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高齢者が安心して暮らせる施設11種類を一覧で紹介|それぞれの違いと選び方

内廊下から見るリビング

この記事を書いた人
杉田 Sugita
杉田 Sugita
ライター

IT企業に勤務しながら、ライターとしても活躍中。実父の認知症発症と義母の看取り経験から、介護と終活の重要性に気付き、GoldenYears、その他メディアにて啓蒙活動を行い、幅広い読者に終活の知識を提供している。中小企業の経理や社会保険事務全般に習熟しているため、保険や年金などの分野を得意とする。1969年生まれ。 ▼保有資格 認知症サポーター 終活カウンセラー2級

この記事のサマリ
  • 高齢者施設は11種類ある(一覧で確認)
  • 高齢者施設には種類により違いがある(入居条件・介護や認知症対応・費用など)
  • 高齢者施設を選ぶときには現在の状況と長期的な可能性を予測をする
  • 高齢者の状況に合わせて将来的には住み替えもあり

高齢者が自宅以外で生活する、いわゆる高齢者施設にはいろいろな種類があります。

大事な家族を高齢者施設に預けようと思ったとき、あるいは高齢者自身がこれからの住まいを考えようとするときには、どんな高齢者施設を選べば良いのでしょうか。

今回は高齢者施設11種類を一覧で紹介しながら、それぞれの違いや選び方について解説します。

高齢者施設11種類を一覧で紹介

いくつも並んだドア

まずは11種類の高齢者施設を一覧で紹介します。

シニア向け分譲マンション バリアフリーやコンシェルジュの設置により高齢者に住みやすい設備・サービスを備えた分譲マンション。介護サービス提供が含まれる物件は介護付きマンションとも呼ばれる
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) バリアフリーで設計され、安否確認や生活相談など高齢者の生活を支援するサービスを備えた賃貸住宅
自立型有料老人ホーム 自立した生活が送れ、介護を必要としない高齢者のための老人ホーム。健康型有料老人ホームとも呼ばれる
住宅型有料老人ホーム 掃除や洗濯・食事の提供、軽度の介護サービスなどを自由に組み合わせて利用できる老人ホーム
介護付有料老人ホーム 24時間介護スタッフが常駐し、生活援助に加えて入浴などの介助サービスが受けられる老人ホーム
養護老人ホーム 身体的・精神的・環境的・経済的な理由により自宅で生活できない高齢者を受け入れて社会復帰を目指す入所施設
特別養護老人ホーム(特養) 寝たきりや認知症など、介護度が高い高齢者のみが入所できる公的施設。介護保険施設のひとつ
介護老人保健施設(老健) 病気回復後に医療ケアとリハビリを受け、在宅復帰をめざすための短期入所を基本とした公的施設。介護保険施設のひとつ
グループホーム 認知症の高齢者が少人数で共同生活を行う施設。施設のある市区町村に住民票がある高齢者しか入所できない
ケアハウス 自立した生活が行えず、家族からの支援が難しい高齢者が比較的安価な費用で入所できる老人ホーム。軽費老人ホームとも呼ばれる
介護医療院 長期にわたる療養が必要な要介護者のための療養施設。介護保険施設のひとつ

高齢者施設それぞれの違い

ソファーのあるリビングルーム

上記で11種類の高齢者施設それぞれの特徴をざっくりと確認した後は、それぞれの高齢者施設の具体的な違いを見ていきましょう。

公営と民間の違い

高齢者施設の運営母体は、国や自治体などが運営する「公営」と、NPO法人や企業が運営する「民間」にわかれます。

《公営の高齢者施設》
・養護老人ホーム
・特別養護老人ホーム(特養)
・介護老人保健施設(老健)
・ケアハウス
・介護医療院

 

《民間の高齢者施設》
・シニア向け分譲マンション
・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
・自立型有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・介護付有料老人ホーム
・グループホーム

特別養護老人ホームと介護老人保健施設については、以下の記事で詳しく紹介しています。

介護施設で車いすに乗る高齢者 介護老人福祉施設(特養)とは|利用方法と申込方法・待機者数まとめ 介護施設 介護老人保健施設とは【どんな施設?】特徴と入所条件、メリットを解説

分譲と賃貸の違い

高齢者施設11種類の中では、高齢者や家族が物件を購入(分譲)する施設はシニア向け分譲マンションだけです。それ以外の高齢者施設は賃貸あるいは入所となります。

シニア向け分譲マンションについては以下の記事も参考にしてください。

介護 マンション 介護付きマンションとは|メリット・デメリットや他施設との違いを解説

入居条件の違い

高齢者の要介護度により、入れる高齢者施設と入れない高齢者施設があります。

高齢者の要介護度による入居条件の違いを一覧にまとめました。

シニア向け分譲マンション 入居条件なし(契約者は条件あり)
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) いずれも対応(施設による)
自立型有料老人ホーム 自立のみ
住宅型有料老人ホーム いずれも対応(施設による)
介護付有料老人ホーム 要介護1~5
養護老人ホーム 自立~要支援1,2
特別養護老人ホーム(特養) 要介護3~5
介護老人保健施設(老健) 自立~要介護5
グループホーム 要支援2・要介護1~5の認知症発症者
ケアハウス 自立・要支援1,2(施設による)
介護医療院 要介護1~5の療養者

認知症ケアの違い

高齢者が認知症を発症したときに、適切なケアや生活支援が提供されない高齢者施設では安全な生活が送れません。

認知症を発症した高齢者のケアができる高齢者施設は以下の3種類です。

《認知症ケアが提供可能な高齢者施設》
・介護付有料老人ホーム
・特別養護老人ホーム(特養)
・グループホーム

上記以外の高齢者施設でも、認知症の進行度合いにより受け入れ可能な施設があります。

詳しくはそれぞれの高齢者施設にお問い合わせください。

認知症については以下の記事でも詳しく解説しています。

認知症のイメージ 認知症とは何かを知っていますか|認知症について基本からきちんと解説

看取りの可否の違い

高齢者施設に入居した後に健康状態が悪化し、施設で亡くなる可能性があります。

死期が迫った高齢者を最期までケアし、看取りまでしてくれる高齢者施設は主に以下の4種類です。

《看取りが可能な高齢者施設》
・介護付有料老人ホーム
・特別養護老人ホーム(特養)
・介護老人保健施設(老健)
・介護医療院

上記の看取り可能な高齢者施設で生活していた方でも、病気により生命の危機に陥ったときには病院に搬送され、病院で亡くなるケースもあり得ますので、すべての高齢者が上記の施設で最期を迎えられるとは限りません。

看取りが必要となる、死期が迫った状態とはどのような状態かを知っておきたい方は、以下の記事を参考にしてください。

死期が近いのかなと思ったら|死期が近い人の10の特徴と最期まで家族にできること

初期費用・月額費用の違い

高齢者施設の中には、初期費用がかかる施設とかからない施設があります。

また種類により月額費用にも大きな差があります。

一般的にかかる費用を以下の一覧にまとめました。地域や個々の施設により差がありますので、あくまでも概算としてご覧ください。

種類 初期費用 月額費用
シニア向け分譲マンション 数千~数億円 0円(管理費別)
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) 0~100万円 15~30万円
自立型有料老人ホーム 数百~数千万円 15~50万円
住宅型有料老人ホーム 0~100万円 15~30万円
介護付有料老人ホーム 0~数百万円 15~30万円
養護老人ホーム 0円 0~14万円
特別養護老人ホーム(特養) 0円 5~10万円
介護老人保健施設(老健) 0円 8~15万円
グループホーム 0~30万円 10~20万円
ケアハウス 0~30万円 5~10万円
介護医療院 0円 8~15万円

高齢者施設の選び方

住宅のアイコンを押す指

自分や家族の高齢者施設への入居を検討する際には、いろいろな種類がある高齢者施設の中からどうやって選べば良いのでしょうか。

ここからは高齢者施設の選ぶときのポイントをご説明します。

入居時点での自立度に応じた施設か

まずは入居する時点で、入居する人がどのくらい自立した生活を営めているかを考え候補の高齢者施設を絞り込みましょう。

いくら良い施設だとしても、要介護度の高い高齢者ばかりの施設に元気な方が入居したら、かえって自立のさまたげになります。

高齢者の自立度を図る指針については以下の記事が参考になります。

健康管理 「日常生活自立度」とは?判定基準と活用方法を解説

適切な医療・介護が受けられる施設か

入居した時点では元気だった高齢者も、その後生活が進むにつれて自立度が下がり、介護が必要になってくる可能性があります。

また、高齢者はいつ健康を害するかわかりません。

将来的に医療や介護が必要となったときに、適切な医療サービスや介護サービスが受けられる体制になっているか確認しておきましょう。

認知症でも生活できる施設か

高齢者は病気のリスクだけでなく、認知症のリスクも増大します。

認知症になったからといって退去をうながす高齢者施設はほとんどありませんが、自立型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などは基本的に介護を必要としない方向けの高齢者施設なため、認知症になった方が生活しづらくなる可能性があります。

認知症と診断された後、どの程度まで施設で生活できるかを調べた上で選びましょう。

長期間継続して費用が支払える施設か

高齢者施設に入居した後、長ければ10年以上その施設で暮らす可能性があります。

その間ずっと入居費用を支払い続けることになりますので、継続的に費用が払い続けられるか、長期的なシミュレーションが必要です。

いろいろな施設を見学して比較する

本記事では11種類の高齢者施設についていろいろな比較をしましたが、実際にはそれぞれの高齢者施設ごとに各種の対応やサービス内容、費用が異なります。

より満足のいく高齢者施設を見つけるためには、数多くの高齢者施設を実地検分して選ぶ目を養っていかなければいけません。

今回の記事で高齢者施設の種類をおおまかに絞り込んだら、できるだけ多くの施設を見学し、実際のところを確かめて選ぶようにしましょう。

高齢者の状態に合わせた住み替えも視野に

家を出ていくカエルの人形

今回ご紹介した高齢者施設11種類には、それぞれ向き・不向きやメリット・デメリットがあります。

また、住み続けるにつれ高齢者の状態も変化してきます。入居時点では望ましかった生活環境が、状態の変化により適切でなくなってくるかもしれません。

そのため高齢者施設は「入ったら終わり」ではなく、将来的な住み替えも視野に入れた住まい選びを考えましょう。

まとめ

今回は高齢者施設11種類を一覧で紹介し、それぞれの違いと高齢者施設の選び方を解説しました。

住まいは生活の拠点です。高齢者が幸せに余生を送るために、その方にとって一番良いと思われる高齢者施設を選びましょう。


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