【Excel版】エンディングノート(終活ノート)

終活を始めるべき年齢は?早く終活を始めるメリットとは

終活

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高柳政道 Takayanagi Masamichi
高柳政道 Takayanagi Masamichi
ライター

生協の売り場責任者と保険推進リーダー、その後、メーカー営業として勤務。自身の老後資金不足への危機感からお金の勉強を開始。FP資格を取得した後、得た知識を周囲に還元するためにWebライター・コラムニストとして独立。1級ファイナンシャル・プランニング技能士とCFPの資格を保有し、「終活」「相続」「保険」「投資(iDeco・NISA)」などの分野に精通。老後に安心して暮らすための知識とノウハウに関して、豊富な執筆実績あり。 ▼保有資格 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R) DCプランナー2級

この記事のサマリ
  • 終活は何歳からでも始めてOK
  • 終活を始めたい年齢は4割以上が60代
  • 可能な限り若いうちから始めるのが良い

人生100年時代とも呼ばれる昨今は「終活」という言葉が認知され、自分自身のお墓の購入、葬儀の方法の決定、財産分与などを早いうちから準備し始める人もいらっしゃいます。

それでは、何歳くらいから終活を始めるべきなのでしょうか?

今回は、終活をいつから始めるべきかについて解説していきます。

終活とは|前向きに人生を整理すること

終活ノート

終活というと、何となく「自分の死」を連想して暗いイメージを抱きがちです。

しかし、終活の目的は「残りの人生を豊かに生きるために、これまでの人生を整理する」ことにあります。

年齢を重ねると、否が応でも「死」と向かい合うことになります。終活を行うことで自分が置かれている状況を客観的に捉えることができるのです。

「やり残したことを書き出す」「遺された家族が苦労しないように情報を残す」といった行動を通じて、余生でできること・できないことが明確になるでしょう。

残された家族の負担が減るだけでなく、自分のやりたいことが明確になることで残された人生をポジティブに過ごすことにつながります。

有名人も終活を行なっている方が多いです。詳しくは以下の記事をご覧ください。

終活 有名人に学ぶ「終活」の重要性|おすすめエンディングノートを解説

楽天リサーチ「終活に関する調査の結果」でみる終活の始めどき

調査

楽天リサーチ株式会社では過去に「終活に関する調査」を実施しました。

その結果「終活を始めたい年齢」は4割以上が60代という結果になっています。

65~69歳の21.6%がもっとも多く、次いで60~64歳の20.5%、70~74歳の18.1%と続きます。実年齢が60代の層以外の全年代において、60代が「終活を始めたい年齢」トップでした。

参考:楽天リサーチ株式会社|楽天リサーチ「終活に関する調査」結果を発表

終活を始めるタイミングは自由

タイミング

一般的に終活を始める年齢は60歳代以降が多いことが分かりました。

ただ、若いうちから終活を考え始める人もいます。理由はさまざまですが、「両親を見送ったことで自分の老後のことも真剣に考えるようになった」という人もいるでしょう。

終活を早いうちから始めることに、デメリットはありません。「始めたい時に始める」でも十分です。

終活を始める年齢の考え方

体力がある65歳前後から始める

終活は自分が始めようと思った時が始め時です。

ただ、財産分与などは相続人になる人の意見や希望がまとまらず、長い時間がかかることがあります。高齢になってから始めると、必要性は高まっているのに気力と体力がもたないこともあるかもしれません。

65歳は多くの人にとって会社を退職し、人生において1つの節目を迎えるタイミングです。

人生100年時代といわれている中であっても、65歳ならあと35年もあります。半生を振り返るタイミングとして丁度いいのではないでしょうか。

仕事を離れたら始める

仕事を離れるタイミングは、通常であれば定年の65歳ですが、早期退職をされる方もいらっしゃいます。

仕事がある日常から、仕事を辞めることで生活スタイルが一変します。自由に使える時間が1日の大半を占めることになるでしょう。

時間に余裕が生まれることで、残りの人生についてじっくりと考える時間を持つことができます。

健康に不安を覚えたら始める

現役世代であっても、病気やケガによって自分自身の健康に不安を覚えることがあります。

自分以外の家族(配偶者・両親など)が体調を崩してしまったことをキッカケで、自分もしものことがあった時のことを考えてしまうこともあるかもしれません。

そのような心境を迎えたら、終活を始める丁度いいタイミングといえます。

若いうちから終活を始めるメリット

メリット

セカンドライフをじっくり考えられる

終活は、亡くなった後のことだけを考えるわけではありません。

老後のお金の使い方や生活の仕方など、働かなくなってから天寿を全うするまでのセカンドライフを形作ることでもあります。

将来のことを若いうちから計画しておくことで、余裕のあるセカンドライフの始まりを迎えることができるでしょう。

家族に遺志を伝えられない事態を防げる

高齢になってからでも、元気であればいつでも終活を始めることができます。

しかし、高齢になった時に家族に遺志を伝えられない、あるいは高齢になるまでに亡くなってしまう人がいることも事実です。

内閣府の調査によれば65歳以上の認知症患者数は平成24年(2012年)に462万人で、65歳以上の高齢者の約7人に1人の割合でした。

それが2025年には約700万人と、65歳以上の約5人に1人が認知症になると見込まれています。

認知症 有病率

画像引用:内閣府|平成28年版高齢社会白書(概要版)

認知症にかかるリスクは今後も上がり続けるということです。自分が認知症にかかると症状の重さ次第では自分の遺志を残せなくなります。

また、高齢を迎えるまでに急な事故などで亡くなってしまう可能性も否定できません。

「令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概要」によれば、主な死因として悪性新生物(がん)が27.3%、心疾患(高血圧性を除く)が15.0%、老衰8.8%と続くなかで「不慮の事故」も2.9%で7位になっています。

死因 グラフ

画像引用:厚生労働省|令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概要

不慮の事故で亡くなる人の数を見てみると、令和元年だけで男女合わせて39,410人となっています。4万人近くの方が不慮の事故で亡くなっているというのは、インパクトがある結果でしょう。

死因 数

画像引用:厚生労働省|令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概要

高齢になるほど病気で亡くなる割合が増えて、不慮の事故で亡くなる割合は減っていきます。それでも40~60歳代の一定数の人が不慮の事故で亡くなっているのが下図からも分かります。

死因 年齢

画像引用:厚生労働省|令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概要

若くて健康だとしても、不慮の事故で亡くなってしまう可能性は否定できません。

若いうちに終活を進めておくことで、万が一のことがあっても自分の遺志を家族に伝えられるでしょう。

年代別の終活リスト

年代

30代は不慮の事故に備えて最低限の情報を残す

30代でも、ほんのわずかでも終活を進めておく価値があります。進めた分だけ老後の負担を減らすことができるのです。

とはいえ、具体的に「お墓を買う」などの行動に出る必要はありません。購入費用は高額になりますし、転居などでもっと良い場所を見つけることもあります。

30代は終活の全体像を把握することに努めましょう。ネット銀行やwebサービスのログイン情報など、最低限の情報を残しておくだけでも十分です。

40代~50代は第二の人生を描きながら終活を行う

40代~50代は会社の中で重要な役職を担っており、終活に対してだけでなく、いろいろなことに時間が取りにくい時期です。

片付けがままならず、家の中に荷物があふれていることも考えられます。

家の中にものが溢れているのであれば、思い切って捨てましょう。断捨離を老後に行うのは体力的にも難しいですから、早いうちに整理しておくと楽です。

預貯金は若いうちは口座をいくつ持っていても管理できますが、歳を重ねるごとに管理が難しくなります。自分に万が一のことがあった時に家族が遺品整理に苦労しないよう、すでに使っていない口座などは思い切って整理しておきましょう。

60代以降は本格的に終活を行う

60代以降は、自身の最期をイメージして本格的な終活を始めます。

  • 葬儀の形をイメージする
  • エンディングノートを作る
  • 生前整理を始める
  • 自分が入るお墓を探す

先祖代々のお墓に入るつもりであればお墓の手配は特に必要ありませんが、新しいお墓を用意するのであればお金も時間もかかります。準備は早いに越したことはありません。

終活をしている方向けの見学ツアーも実施されています。足腰が丈夫で体力がある60歳代に終わらせておくといいでしょう。

終活でやること

遺言書

エンディングノートを作る

終活で大きなウェイトを占める活動は「エンディングノート」を作成することです。

遺言書のような法的効力がない反面、相続のこと以外にも「家族への想い」など自由に残すことができます。

市販のエンディングノートには不動産・預貯金・有価証券など、財産に関して記入するページがあり、内容にしたがって記入を進めるだけで自身が持っている財産が明確になります。

インターネットの普及でID・パスワードが必要なサービスが増えていますが、これもサービスごとにエンディングノートに遺しておくと家族が困らないでしょう。

【Excel版】エンディングノート(終活ノート)ダウンロードページ 机上のPC,ノート、スマホ おすすめのエンディングノート一挙紹介|市販品・パソコン・スマホ・自治体

遺言書の作成

遺言書は、法律に定められた要件を満たすことで法的な効力が発生する書類です。

相続人が複数いる場合、遺された家族が困らないように財産の取り分について記載をしておきましょう。

遺言書は、以下の3つのいずれかを選択して作成します。

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言

いずれも法律で定められた条件を満たすことで法的な効力が生じます。ただし自筆証書と秘密証書は本人が保管するため、亡くなったあとに見つからないと遺志を伝えることができません。

確実に遺言を残すなら、遺言書を公証役場で保管する「公正証書遺言」が良いでしょう。

will_top1 遺言書を残そう!①遺言書を残すべき人とその理由

生前整理

持ち物や書類、思い出の品などを取捨選択し、整理しておくのが生前整理です。

生前整理を行うことで、亡くなった後に遺族が行う「遺品整理」の負担を減らすことができます。また、あらかじめ自分の持ち物を整理して身の回りのものを減らすことで、自分も身軽ですっきりとした気持ちで過ごすことにも繋がります。

まとめ

終活は何歳からでも始めることができるため、「絶対に〇歳までにやらなければいけない」という決まりや基準はありません。

しかし、「お墓の見学会に参加する」「身の回りの品を売却・処分する」「エンディングノートを細かくつける」といった作業は体力を使うため、年を重ねてからでは辛いものがあります。

さらに、若くて健康であっても「不慮の事故」で亡くなる可能性も否定できません。

終活を始めるなら、できる限り若いうちから始めるのが良いでしょう。


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