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火葬場の仕組みとは?火葬炉の違いや費用、火葬の流れを徹底解説

葬式

この記事のサマリ
  • 火葬炉の構造には「台車式」「ロストル式」の2種類
  • 火葬炉以外にも葬儀に必要な設備が整っている火葬場が増えている
  • 火葬にかかる費用はその地域に住んでいるかどうかで変わる

葬儀が終わって出棺が行われると、ご遺体は火葬場に運ばれます。火葬場に行かれたことがある方でも、仕組みや違いを知っている方は少ないのではないでしょうか。

今回は火葬場の仕組みである火葬炉の違い、火葬の費用や流れについて解説します。

火葬場とは?

 Crematorium

火葬場とは?

火葬場とは、文字通り「遺体を火葬する場所」のことです。火葬場で遺体を火葬することを仏教用語で「荼毘に付す」とも表現します。

公営の施設が主流ですが、東京23区など民間の火葬場が多いという自治体もあります。

近年では葬儀の式場が合わさった形態の火葬場が増加傾向にあり、そこでは通夜、葬儀、火葬を1つの施設内で行うことが可能です。

火葬場の仕組み|火葬炉の違い

火葬を行う「火葬炉」には、大きく分けて「台車式」と「ロストル式」という2つの構造が存在します。

それぞれ特徴やメリット・デメリットがあり、大きく異なります。

①台車式の火葬炉

現代において主流になっている火葬の仕組みが、「台車式」です。日本の約9割の火葬場で採用されています。

台車式の火葬は台車に乗った棺を主燃料炉という場所に運搬し、バーナーで台車ごと棺を燃やす、という方法です。台車を動かすチェーンは正転も逆転も可能で炉への出し入れが容易なほか、タイヤの数が多いことから脱線しにくいという特徴があります。

また、台車式は「ご遺体を焼く炉」と「出たガスを焼いて無害化する炉」の2つの構造に分けられます。これによって、悪臭や有毒ガスが外に漏れだすのを防いでいます。

台車式火葬炉のメリット

台車式火葬のメリットは、以下のとおりです。

  • 前室扉を閉じれば参列者に見られずに副葬品を取り除ける
  • 台車に乗せて火葬するためご遺骨がキレイに残る
  • 炉内の熱気や臭気が待機ホールに漏れ出さない
  • 不完全燃焼のリスクが小さい

ご遺骨がキレイに残ることは、「お骨上げ」の際に重宝します。「ここはどこの骨か」と参列者から聞かれることも多いため、台車式であれば説明しやすいのがメリットです。

また、主燃料炉の容積が小さいことから不完全燃焼のリスクを抑えることができるのも特徴です。

台車式火葬炉のデメリット

一方の台車式のデメリットは、以下のとおりです。

  • 燃焼時間が長い
  • 設備コストがかかる
  • 燃料のガスや重油によるコストがかかる

台車式は炉内の面積が小さく完全燃焼できる一方、すき間の無い構造のために燃焼効率は悪くなります。そのため、火葬の開始から終了までは約60分程度の時間がかかります。

また、設備や燃料のコストがロストル式と比べて割高になる点もデメリットです。

②ロストル式の火葬炉

「ロストル式」とは、金属棒を張り巡らせた上で棺を燃やす方法です。現在では採用している火葬場はほとんどなく、日本の火葬場全体の10%にも届きません。

ロストル式は、金属棒の上に棺を置くだけのシンプルな構造のため、設備投資にお金がかからないのが大きな特徴です。また、ご遺体が金属棒の部分から落ちてしまったとしても、下にある受け皿で受け止めて焼くことが可能です。

ロストル式火葬炉のメリット

ロストル式のメリットは、以下のとおりです。

  • 設備費用が安価である
  • 燃焼効率が良い
  • 火葬時間が短くなる

ロストル式は、台車式のように密閉された空間ではないため、燃焼効率が良く火葬時間を短縮することができます。設備によっては約40~50分で火葬が完了するため、より多くのご遺体を荼毘に付すことが可能になります。

このメリットから、東京都の一部の大規模火葬場ではロストル式が採用されています。

ロストル式火葬炉のデメリット

一方の火葬場のデメリットは、以下の通りです。

  • ご遺体の形状が維持できない
  • 臭気や熱気が待機ホールに漏れ出す
  • 故障した時に火葬炉を止める必要がある。

特に差が出るのは故障した時です。台車式では台車が壊れても予備に交換すれば炉を休止する必要ないのに対し、ロストル式では外に出せる台車がないために炉を止めて修理する必要があります。

火葬場の仕組み|火葬場の部屋

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火葬場は、ご遺体を焼くための火葬炉だけが設置されているのではありません。特に近年は葬儀も一緒に行える火葬場が増えていることから、火葬炉以外の設備が充実しています。

ここでは、火葬場全体の構造を紹介します。

葬儀場

近年では、火葬場と葬儀場がセットになったタイプも珍しくなくなりました。併設すれば移動の時間を削減できるほか、式の段取りがスムーズになって遺族の負担を減らすことができます。

霊安室

火葬場において、火葬される前のご遺体を安置しておく場所です。病院や葬儀場にあるイメージが強い霊安室ですが、一部の火葬場には設置されていることもあります。

告別室

遺族が故人と面会、お別れをする場所です。火葬する前に故人の顔を見られる最後のタイミングとなります。

この時に僧侶による読経や、焼香などがあわせて行われます。

炉前室

「前室」とも呼ばれます。本来は火葬された直後のご遺体を遺族に見られないように配慮して作られた部屋です。

最近では、火葬場の構造によって炉前室で焼香を行うこともあります。

控室

火葬場における控室は、火葬が完了するまでの間に待機する部屋を指します。遺族が待機する部屋とは別に、僧侶用の控室が設けられています。

火葬が終わるまでは1時間程度の時間がかかるため、軽食や菓子を出して参列者の労をねぎらうのが一般的です。

また近年では、四十九日の忌明けの食事である「精進落とし」を、このタイミングで行うケースが増えています。

火葬にかかる費用

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火葬にかかる費用は、自治体によって大きく異なります。また、自治体に住所を有しているのかどうかで費用が2倍近く変わることもあります。

例えば、東京都にある瑞江火葬場での費用は7歳以上の都民で58,300円、都民外では71,280円です。

一方、静岡市の公営火葬場である静岡斎場では死亡時に静岡市に住所がある12歳以上の方であれば10,000円、死亡時に住所が無ければ44,000円と、実に4倍以上の開きがあります。

このほか、地方によっては無料で火葬を行う自治体もあります。

火葬の流れ

葬儀が終わると、ご遺体は霊柩車やバスに乗せられて火葬場に向かいます。その後は火葬と収骨を経て、初七日法要まで執り行うのが一般的です。

ここでは、出棺から収骨までの流れを紹介します。

出棺

セレモニーホール等での出棺の際に、故人の周りに生花を置く「別れ花」が行われます。その時に故人との思い出の品を副葬品として入れることもできますが、不燃物は入れることができません。

入れてはいけない副葬品は何なのか、あらかじめ葬儀社に確認を行いましょう。

この後、喪主が位牌をもって霊柩車やバスに乗り込み、僧侶と一緒に火葬場に向かいます。

読経・焼香

火葬場についたら、「告別室」にて僧侶による読経と参列者による焼香が始まります。故人の顔を見られる最後のタイミングのため、関係が深い方から順に顔を見ながらお別れを言うのが一般的です。

火葬

故人との別れである「納めの式」が終わると、棺が火葬炉に入れられて火葬が始まります。

火葬炉の仕組みによってかかる時間は変わりますが、台車式なら「約1時間」、ロストル式なら約45分程度の時間がかかるのが基本です。

火葬にかかる時間は副葬品で変わる

火葬というと「燃え残らなければ何でも入れていい」という考えが一般的ですが、入れないほうがいいものもあります。

例えば、眼鏡を入れると熱で溶けて遺骨に付着してしまうほか、金属部分が冷却するまで収骨を行うことができなくなります。

本も同様で、燃やすことはできても灰が残ることから収骨時に灰を取り除く必要があり、結果として葬儀の時間を遅らせる原因になります。

収骨

火葬が終わると「収骨(お骨上げ)」に移ります。2人1組で竹箸を使って骨を持ち上げ、骨壺に入れていきます。

縁が深い方から順番に行うことで、「三途の川を渡る橋渡しをする」という意味があります。どの骨から拾うかは係の指示があるため、それに従います。

火葬場におけるマナーについて詳しくは以下の記事をご参照ください。

葬式の線香 火葬場(かそうば)とは|歴史と現代の問題点、使用時のマナーまで解説

まとめ

今回は、火葬炉の違いや火葬場の仕組みについて解説しました。

現在はほとんどの火葬場で台車式を採用しているため、これから葬儀をする方はこの台車式を利用することになるでしょう。

火葬に関する仕組みや流れを覚えておけば、場面ごとにふさわしい振る舞いをすることができます。お近くの火葬場の費用もあらかじめ調べておくと良いでしょう。

3つライター紹介 | 高柳政道 Takayanagi Masamichi
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。老後に安心して暮らすための知識とノウハウを紹介いたします。

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