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納骨堂とは|選び方のポイントとおすすめの寺院を解説

納骨堂

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高柳政道 Takayanagi Masamichi
高柳政道 Takayanagi Masamichi
ライター

生協の売り場責任者と保険推進リーダー、その後、メーカー営業として勤務。自身の老後資金不足への危機感からお金の勉強を開始。FP資格を取得した後、得た知識を周囲に還元するためにWebライター・コラムニストとして独立。1級ファイナンシャル・プランニング技能士とCFPの資格を保有し、「終活」「相続」「保険」「投資(iDeco・NISA)」などの分野に精通。老後に安心して暮らすための知識とノウハウに関して、豊富な執筆実績あり。 ▼保有資格 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R) DCプランナー2級

この記事のサマリ
  • 遺骨を収蔵する屋内型の施設が「納骨堂」
  • 仏壇型・自動搬送型・ロッカー型といった形式から納骨方法を決める
  • 駅からのアクセスが良く、気軽にお参りできるのがメリット

これまでのお墓というのは「先祖代々の墓を子孫が守る」という考え方で管理されるのが一般的でした。しかし近年では価値観の多様化や少子化の進行により、「子供に負担をかけたくない・・・」と考える人も増えています。

そこで注目されているのが「納骨堂」「樹木葬」「海洋散骨」といった新しい価値観にもとづく埋葬方法です。

今回は納骨堂の特徴おすすめの施設を3つご紹介します。

納骨堂とは

納骨堂とは

納骨堂とは、個人や夫婦、家族といった単位で遺骨を収蔵しておける「収骨場所」のことです。

遺骨を土に還すことをせず、骨壺のまま収蔵するのが特徴で、一般的なお墓が一戸建てだとすれば、納骨堂はマンションやアパートに該当します。

納骨堂の起源は意外と古く、奈良時代にまでさかのぼります。奈良時代の貴族や豪族は、親族の遺体を「霊廟」と呼ばれる納骨堂に安置していました。当時は土葬が主流で、霊廟に安置するのは上流階級にのみ許されたシステムでした。

また、地域によっては昔から「合祀(多くのお骨を一緒に祀ること)」が行われており、それらの地域では寺院に納骨堂が設置されていました。庶民はそこを利用して遺骨を納めていたようです。

近代になって納骨堂が注目されるようになったのは、「関東大震災」が要因です。

震災によって、いわゆる無縁仏が大量に発生したことで、都内各所に納骨堂が設置され、そこで引き取り手のいないお骨を受け入れるようになりました。それ以降、納骨堂が徐々に普及していきました。

現代のスタイルが確立したのは、昭和後期以降のことです。

昭和から平成にかけて、核家族化や少子化が進み、家のお墓を子孫が守っていくというスタイルを貫けない家庭がでてきました。この時代の流れに合わせるように、それまで「無縁仏」の置き場だった納骨堂は、遺族が心をこめて供養できるようなスタイルに変貌していきました。

室内に収納スペースが設けられている

納骨堂は室内に設置されており、天候に関係なくお参りが可能です。一見するとお骨が安置されているとは思えないほどスタイリッシュな施設もあり、バリアフリー化されていたり、エレベーター、空調が完備されている施設も増えています。

一方、お墓は寺院や墓地が山のふもとにあることが珍しくなく、急な階段や坂を登らないといけないこともあるでしょう。

ご年配の方にとって、簡単にお参りできるものではありません。

納骨堂であれば、市街地や平らな土地にもあるので、足腰に不安があっても気楽にお参りができます。

遺骨を収蔵する期間を選択する

納骨堂では、申し込みをする際に利用期間を選択する場合がほとんどです。

利用プランは「33年」が基本ですが、場所によっては3年や13年を選択できる場合もあります。

期間を過ぎれば合祀される|無縁仏になる心配は無用

申し込みの時に選択した利用期間が過ぎてしまった場合も、「解約になって追い出されてしまうのでは・・・」という心配は無用です。

設定された回忌法要の期間が過ぎた後は、他人の骨と一緒に共同のお墓で埋葬する「合祀(ごうし)」が行われます。

無縁仏になってしまう心配をしている方こそ、納骨堂は有力な選択肢になるでしょう。

お墓掃除や管理の手間がかからない

納骨堂は、建物の中の施設です。お墓のように外で雨や風にさらされることはありません。汚れることも少なくなり、掃除の手間も最低限で済みます。

空調が効いた部屋で快適なお参りができる

8月のお盆はもちろん、9月の彼岸も昼間は暑く、外での墓参りは大変です。

室内にある納骨堂なら、冷暖房などの空調が完備されています。外がカンカン照りでも気にせずに、ゆっくりとお参りすることができるでしょう。

永代供養との違い

違い

納骨堂を検討している時に、「永代供養と何が違うのか?」と疑問に感じる人もいるのではないでしょうか?

そもそも、これらは根本的な部分が異なります。納骨堂は、お墓の種類のことです。

一方の永代供養はお墓の管理形態を指します。「継承者がいなくなった場合でも、管理者が引き続き供養してくれること」です。

納骨堂は設定された期間が過ぎれば合祀され、そのあともずっと供養をしてくれます。そのため、納骨堂には「永代供養」のシステムが組み込まれていると言えます。

納骨堂がおすすめな人

以下のような悩みを抱えている方は納骨堂も検討してみましょう。

  • お墓を継承してくれる人がいない
  • 普通のお墓ではお布施が高い
  • 交通の便が良い場所でお参りしたい

従来のお墓は駅から離れた地域や山のふもとに霊園があることも珍しくありません。

若いうちや家族がいれば問題ないかもしれませんが、年を重ねてから一人で公共交通機関を使ってお参りするのは大変です。

一方の納骨堂は省スペースで利用できる特性から、駅前に設置されることが多いのが特徴です。バリアフリー化も進んでいるため、足腰に不安がある高齢の方でもアクセスしやすくなっています。

納骨堂のタイプ

タイプ

納骨堂のタイプは大きく分けて以下の3タイプがあります。

  • ロッカー型
  • 仏壇型
  • 自動搬送型

ロッカー型

ロッカー型は、文字通りロッカーのような形の納骨壇に遺骨を納める形式です。

メリットは何と言っても「費用が安い」ことでしょう。専有スペースが少ないため、費用を安く抑えることが可能です。

ロッカー型と言われると駅前のコインロッカーをイメージする人が多く、実際にそういった簡素な見た目がほとんどだったのも事実です。

しかし現在ではデザインにも注力しはじめているため、必ずしもロッカー型=質素ということはありません。仏壇のように漆塗りされた、高級感のあるロッカー型の納骨壇も増えています。

仏壇型

いくつかある納骨壇のスタイルのうち、仏壇型はもっとも広いスペースが設けられる形式です。見た目は自宅の仏壇をイメージすると分かりやすいでしょう。

仏壇型は納骨壇が2段に分かれており、上段に仏壇、下段に遺骨を収納します。

花や遺影写真を置くスペースもキチンと用意されているため、心を込めてお参りしたい人に選ばれています。

一方でスペースを必要とするため、ほかのスタイルよりもコストがかかることは理解しておきましょう。

自動搬送型

東京などの土地が狭い・地価が高い地域で人気がある方式です。普段は収納庫に保管されている遺骨が、ICカードを通すことで自動的に搬送されてくるのが自動搬送型です。納骨堂らしい厳かな雰囲気よりも、利便性に特化した方式です。

1つ1つの収骨に場所を取られないため、1つの施設には数百、数千の遺骨が収蔵されています。

狭い土地でも運用可能なため、駅近くのビルに設置されます。

駅からの利便性が良いため、交通アクセスや利便性が良い納骨堂を希望する人に選ばれています。

納骨堂の費用

費用

納骨堂で発生する料金は、「永代供養料」と「管理費」の2つです。

永代供養料は寺院や業者によって異なるほか、納骨堂のスタイルによっても変わります。ロッカー方式や自動搬送式は比較的安価であり、反対に仏壇方式を選ぶ場合は費用が高くなります。

管理費は1年ごとに支払うものと一括で払うものの2種類があります。一括払いであれば子供たちに負担をかけることがないため、自分の代で支払いを終わらせたい方に向いています。

また最近では、年間管理費不要の納骨堂も一部で登場しています。

納骨堂選びのポイント

納骨堂選びのポイントは以下のとおりです。

最寄駅からのアクセス

まずは、自宅からのアクセスが良いかどうかを確認しましょう。JRや都営地下鉄などの主要駅から徒歩10分程度で着くことができれば、毎回のお墓参りも簡単です。

しかし、中には主要駅から離れている場合もあります。

ずっとお参りすることになる納骨堂ですから、自宅からのアクセスも考慮にいれて検討しましょう。

宗教や宗派関係なく利用できるか

仏教といっても、曹洞宗や臨済宗など多くの「宗派」に分かれています。あるいは、神道やキリスト教など仏教以外の宗教を信仰しているご家庭もあるでしょう。

納骨堂を選ぶ際、「どんな宗教や宗派でも受け入れてくれるか」は必ず確認してください。

基本的には受け入れてくれる寺院が大半ですが、中には同じ宗派の人しか受け入れてくれないところもあります。

納骨費用と年間管理費

納骨堂の予算は、選ぶ納骨スタイルによってさまざまです。30万円くらいでできるところもあれば、高いところでは100万円を超えることも珍しくありません。

特に仏壇型の場合、スペースを広くとることから費用が多くかかることが一般的です。

合祀されるまでの期間

納骨してから一定期間が過ぎれば、共同のお墓へ合祀されるのが納骨堂の特徴です。

33年を基本とする寺院が多いですが、それ以外の年数の取り扱いについては寺院ごとに異なります。希望する期間が用意されているかは必ず確認しましょう。

納骨できるお骨の数

何人まで遺骨を収骨できるのかも大切なポイントです。たとえば夫婦用の場合は2人分の遺骨しか収骨できず、そのあとに追加することはできません。

家族用であっても収骨できる人数は寺院ごとに異なるため、希望する人数が収骨できるかは最初に確認しましょう。

東京でおすすめの納骨堂3選

東京 納骨堂

東京でおすすめの納骨堂を編集部で選んでみました。

満照山 眞敬寺 蔵前陵苑

都営浅草線・蔵前駅、東京メトロ銀座線・田原駅など4路線4駅から徒歩圏内にある好立地の納骨堂です。

江戸の香りが漂う蔵前は浅草や東京スカイツリー等の人気スポットにも近く、都心の一角とは思えない落ち着いた雰囲気の中でお参りが可能です。

納骨堂は自動搬送式を採用しており、ICカード1枚でいつでも気軽に訪れることができます。

お花やお香は備え付けられており、天候も気にせずに手ぶらでお参りできるのも特徴です。バリアフリーの施設内は歩きやすく、どなたでも安心して利用できるでしょう。

墓参室は3Fと6Fの2つに分かれており、3Fを使うベーシックタイプは85万円(年間護持会費=12,000円)、天空ラウンジが併設されている特別仕様の6Fは98万円(年間護持会費13,000円)です。

本駒込陵苑

2019年1月に誕生した永代供養付き・自動搬送式の納骨堂です。葬儀・法要・会食もできる「客殿」「法要室」が同一の建物内にあるオールインワンの造りをしています。

東京メトロ南北線・本駒込駅、都営三田線・白山駅、東京メトロ千代田線・千駄木駅からそれぞれ徒歩圏内というアクセスの良さが自慢です。

申し込みにあたって宗旨・宗派は不問で、檀家の加入を強制されることもありません。万が一後継者がいなくなっても、合祀して永代供養が可能です。

お墓の引越し(墓じまい・改葬)を検討している人向けに無料セミナーを開催しているため、気になる方は参加してみることをおすすめします。

全14室で異なる花や木のモチーフで彩られた華やかな礼拝室が設置された「花鳥風月」で80万(年間護持会費12,000円)、全14室異なる和柄をモチーフに金・銀で彩られた特別な空間「飛龍祥雲」で99万円(年間護持会費12,000円)です。

新宿 瑠璃光院 白蓮華堂

JR・新宿駅南口から徒歩3分という抜群の立地の良さが自慢の納骨堂です。「白蓮華のつぼみが今まさに開かんとする形」をイメージした寺院の外観と内装が特徴で、電柱やケーブルが全て地下に埋められて作られた石畳の参道が目を引きます。フラットな空間で障害物もなく、年齢を問わず歩きやすくなっています。

お墓を継承する親族がいなくなる場合、阿弥陀如来像を安置する台座である本堂の須弥壇のなかに真骨(遺骨の一部)を納める形で合祀されます。

永代供養形式の「室内墓」と呼ばれる形式で、部屋の中に小さなお墓を用意しているのが特徴です。

一人分の遺骨を納める「パーソナル」は100万円、夫婦二人分の遺骨を納める「パートナー」で120万円(いずれも年間管理費12,000円)、家族単位のファミリータイプは200万円(年間管理費20,000円)と3つのタイプから料金を選択できます。

また、生前にお墓を立てる「寿陵」を検討する場合、寺院側が規定する期間は年間管理費が不要になる新プランも登場しています。

まとめ

今回は、納骨堂の特徴とおすすめの納骨堂を3つ解説しました。

納骨堂は子孫に負担をかけたくないとお考えの方、年を重ねて遠くのお墓参りが大変になってきた方におすすめです。

空調管理された室内でゆっくりとお参りいただけます。

資料請求や無料のセミナーに参加して情報を集め、ご自身にピッタリの納骨堂を探してみて下さい。


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