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70代の年金暮らしはどう過ごす?人気ブログや動画で生き方を学ぼう

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高柳政道 Takayanagi Masamichi
高柳政道 Takayanagi Masamichi
ライター

生協の売り場責任者と保険推進リーダー、その後、メーカー営業として勤務。自身の老後資金不足への危機感からお金の勉強を開始。FP資格を取得した後、得た知識を周囲に還元するためにWebライター・コラムニストとして独立。1級ファイナンシャル・プランニング技能士とCFPの資格を保有し、「終活」「相続」「保険」「投資(iDeco・NISA)」などの分野に精通。老後に安心して暮らすための知識とノウハウに関して、豊富な執筆実績あり。 ▼保有資格 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R) DCプランナー2級

この記事のサマリ

  • 70代の厚生年金の受給額は月約15万円
  • 高齢夫婦2人世帯の場合、20年で400万円以上が不足する恐れがある
  • 節約で支出を抑える工夫を身につけることが大切

老後の生活を支えるお金として、「現役世代の貯金」や「退職金」のほか、65歳から支給される「年金」があります。貯金や退職金が乏しい場合、年金だけで生活費をまかなうようにしなければいけません。

では、年金だけで生活することは本当に可能なのでしょうか?

本記事では、年金の受給額を含めた老後の可処分所得と支出を比較して、年金だけで生活できるのかについて紹介します。

年金生活の参考になる節約ブログや動画も紹介しているので、年金生活に不安のある方はぜひ読み進めてみて下さい。

年金暮らしの70代はどんな生活を送っている?

年金 計算

70代の収入の柱になるのは、「国民年金(老齢基礎年金)」と「老齢厚生年金」です。

受給額は個人ごとに異なりますが、平均でどれくらいの収入を得られるのでしょうか?

「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータから、70代の年金受給の平均額について見ていきましょう。

70代ひとり暮らしの国民年金の平均受給額

70代の国民年金(老齢基礎年金)の受給額を平均は以下の通りになりました。

年金受給者の年齢 老齢基礎年金の平均受給額
70歳 57,234円
71歳 57,153円
72歳 57,066円
73歳 56,874円
74歳 56,675円
75歳 56,235円
76歳 56,204円
77歳 55,881円
78歳 55,651円
79歳 55,525円
参考 令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況厚生労働省

国民年金の受給額は年齢ごとの差異もほとんどなく、月あたり55,000円~57,000円という結果になりました。

会社員として長く働いた方は厚生年金も含めて受給できますが、自営業だったり専業主婦だったりした場合は月5万円程度しか受け取れない場合があります。

70代ひとり暮らしの厚生年金の平均受給額

70代の老齢厚生年金の受給額の平均は以下のとおりです。

年金受給者の年齢 老齢基礎年金の平均受給額
70歳 143,775円
71歳 147,105円
72歳 146,331円
73歳 145,724円
74歳 145,467円
75歳 147,519円
76歳 148,172円
77歳 149,924円
78歳 152,159円
79歳 154,467円
参考 令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況厚生労働省

こちらは年齢が上がるごとに平均して高い金額を受給しており、その差異は70歳と79歳で10,692円にもなります。

これから厚生年金を受け取る世代の場合、今の70歳よりもさらに受給額が減るという可能性もあるので注意が必要です。

いかに年金だけで生活資金の大半をカバーできるかが、老後の大きな課題になるでしょう。

70代のひとり暮らしはどのくらい増えたのか

ひとり暮らしでは配偶者の年金が期待できず、自分の年金だけで暮らしていくことになります。2人で生活できる世帯と比較して、ますます老後資金について深く考える必要があるでしょう。

実際、ここ数十年で70代の1人暮らしが増加しており、決して他人事ではありません。

内閣府「男女共同参画白書 令和4年版」によれば、70~79歳男性の単独世帯数は1980年には約98,000世帯でしたが、2020年には1,069,000世帯まで増加しています。

70~79歳女性では1980年に約340,000世帯でしたが、2020年には1,823,000世帯にまで増えてしまいました。

70代の方が単独世帯になった理由としては、「60代での死別」の割合が多くなっています

参考 男女共同参画白書 令和4年版内閣府

昔は親・子・孫、三世代が1つの住宅に住むのが当たり前の姿でしたが、現代では核家族化が進み、成人した男女は実家を出て暮らす方が少なくありません。

その結果、若くして配偶者と死別した方が1人暮らしをしていると考えられます。

70代の年金暮らしにはどれだけのお金が必要か?

円マーク ハテナ

70代の年金暮らしでは具体的にどれくらいのお金が必要で、年金収入だけではどれくらいの金額が不足するのでしょうか?

収入から税金や社会保険料などを除いた所得で、自由に使える手取り収入である「可処分所得」と、実際に必要な生活費から、不足する金額を公的資料「2021年(令和3年)家計収支の概況」を使って解説します。

参考 2021年(令和3年)家計収支の概況総務省

夫婦二人の無職世帯家計収支

2021年(令和3年)家計収支の概況によれば、実収入は236,576円、税金や健康保険料控除後の可処分所得(手取り収入)は205,911円でした。

一方の消費支出は224,436円であり、月に18,525円が不足する計算です。

60歳以上単身の無職世帯家計収支

実収入は135,345円。税金や健康保険料控除後の可処分所得は123,074円でした。

一方の消費支出は132,476円であり、生活費の月額不足分は9,402円です。

年金額はいくら不足するのか

前述した不足額が毎年発生すると仮定して、年金の不足額を計算してみましょう。

厚生労働省は2022年7月29日に発表した最近の平均寿命は男性で81.47歳、女性は87.57歳で過去最高を記録しています。

あいだをとって85歳まで生きると考えると、65歳から年金を20年間受け取り続けることになります。

平均余命20年と仮定した、生涯の不足額は以下のとおりです。

  • 夫婦世帯の不足額:18,525円×12ヶ月×20年=4,446,000円
  • 単身世帯の不足額:9,402円×12ヶ月×20年=2,256,480円

ただし、年金収入は厚生年金を受け取ることを想定した数字です。よって、若いときから自営業をしていた方など老齢基礎年金しか受け取れない場合、不足額はさらに大きくなってしまいます。

老後にお金の心配をせずに暮らすためには現役世代そのままの生活ではなく、「収入を増やす」「支出を減らす」など、何かしらの工夫が必要です。

70代の年金暮らしを知るメディアを紹介

パソコン スマホ

年金だけで生活する場合、節約をはじめとして何らかの対策が必要ということが分かりました。

そこで、ここでは現在70代の男女が節約レシピや等身大の生活風景を紹介しているブログや動画を紹介します。

老後の節約生活の参考にご活用ください。

ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

「ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫」は、ひとりシニアとして暮らしている「紫苑」さんが運営するブログです。

紫苑さんは現役時代にフリーで仕事をしていたこともあって、月5万円の年金をベースに生活をされています。

「少ない年金をやりくりして快適な暮らしを模索します。」という自己紹介のとおり、「食材を長持ちさせる保存の方法」「なにもないときのランチ」など、節約生活に役立つレシピが紹介されています。

ほかにもシニアの住まいやおしゃれに関する情報も発信しており、女性の1人暮らしの風景を見ることができます。

参考 ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫gooブログ

年金暮らしの食卓 70代シニアの生活 節約レシピ

「年金暮らしの食卓 70代シニアの生活 節約レシピ」は、首都圏在住の70代女性が運営する節約ブログです。

野菜が多く、薄味ヘルシーな和食献立が紹介されています。

単品だけでなく1週間の献立がまとめて紹介されるので、献立に悩むシニアの参考として利用できるでしょう。

YouTubeで動画も配信しているほか、「外出の記録」「ハンドメイド」などの関連ブログも運営しています。

参考 年金暮らしの食卓 70代シニアの生活 節約レシピHATENA Blog

低年金おばちゃまの日々是好日

「低年金おばちゃまの日々是好日」は、登録者4万7,000人を誇る人気のYouTubeチャンネルです。

生ごみをコンポストに入れて肥料に変え、そこから作った野菜を食べて残りは再びコンポストへ。といったように、75歳とは思えないバイタリティーあふれる企画を見ることができます。

朝ご飯やランチの紹介やベランダの再生動画など「食」「住」に関してさまざまな情報が得られる動画ばかりです。

参考 低年金おばちゃまの日々是好日YouTube

ここまで、さまざまなメディアで人気を博している節約系のブログ・動画を紹介してきました。節約できるのは食事だけではなく、交通費も同様です。

以下の記事ではシニア旅行に使える割引を一覧で紹介しています。節約しつつも老後を楽しみたい方はぜひ参考にしてみてください。

割引 【2023年最新】シニア旅行で使える割引を一挙紹介

まとめ

公的データを見てみると、国民年金(老齢基礎年金)の平均は月約55,000円、老齢厚生年金は約15万円でした。

ただ、可処分所得と支出の関係を見ると1人あたり月約1万円前後が不足する状態であることも事実のようです。老後にお金の心配をしなくても良いようにするには、収入を増やしたり支出を減らしたりする工夫が欠かせません。

今回紹介したブログや動画も参考に、老後の節約生活について考えてみてはいかがでしょうか。


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