【Excel版】エンディングノート(終活ノート)

介護ストレスの原因と「頑張りすぎない介護」のための6つの対処法

この記事のサマリ
  • 介護ストレスの原因は精神的・肉体的・経済的の3種類
  • それぞれの介護ストレスを軽減できる方法がある
  • ストレスの少ない介護生活を送るには「頑張りすぎない介護」が大切

家族の介護をしている人の多くがストレスを感じています。

介護ストレスが大きくなりすぎ、また発散する場所も見つけられないでいると、介護うつや介護殺人、心中などの事態にまで発展する危険性も考えられます。

介護ストレスを深刻な事態にまで発展させないためにはどのような対処をすれば良いのでしょうか。

今回は介護ストレスの原因と対処法について解説します。

介護ストレスの原因を知ろう

憂鬱な表情の女性

介護ストレスの対処法を知るためには、まず「何が」ストレスの原因なのかを見極める必要があります。

多くの人が感じている介護ストレスの原因は以下の3つに大別できます。

  1. 精神的な疲労
  2. 肉体的な疲労
  3. 経済的な困窮

実際には介護ストレスの原因は1つだけでなく複数の要因がからみあっていますが、それぞれの原因を整理することで適切な対処法の発見につながります。

以下からはそれぞれの介護ストレスの原因を詳しく見ていきましょう。

精神的な疲労

介護する上での精神的な疲労は以下のような理由によって生じます。

  • 要介護者の健康状態が心配
  • 介護に時間を取られて自分の時間が持てない
  • 家に閉じこもりがちになり孤立する
  • 要介護者と意思の疎通が十分に図れない(要介護者が認知症の場合)
  • 他の家族が介護に非協力的
  • 介護生活が元で家庭不和になった
  • 介護の終わりが見えない

特に最後の「終わりが見えない」とは、家族の介護に携わっている人がもっとも口にしている言葉です。

子どもの成長により軽減が想定される育児と違い、いつまで続くかわからない親の介護は先の見えなさが介護者の疲弊を増大させます。

また、高齢者の介護の「終わり」は要介護者の死を意味することが多いため「終わりを望む=親の死を望む」自分自身に覚える罪悪感もストレスになります。

肉体的な疲労

腰痛のイメージ

介護する上での肉体的な疲労は以下のような理由によって生じます。

  • 日常生活(食事・トイレ・入浴等)の身体介助による腰痛・ひざ痛など
  • 睡眠不足

通常の仕事であれば休日には休息できますが、在宅介護は24時間365日休みがありません。

ゆっくり休んで体力を回復する時間も取れないため、疲労が蓄積して介護者の健康を損なう可能性があります。

経済的な困窮

介護する上では、以下のような理由で経済的に困窮する可能性があります。

  • オムツ代など介護用品の自己負担金額がかかる
  • 介護施設に入居した際の費用が高額
  • 介護者が介護離職せざるを得ないケースがある

介護者の年金だけで必要な額をまかなえれば良いですが、親の年金受給額が不十分な場合には子世帯が費用を負担しなければいけないかもしれません。

在宅介護と施設入居のそれぞれにかかる介護費用の平均は以下の記事でご確認ください。

親の介護にかかる費用はどのくらい?介護破産を防ぐ3つの心得!

介護ストレスの対処法

ストレスの文字をハサミでカットする

介護ストレスの原因がはっきりすれば、その介護ストレスの対処法もわかります。

ここからは介護ストレスを解消するためにどんな方法を取れば良いか、また、対処法により何のストレスが解消できるかを説明します。

介護ストレスの原因が1つだけではないように、介護ストレスの対処法もどれか1つを行えばすべて解決できる訳ではありません。

以下でご紹介する対処法を全部実践する気持ちで、それぞれの対処法を確認しましょう。

ケアマネージャーに相談する

解消できる介護ストレス:精神的な疲労

ケアマネージャー(介護支援専門員)は要介護者と介護する家族の介護生活をマネジメントしてくれる存在です。

ケアマネージャーの具体的な仕事内容はケアプランの作成ですが、介護者がどんな状況なのかによって適切なケアプランが変わります。

ですから、介護者のストレスを正しく把握することもケアマネージャーの重要な責務です。心配事や不安な気持ちは遠慮せずにどんどん相談しましょう。

第三者に介護のグチをこぼすだけでもストレス発散に役立ちますが、ケアマネージャーへの相談は単なるストレス発散だけでなく、相談後の介護生活の向上が期待できます。

ケアマネージャーの仕事内容や、良いケアマネージャーの見つけ方については以下の記事で詳しくご紹介しています。

良いケアマネージャーを見つけるには?3つの探し方と4つの選び方

公的介護サービスを利用する

解消できる介護ストレス:精神的な疲労・肉体的な疲労

介護保険で受けられる公的介護サービスをフル活用して、介護者が直接介護しなくてもすむ時間を作りましょう。

ホームヘルパーによる訪問介護や訪問入浴介護をプロに委託することにより、介護者の肉体的疲労は大きく軽減します。

また訪問サービスだけでなく、デイサービスやショートステイなどの介護施設の短期利用は介護者のレスパイトケア(介護者のケア)にも役立ちます。

ショートステイなどの介護施設については以下の記事で詳しく紹介しています。

デイサービスとデイケアの違いを確認!相違点と共通点からおすすめ施設選び

ショートステイとは?具体的な利用方法やメリットデメリットを徹底解説

ボディメカニクスを覚える

解消できる介護ストレス:肉体的な疲労

ボディメカニクス(生体力学)とは人体の構造を研究し、研究結果を技術や生活に応用するための学問です。

介護のプロが実際にボディメカニクスを学んでおり、日々の業務で利用者の身体介助に活用しています。

介護に活用できるボディメカニクスは特別な技術ではありません。ボディメカニクスを覚えておけば介護者の肉体疲労の軽減や腰痛防止に役立つだけでなく、介護者の安全にもつながります。

◎ボディメカニクスの8原則

  1. 支持基底面積(前後左右の足幅)を広くとる
  2. 重心を低くする
  3. 対象者に近づいて介助する
  4. 対象者に小さくなってもらう
  5. 腹筋や背筋など大きな筋肉を活用する
  6. 水平移動する
  7. 身体をねじらない
  8. テコの原理を利用する

日本福祉アカデミー公式Youtubeでは、ボディメカニクスのやりかたを実際に動画で紹介しています。

国の介護支援制度を利用する

解消できる介護ストレス:経済的な困窮

介護施設に支払う入居費等の支払が多額なときには、負担の一部が返還される国の支援制度が利用できます。

制度の利用により介護を受ける側も安心して介護サービスが利用でき、家族の経済的な負担も解消できます。

高額介護合算療養費制度 1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担額の合計が基準額を超えたときに超過分が支給される制度
高額介護サービス費制度 介護サービスの月額利用費が一定額を超えたときに超過分が支給される制度

また在宅介護のためにバリアフリー化などの住宅リフォームをしたときには、介護保険の住宅改修給付が受け取れる制度があります。

住宅改修給付については以下の記事も参考にしてください。

リフォームに介護保険が適用できるってホント?適用条件や注意点を解説!

気晴らしの時間を作る

ドアの向こう側に広がる青空

解消できる介護ストレス:精神的な疲労

在宅介護をしている人は、旅行などの趣味を楽しむ自由が制限されがちです。

しかし生活に何の楽しみもなければ、溜まったストレスが発散できません。

介護しながらでも楽しめる新たな趣味を見つけて、介護生活の合間に気晴らしできるようにしましょう。

また気晴らしの時間は自分から積極的に作っていく努力が必要です。

介護をしているとつい自分のことが後回しになってしまいますが、介護者の気分転換はおだやかな介護のためにも必須だと考えましょう。

施設入居を検討する

解消できる介護ストレス:精神的な疲労・肉体的な疲労

上記の方法で介護ストレスを解消しようと頑張っても、いつか限界を感じるときが来るかもしれません。

在宅介護に限界を感じた際には、老人ホーム等の介護施設に家族を入れることも検討してみましょう。

介護ストレスで共倒れにならないためには、ストレスが限界になる前に適切な施設を考えておくことをおすすめします。

入居が可能な老人ホーム等については以下の記事でご紹介しています。

あなたにぴったりの老人ホームはどこ?老人ホーム9種類を一挙ご紹介!

介護ストレスを溜めないためには

ウユニ塩湖と女性のシルエット

ここまで介護ストレスの対処法をあれこれ紹介してきましたが、それでもやはり介護にストレスを感じてしまう人は多いだろうと思います。

なぜなら介護でストレスを感じる人の大多数は、真面目で頑張り屋だからです。

「自分がやらなければ」との責任感と「できるだけのことをしてあげたい」という優しい気持ちから、自分を追い込んでしまうケースが多く見られます。

ストレスの少ない介護生活を送るには、頑張りすぎない介護を心がけましょう。

「できないことはできない」と、ある程度の割り切りもストレスを溜めないためには重要です。

まとめ

川沿いを歩く老夫婦の背中

今回は介護ストレスの原因とその対処法について解説しました。

介護は長いマラソンです。100%を求めて全力を出し続けていては、いつかはストレスで力尽きてしまいます。

必要に応じて第三者の力を積極的に借りつつ、要介護者だけでなく介護者自身の心身の健康を守る算段をできるだけ講じましょう。

ライター紹介 | 杉田 Sugita

認知症サポーター。父母の介護と看取りの経験を元にした、ナマの知識とノウハウを共有してまいります。


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