- 人によって「楽な仕事」の定義はさまざま
- 我慢できないことは何か、仕事を探す前に優先順位を決めておく
- 新しい職場に入る前に雇用契約内容をきちんと確認することが大切
定年退職後に「もう一度働く」と決めた際は再雇用制度を活用するほかに、新しい職場を探すことも選択肢になります。
求める仕事内容は人によってさまざまですが、シニアとして長く働くために「楽な仕事」を探したい方も多いのではないでしょうか?
今回は「楽な仕事」の定義と、男性・女性向けのおすすめな仕事を紹介します。
目次
楽な仕事とはどんな仕事?
対人ストレスが少ない
働くうえで何が「楽」なのかは、人によって異なりますが、「対人ストレス」など精神的なストレスが少ないのは楽な仕事といえるでしょう。
所属する会社や配属される部署次第では上司・同僚との緊密なコミュニケーションを求められることもあり、ストレスを抱えやすくなります。
会社に所属する以上は完全に1人で仕事することは無理でも、勤務時間中に1人でいる時間が長い仕事を選べればストレスが少なくなるでしょう。
体力を酷使しない
体力を使わない仕事も楽な仕事といえます。
代表的なのは「事務・経理」などで、1日の大半を椅子に座って過ごすことが可能です。もちろん大変な仕事ではありますが、外での仕事と比較すれば体力的には格段に楽でしょう。
工場の現場作業などは比較的1人でできる時間が多い仕事ではあっても体力的に厳しい人もいます。またシニアの場合、腰痛などが発症したりケガをしたりして働くことが難しくなるリスクも考慮しなければいけません。
身体を使う仕事にしても、できるだけ身体的負担が小さい仕事が望ましいといえます。
労働条件が良い
ストレスをかかえる仕事や体力を使う仕事であっても、労働条件が良ければ相対的に「楽な仕事」になることもあります。
- 手取り収入が高い
- ノルマがない
- 有給を取得しやすい
- シフトの細かな調整が可能
楽な仕事であっても収入が少ないと生活が苦しくなり、別の仕事をする必要性も出てきます。そうなると体力的に楽な仕事も経済的な意味で「楽」になるとはいえないでしょう。
逆に体力・精神的に大変でも、高給であればモチベーションがアップして長く働けることもあります。
また、休みに関する待遇も重要です。
「有給を取得しやすい」「残業が少ない」といった待遇で働ければワークライフバランスを取りやすいため、精神的・肉体的な疲れを取り除きやすくなります。
シニア男性:ストレスがない楽な仕事3選
警備員
ビルやショッピングセンターなどの大型施設で警備を行う仕事です。建物を巡回して、トラブルがあった場合は各部署に連絡などの対処を行います。
巡回は基本的に1人で、常に立っている仕事ながら重いものを持つことはありません。空調が効いた施設内での仕事で体調を崩しにくいのもメリットです。交代勤務であることから基本的には残業も少ない傾向にあります。
特殊なスキルがなくても働けるため、未経験のシニア世代であっても採用される可能性があるのもメリットでしょう。
トラブルさえ起きなければ、基本的には決まった作業を繰り返す精神的に楽な仕事といえます。
ビルメンテナンス
ビルメンテナンスはビルなどの建物に異常がないかを点検し、必要があれば保守から清掃まで行う仕事です。
体力を酷使するタイプの仕事ではなく、基本的に1人で行います。
ただし、設備の点検・保守に関するあらゆる知識を求められる専門性の高い仕事であることがネックです。
採用されるための必須条件や優遇条件として「実務経験」や以下のいずれか(場合によっては複数)の資格が求められることもあります。
- 建築物環境衛生管理技術者
- 第1種・第2種電気工事士
- 第3種電気主任技術者
- 1級・2級ボイラー技士
- 冷凍機械責任者
- 危険物取扱者
工場の作業員
工場の作業員はキツイ仕事というイメージがありますが、一概に体力的な意味で大変とも限りません。特にライン作業ではひたすら自分の仕事に集中できる環境にあります。
仕事は1人で黙々と行うことが中心で、営業部門と違って社外の人とのやりとりは多くありません。工程を管理している上司とは頻繁にコミュニケーションはありますが、対人ストレスは少なめです。
ただし、所属する会社によっては工場内の空調が効いていないこともあります。体力より精神的な楽さを重視する人に向いているといえるでしょう。
シニア女性:体力的に楽な仕事3選
事務
事務は特に女性に人気で、会社の「営業事務」「経理」「総務」などの部署での仕事です。書類整理やデータ入力から、整理整頓のような庶務まで含まれます。
空調が効いた部屋でのデスクワークが基本で肉体労働がないのがメリットです。パソコンやWord、Excel、簿記の知識があれば特殊な技能や知識も必要ありません。
簿記の資格や事務での実務経験があれば、シニアでも採用される可能性はあるでしょう。
ただし、外部の人との電話のやりとりがあるため、部署内の人間と緊密なやり取りがあるなど、対人ストレスを感じやすい環境ではあります。
軽作業
ひとくちに軽作業といっても、仕事内容は多岐に渡ります。共通するのは「特別なスキル、経験などがなくてもできる仕事」ということです。体力的な意味での「軽い」とは限りません。
以下のような仕事が、一般的に軽作業に分類されます。
- 仕分け
- 検品
- 梱包
- 品出し(ピッキング)
- 倉庫作業オペレーター
スーパーやドラッグストアでの品出しでは水・米などの重い商品を台車で運搬することも多く、軽いものばかりではないのが分かります。
体力的にはキツイ仕事ですが、仕事内容は黙々と1人で行うものが中心です。お客さんとのコミュニケーションが苦でない場合は選択する余地があります。
一方の検品は工場などで不良品がないかをチェックする仕事です。検品対象の重さは製品次第ですが、ずっと立ちっぱなしであるため、動き回る仕事とは別の体力を求められます。
求人広告で「軽作業」が掲載されているときは、どんな仕事内容なのか見極めてから応募するか否かを決めましょう。
清掃員
施設や公園などを清掃する仕事です。こちらも肉体的には楽な仕事で、主婦として培った掃除のスキルが活かされることもあります。
ビルなどの大きな施設でもない限り、2~3時間の仕事になる点もメリットです。立ったりしゃがんだりは多いですが、短時間な分だけ肉体的には辛くありません。1日の内のごく短い時間だけ働きたい人に向いています。
ただし、衛生的でない場所で仕事をする点では楽とはいえないかもしれません。
楽な仕事を見つけるためのポイント
自分が何を「楽だ」と感じるかを明確にする
今回紹介した仕事は、一概に「これが楽な仕事」と言い切ることはできません。誰にとっても楽な仕事であっても自分にとって楽な仕事かどうかは分かりません。
事務職は一般的には楽な仕事といわれていますが、屋内で1日中パソコンに向き合うことを苦手としている人からしてみると楽ではないでしょう。
- 体力的につらくても人とかかわらない仕事が楽
- 社外の人とのやりとりが多くても、座ってできる仕事が良い
このように、楽な仕事の定義は人によってさまざまです。
そこで自分にとって「何が1番我慢できないか」を考え、その条件を満たす仕事を探すことがポイントになります。
優先順位を明確にすることで仕事の選択肢をさほど狭めず、新しい仕事が見つかりやすくなるでしょう。
面接などで労働条件をとことん聞く
同じジャンルの仕事であっても、同じ大変さ・楽さであるとは限りません。職場の労働条件によっても大きく変わります。
入社する前には必ず面接がありますから、「残業時間の目安」「仕事の内容」など、気になる点は徹底して聞いておきましょう。
「印象が悪くなって採用されないのでは……」と心配になるかもしれませんが、入社直後にギャップを感じてすぐに辞めてしまう方が避けるべき事態です。
再雇用であれば勝手知ったる職場ですから問題ありませんが、新しい職場で働くなら面接時あるいは内定の連絡時に不明点や疑問点が残っていれば徹底的に解消するようにします。
内定通知を受け取ったら早期の回答が必要です。面接が終わった直後に疑問点をまとめておくといいでしょう。
経験者の生の声を聞く
シニアが仕事を探す方法として「知り合いがいる会社を紹介される」こともあるでしょう。
実際にその仕事をしている人と交流しているのであれば、仕事について話を聞いてみることも大切です。
仕事の面白さ、大変さを聞くことができれば、いざ働き始めたあとにギャップを感じることは少なくなります。
まとめ
今回は「楽な仕事」の定義と、シニアの男性・女性別におすすめな仕事を紹介しました。
一般的に「楽な仕事」といわれていても、本当に楽だと感じるかどうかは人によっても異なります。あまりに条件を絞りすぎると仕事が見つからないことも考えられるため、まずが「何が1番我慢できないか」を考えて、優先順位をつけて仕事を探すのがポイントです。
長い老後生活を安心して過ごすためにも、後悔しない仕事を選べるようにしていきましょう。

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