- 家系図は戸籍謄本・除籍謄本を取り寄せることで自作が可能
- パソコン・スマホアプリで作る方法もある
- 行政書士に作成を依頼することもできる
「自分のご先祖様は誰なのか?」「どこで生きていたのか?」など、自分のご先祖様について気になってしまった経験はありませんか?
そんな場合に利用できるのが「家系図」です。自分のルーツを調べたり、記念品として子どもに贈呈したりするような形で利用できます。
今回は家系図の作り方のポイントと、気軽に作るための「Excel」「アプリ」について解説します。
目次
家系・家系図とは
家系とは、「名字を受け継いできた血統」という意味です。
この家系を図で表したものが「家系図」で、人物同士を線で結んでいくことで作成されます。
先祖はどの時代までさかのぼれる?
家系を調べるとき、「どこまでさかのぼって探せるのか」という点が気になる人もいるのではないでしょうか?
家系図を作る目的が「自分のルーツを知るため」であれば、できるだけ先祖まで遡りたいと考えるものです。
しかし、あまりに古い時代の家系になると推測や希望が混ざってしまうことも多くなり、正確に調べることは不可能です。
すでに太古からの家系図が継承されているような家系でもない限り、どこまで辿れるのかについては「個人ごとに差がある」というのが答えになるでしょう。
最初の作業は「戸籍で家系を調べること」
家系図を作成するための手段で代表的なものは「戸籍を辿る方法」です。
戸籍に関する記録は「本籍地」を管轄する自治体で保存されているため、戸籍を1つずつ遡って取り寄せることで手っ取り早く戸籍の全貌を調べられます。
実際に家系図を作成する場合は、以下のステップで進めることになります。
- 役所で戸籍を取得
- 戸籍を読みとる
- 読み取った情報から家系図を作成する
個人の先祖の戸籍を集めて分析し、家系図に落とし込んでいくのが基本です。これを「戸籍調査」と呼びます。
本籍地が分からない場合、現在住んでいる市町村の役所で本籍の記載がある自分の住民票を発行します。
本籍を記載した住民票には「戸籍ができた理由(婚姻など)」「この戸籍に入る前はどこにいたか」が記載されており、先祖1人ずつの戸籍謄本を取得して確認することで、戸籍が残っているもっとも古い人まで遡ることが可能です。
一見方法は単純かと思えますが、先祖1人ずつのそれぞれの役所まで赴いて戸籍謄本を取得することはかなりの根気が必要です。
古い戸籍になると管理している市役所が遠方にある可能性もあり、「除籍謄本請求」を利用して郵送で取り寄せる方法が有効です。
郵送の方法は対象の自治体の公式webサイトで調べることになりますが、主に必要になる書類は以下のとおりです。
- 除籍謄本の請求書
- 希望する戸籍と自分の関係が分かる戸籍のコピー
- 身分証明書のコピー
- 定額小為替(郵便局で購入)
- 返信用封筒・切手
戸籍を取得すれば、中身を読み取ることで次の戸籍が請求できるようになります。この際に読み取りに漏れやミスがあると正確な家系図が作成できないため、細心の注意を払った作業が必要です。
家系図の作り方
家系図の作り方には厳密な決まりはありませんが、一般的に「こうしたほうが見やすい」といわれるルールは存在します。
ここでは家系図作成のポイントを見ていきましょう。
書く際のポイント
一般的なルールに沿って家系図を作成することで家系の関係を把握しやすく、見た目も分かりやすい綺麗な家系図に仕上がります。
まずは以下の基本的なルールに沿って作ることを意識してみましょう。
- 夫は右、妻は左など夫婦を横並びにする際の順番を決める
- 夫婦の結びは二重線にする
- 親子は単線にする
- 実子は単線、養子は縦の二重線にする
- 子が複数いる場合は右から年長者順など順番を決める
- 離婚歴がある場合は古い順で右から配置する
一般的には縦長で木のような形をした「樹形図」が採用されます。上下で尊属(先祖)卑属(子孫)が分かれるため、パッと見でも関係性が分かりやすいのが特徴です。
パソコンでの作成も可能
手書きで作成することもできますが、書き損じすると書き直しになります。
そこで最近ではパソコンやスマートフォンで作成できるようになってきています。代表的な手段は「Excel(エクセル)」と「アプリ」です。
Excelで作成
Microsoftの「Excel」であれば、インターネット上で豊富に見つかるテンプレートを利用して家系図を作成することができます。
例えば「家樹」というアプリでは、Excelに直接入力できるテンプレートが用意されています。最大で14代前まで遡れるほか、横も40人まで記載が可能です。
以下のページで作り方が画像付きで紹介されているため、Excelに自信がない人でも安心です。
>> 家樹|家系図をエクセルで作る方法を動画で解説!無料テンプレート付き!
アプリで作成
最近では家系図を作成できるスマートフォンのアプリも登場しています。Excelやパソコンの操作に慣れていない人でも、気軽に空いた時間で家系図作成が可能です。
例えば「家系図アプリby名字由来net」というアプリがあります。
基本機能は無料で作成が可能で、家系図登録が100万人を突破している人気のアプリです。
人物名を好きな位置に配置できるため、作り直すことも簡単です。日本人の名字の99%を網羅しており、無料で「名字のルーツ」「名字の読み」「名字ランキング」まで利用できます。
家系図を公開したユーザー同士の「先祖や遠縁が相互につながる」というアプリならではの機能もあります。
無料でも50名まで登録できるため、気軽に作成してみたい人に適しているといえます。
自分で調査を行う際のデメリット・注意点
昔の漢字が理解できない可能性
古い戸籍の場合、読み方が分からない漢字が登場することがあります。この段階で難しさを感じて諦めてしまう人もいるのではないでしょうか?
例えば「朔日」という普段見慣れない漢字が見つかることもありますが、これは今でいう「晦日(一日)」にあたり「参月朔日 出生」であれば3月1日生まれということになります。
また、続柄に用いられている今は使われていない漢字に戸惑うことがあります。ここの意味を取り違えると正確な家系図になりません。
市町村合併で本籍の市役所が変わっている
市町村合併などがあると、昔と今で市区町村の表記が異なることがあります。たとえば東京都青梅の一部はかつては神奈川県でした。
スムーズに戸籍を取得するためには、これから請求する本籍地の歴史をインターネットで探すことで位置関係をはっきりさせることが大切です。
行政書士に家系図作成をお願いすることも可能
一部の行政書士事務所では、家系図の作成を行っています。
自分で作成する手間から解放されることで、「時間がかかる」「漢字が分からない」と途中で諦めてしまう方も家計図の作成が可能です。
行政書士が多いのは「相続完成相関図」作成などの業務で戸籍の取得に慣れているためです。
本来の専門家ではありませんが、戸籍の取得に関しては資格の関係でプロといえます。得られる付加価値は、「正確な戸籍の取得・読み取りができる」という点でしょう。
家系図作成業者に依頼した場合の費用感
業者に依頼した時にかかる費用は、家系図のボリュームによっても異なります。
父方の先祖だけ調べる(一家系)、母方も先祖も併せて調べる(二家系)など調査範囲の違いがそのまま費用の違いです。
祖父母の4人の家系をそれぞれ調べる「四家系」というパターンもあります。
特に付加価値を付けず「戸籍調査から家系図作成」まで請け負う場合、3万円前後が一般的です。
実在する行政書士事務所では「ツリー型(樹形図型)の家系図」「戸籍謄本などの原本」「CD-Rデータ」「保存用の箱」までついて以下の値段設定が行われています。
- 一家系=25,000円
- 二家系=50,000円
- 三家系=70,000円
- 四家系=85,000円
まとめ
家系図作成のコツや注意点についてご理解いただけたでしょうか。
家系図を作成する代表的な方法は「戸籍を取り寄せる」「読み取る」「家系図に落とし込む」という3つのステップがあります。単純な方法のように感じますが、根気と正確さが求められる作業です。
どうしても難しいようであれば行政書士などの戸籍調査の専門家を頼るという方法もありますが、スマホアプリで気軽に作ることもできるため、ご自身に合った方法を考えて実践してみましょう。

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