- 書き始める年齢に決まりはない
- できるだけ早く始めることが大切
- 目的によって優先して書き残すことを考える
エンディングノートを書こうと思っている方の中で「いつから書き始めようか?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
エンディングノートの必要性は理解していても、ハードルの高さを感じてなかなか始められない方もいるかもしれません。
今後の人生を豊かにする「エンディングノート」は、いつから作り始めるのが良いのでしょうか?
目次
エンディングノートとは
エンディングノートを書く目的
エンディングノートは自分の生死にかかわる出来事や介護・医療が必要になった時に、自分の要望を遺された家族に伝えるための手段です。
病気の種類や進行具合によっては話すことができなくなるなど、意思疎通が不可能になるケースもあります。
そんな時に「介護の対応」「葬儀に関する希望」などを盛り込んだエンディングノートを残しておくことで、自分の希望を伝えられます。
必要性
エンディングノートは自分の意思を伝えるだけでなく、家族の負担を減らすことにもつながります。
相続に関することは「遺言書」が残っていれば希望を使えることができますが、人が亡くなると相続以外にもやることはたくさんあります。葬儀や埋葬の手配、銀行口座やクレジットカード、その他有料サービスの解約などが挙げられます。
たとえば、葬儀の規模はどれくらいにするのか、誰を呼ぶのか、お墓はどうするのかなど決めていないと家族間でも争いの元となります。
また、本人が加入していたインターネット上の有料サービスについて、利用明細が自宅に届かない限り本人以外は利用の実態になかなか気づかず、もう使っていないのに利用料金が引き落とされてしまいます。解約しようにも、ログインIDやパスワードが分からないと解約もできません。
エンディングノートに本人の希望や処分するべきサービスや解約方法を記すことで、家族は戸惑うことなく解約手続きができます。
若者にもエンディングノートの重要性が広まっている
2020年は新型コロナウイルス感染症が世界中に猛威を振るいました。連日世界中で若い世代が新型コロナウイルスで亡くなるニュースが流れることで、若者の間でも「死ぬこと」が身近に感じられるようになっています。
今後も新型コロナウイルスの感染状況は予断を許さないこともあり、若いうちからエンディングノートを作ることは自然なことといえます。
エンディングノート作成はいつから始めても良い
エンディングノートは「〇歳から書き始めるべき」という決まりはありません。
人生100年時代と言われていますが、いつ亡くなるかは誰にも分かりません。いつでも、思い立った時に作り始めれば良いのです。
万が一事故・急病で亡くなってしまうリスクを考えて、推奨できるタイミングは「今すぐ始める」ということになります。
エンディングノートの書き方
エンディングノートを書き始めるときは、まずエンディングノートの種類を決めます。「ノート」とは言われていますが、実際は冊子に書く必要はありません。
一般的には「アナログ」「デジタル」に大別され、それぞれにメリット・デメリットがあります。
アナログはノート1冊あればすぐに始められ、費用がかからない点がメリットです。反面、書き直しの際に消しゴムで消す、あるいはイチから書き始めるといった手間が発生します。下手な字になると重要な情報が伝わらない点はデメリットです。
一方のデジタルは字の綺麗さは関係なく、見直し・書き直しも簡単な点がメリットです。その代わり、PCやスマートフォンにログインできないと発見されないというデメリットもあります。
次に、「何を書くべきか」を決めていきます。
目的によって最低限書くべき内容が変わるため、まずは以下のいずれが目的なのかを決めます。
- 人生の整理をしたい
- 子どもに迷惑をかけたくない
- 自分の資産を有効に活用してほしい
- 身寄りがいないので最期のあり方を示しておきたい
例えば「自分の財産を有効活用してほしい」という希望がある人なら、最低限残すべき内容は以下のとおりです。
- 資産の一覧
- 預金口座
- 有価証券
- 不動産
- 保険
- 貸している/借りているお金
- どの資産を誰に渡したいか
- どのように活用してほしいか
その他の目的別に書くべき内容については以下の記事をご覧ください。
エンディングノートを書くメリット
自分の思い・メッセージを伝えられる
死ぬ前に家族や友人に感謝の気持ちを伝えたいというのは人間の自然な思いでしょう。大病・大事故に遭い、生存しても話せなくなる可能性は否定できません。
エンディングノートに書き綴ることで、感謝の気持ちを伝えることができます。
自分の人生を振り返って整理できる
どんな人生を過ごしてきたのか、エンディングノートにまとめることで振り返りができます。
単純に自分が亡くなったあとの後始末のためだけでなく、今までの人生を振り返ることで充実した余生を過ごすためのキッカケにもつながるのです。
エンディングノートを書く時の注意点
法的効力はない
相続について書き記す「遺言書」は、正しく書いてある場合、法的に拘束力があります。遺留分(最低限保障された相続分)さえカバーできれば法定相続分を変更して相続人の相続財産を指定することも可能です。
一方のエンディングノートには法的拘束力はありません。書き記す内容はあくまでも「希望」です。意思を強制させることはできません。
エンディングノートに遺言を書いたとしても有効にはならないため、遺産相続が「争続」になる可能性が高い場合には、法的拘束力がある遺言書の作成をおすすめします。
公的に保管する仕組みがない
たとえば公正証書遺言は、公証役場で保管することで遺言者が死亡した際に確実に遺志を伝えることができます。
対するエンディングノートは公的な保管場所はありません。亡くなる又は意思疎通ができなくなった後に発見できないと意味がありません。
「家族には事前に保管場所を伝えておくこと」「決めた保管場所を安易に変更しないこと」が求められます。
デジタルと紙の両方で残す
最近はデジタル形式によってパソコンで保管するエンディングノートも多数登場しています。
しかし、パソコンの起動画面に表示されるID・パスワードを知っていないと意味がありません。ログインしてもファイルが見つからなかったり、故障してパソコンが立ち上がらなかったりと、デジタルならではの欠点もあります。
手書きのエンディングノートを別で用意しておくと、家族に読まれないままになるリスクを軽減できるでしょう。
全ての内容を埋めようとしなくても良い
エンディングノートはいきなり完成させる必要はありません。全ての内容を埋めるには非常に手間と時間がかかります。
さらにデジタルサービスのIDやパスワードは頻繁に変更になることもあり、「伝えるのが必要なサービス」以外は解約してから書き始めても遅くはありません。
無理に完成させることを意識すると、悩んだまま書けないことも考えられます。まずは意識せず、気軽に書き始めることが大切です。
状況が変わったら書き直す
エンディングノートは一度書いたら終わりではありません。
家庭環境や財産の状況、生活スタイルの変化でエンディングノートの内容も自然と変化します。
例えばネット証券やネット銀行口座のログインIDやパスワードは、セキュリティの観点から定期的に変更が推奨されます。
ID・パスワードを変更したらエンディングノートの内容も変更しておかないと、せっかくエンディングノートが遺族に渡っても手続きができなくなります。
おすすめのエンディングノート
アプリのエンディングノート
エンディングノートは手書きの形式が一般的でしたが、今はスマートフォンの発達によってアプリのエンディングノートが多数登場しています。
スマホ画面上でダウンロードすれば簡単に始めることができるほか、隙間時間に少しずつ書きたいと思った時に自由に書けるのがメリットです。
自分のスマートフォンに保管しておけば、紛失する心配も少なく済みます。
以下の記事ではアプリ形式のおすすめエンディングノートを紹介しています。アプリ形式のエンディングノートが気になる方はぜひご覧ください。
Excel版のエンディングノート
人によってはスマートフォンの使い方に慣れていないという人もいるかもしれません。
会社員・公務員など、仕事でMicrosoftの「Excel」を使っていた人にはExcelのエンディングノートが使い勝手がよくおすすめです。
Golden Yearsでは、当サイト編集部が作成したオリジナルのExcel版エンディングノートを500円(税込)で配布しています。
サイトをよりよくするための簡単なアンケートがありますが、1分程度で終了します。記入されたメールアドレス宛にエンディングノートが届く流れです。
以下の記事で、Excel版エンディングノートをダウンロードして頂けます。
まとめ
エンディングノートを書き始める年齢に決まりはありません。書き始めようと思ったときが始め時です。
ただし、人生100年時代といっても次の瞬間に何が起こるかは誰にも分かりません。急病や事故で若いうちに亡くなることは十分に考えられます。エンディングノートがないと、自分の遺志を伝えることができなくなります。
できるだけ早く書き始め、少しずつ書き足して完成を目指しましょう。

GoldenYearsでは、充実したセカンドライフを送るためのサポートを行っております。
終活カウンセラーやエンドオブライフケアなど専門知識を持ったプロフェッショナルチームへの相談が可能です。少しでもわからないことがあれば、ご気軽に以下お問い合わせフォームよりご連絡ください(無料)。
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