能です。
デジタルエンディングノートのメリット
管理・修正がしやすい
紙でつくるエンディングノートは付箋などで目次を管理しますが、修正したい項目を探すのが大変です。消しゴムで消して書き直すにしても、徐々に紙面が汚れてしまうことが考えられます。
デジタルエンディングノートであれば、項目が画面上でひと目で分かるほか、修正も簡単です。
エンディングノートは一度書いて終わりではありません。財産やセキュリティに関する情報では定期的にIDやパスワードを変更するため、できるだけ修正が簡単なエンディングノートを選ぶことが大切です。
無くしてしまう可能性が低い
手書きのエンディングノートの場合、どこにしまってあるか忘れてしまうことがあります。または無くしてしまうこともあるでしょう。
災害などによる避難で一時的に家を空けた際に、保管場所が分からなくなることは十分考えられます。
デジタルエンディングノートならパソコンやスマートフォンに保管されているため、保管場所が分からなくなる心配は無用です。
無料で使えるアプリが多い
ほとんどのデジタルエンディングノートでは、WEB版でもアプリ版でも無料で利用ができます。
有料のアプリや拡張機能であっても数百円程度の負担で済むため、「どのエンディングノートが自分に合っているのか分からない・・・」といった方でも気軽に試すことができるでしょう。
【2023年版】エンディングノートを書くならアプリが便利!おすすめをご紹介
人気のデジタルエンディングノート【2023年最新】
日刊葬儀新聞社|エンディングノート
日刊葬儀新聞社という会社が配布しているエンディングノートです。
Word版とPDF版のいずかを選択でき、130ページの大ボリュームを誇ります。記入する項目が詳細で多岐に渡るのが特徴です。
第一章 自分史~人生を振り返って
・私の履歴書~私の学歴、私の職歴、その他の活動
・表彰、叙勲、思いでの引越履歴
・家について~家紋、家系図、菩提寺、宗旨宗派について
・想い出~誕生時、幼少時代、小学生、中学生、高校生、大学生、
・20歳代前半 後半、 30歳代、40歳代、50歳代、60歳代
・今~趣味、愛読書、想い出の映画 音楽、座右の銘、尊敬する人、恩人
・私の考え・思い~政治、世界など
・父母について、祖父母について
・パートナーについて~出会い、交際、結婚、写真アルバム
・子供たちについて~家族の誕生、育児奮闘記、家族旅行、イベント
・我が家の10大ニュース
・バイオリズム第二章 メッセージ~感謝の言葉
第三章 医療・介護~もしもの時のために
・ 常用薬、アレルギー、既往症、持病、
・かかりつけの病院、がんの告知について、認知症について
第四章 葬儀~葬儀の準備、希望引用元:日刊葬儀新聞|【無料サービス】「エンディングノート」ダウンロード
自分史や医療や介護、葬儀、財産に関する記入項目は特に詳細な記載が可能です。その他にも、普段飲んでいる常用薬についてやかかりつけの病院、遺言、財産分与の希望なども詳細に残すことが可能です。
残された人が困らないように、できるだけ細かく詳細に書き残したいという人に向いています。
一方で、家族へのメッセージなどの思い出に関する記入項目は比較的簡素でボリューム少なくなっています。
家族へのメッセージに重点を置きたい人は、別のエンディングノートを用意するなどで補強する必要があります。
参考 【無料サービス】「エンディングノート」ダウンロード日刊葬儀新聞社百人百想|エンディングノート
こちらは「百人百想」というエンディングノートです。
エンディングノートの機能の中でも自分史を記入する部分が多いのが特徴です。
こちらもWord形式とPDF形式に分かれており、好きな方を選択できます。手書きで書いた紙をパソコンで残したい場合は、PDFを選択しましょう。
エンディングノートの中身は、以下の2部構成です。
- 私の自分史 これまで歩んだ道 これから
- 私の記録 家族に伝えること
「私の自分史」では、誕生から幼少時代、学生時代、仕事、結婚、子ども、孫など、今までの半生を振り返った思い出を残しておくことができます。
「私の記録」では受けている医療や介護のことや葬儀、お墓、遺言など、亡くなってしまった時に家族に残しておきたいメッセージを残すことが可能です。
更新日毎に上書き、新しいファイルで加筆・減筆まで自在にこなせるため、定期的に内容を更新したい人に向いています。
参考 百人百想・エンディグノート百人百想研究所編みノート【無料配布中】
編みノートは、人生の最後に向けて準備しておきたいことをデジタル形式で残すためのエンディングノートです。
「タブ」という見出し機能で「伝えたいこと」を残すことができるほか、逆に「知られたくない内容」を周囲に知られずに自動的に削除させることも可能です。
タブは、以下の14種類が設定されています。
- 自分自身
- 個人情報
- やりたいこと
- ペット
- 医療・介護
- 遺影
- 預貯金
- 有価証券と不動産
- 連絡先1
- 連絡先2
- 家族
- 遺品
- デジタル遺品
- 自由帳
書き出したい内容を思い浮かべ、関連する項目に情報を書き出すことができます。
上記の14項目とは別に「設定」タブもあり、認証用パスワード・自動公開・自動削除するパソコン上のファイルを指定することが可能です。
家族にも見せたくない個人的な情報であっても、プライバシーが守られます。
参考 Windowsアプリ「編みノート」マレリークアプリではよく分からない人向けのエンディングノート
ご紹介したように、エンディングノートはデジタルでの作成が主流になっています。
Wordに書き込んでパソコンで保管する方式のほか、手書きしたものでもPDFでパソコンに取り込んで保管することもできます。
とはいえ、WordやPDFよりも Excelの方が馴染みがある人も少なくないはずです。サラリーマンの場合、Excelを使った表計算や関数を使った業務の効率化で使い慣れているでしょう。
慣れ親しんだツールで手軽に始めることが、長続きさせるためには大切になります。
Golden Yearsでは、当サイト編集部作成のオリジナルのExcel版エンディングノートを無料で配布しています。
ダウンロードの際にGolden Yeardをより良くするための簡単なアンケートにご協力いただき、入力いただいたアドレスにExcelを送る流れです。
入力できる項目は以下の10項目です。
- 基本情報
- 預貯金・有価証券
- 不動産
- その他の資産
- 借りているお金
- 課しているお金
- 保険
- 医療・介護の希望
- 葬儀・埋葬の希望
- 連絡先
以下のページから、それぞれの項目の書き方について解説ページにアクセスできます。Excelでのエンディングノート作成に興味がおありの方は、ぜひご覧ください。


まとめ
デジタルエンディングノートを使うことで紛失の心配がなくなり、修正・加筆も手軽にできるメリットがあります。
WordやPDF、Excelといったように作成方式が分かれるため、自分が使い慣れた方式のデジタルエンディングノートを選びましょう。
またパソコンに遺す場合はパソコンにログインする情報も別に要する必要があります。デジタルエンディングノートとは別に、サブとして手書きのエンディングノートもあると確実です。

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